2009/5/27 | 投稿者: 木下牧子

 ここ数年恒例となった奏楽堂日本歌曲コンクール審査ですが、24日に本選が無事終わりました。一次予選が始まるときは、一日60人の審査を4日も続けられるか心配だったのですが、いつの間にか終わって、気づいたら6月が目の前です。

 正直いうと審査もさることながら、毎年5月の緑美しい時期に上野公園に何度も足を運べることが幸せでした。大学時代も上野公園を通っていたのに、あの頃は周りの風景のことなど全く何とも思っていませんでした。大人になると緑豊かな公園を散歩できるだけで最高〜。
 
 第一次予選では毎年200人を超える演奏を聴くので、この数年で日本歌曲にはかなり詳しくなりました。山田耕筰はじめ、中田喜直、団伊玖磨、信時潔、平井康三郎、小林秀雄、大中恩といった作曲家のスタンダード歌曲はほとんど覚えました。(石桁真礼生作品は最初から知っている。師匠なので。)コンクール時期には翌朝目覚めると、これらの名曲の歌詞やフレーズがぐるぐる頭の中を回っていたりしましたが、ようやく平常に戻ってきました。

 日本歌曲というと淡々とした雰囲気を想像しがちですが、実は重量感があって盛り上がる曲が多いようです。もっともコンクールの選曲ですから当然ともいえますが。日本語は難しいので、歌唱法が充分研究された作品に選曲が集中するのはやむを得ないのかもしれませんが、もうちょっと気楽に新曲歌っていただけると嬉しいですね。

 今秋は大阪と名古屋の日本歌曲講習会にお招きいただいているので、自作をなるべくわかりやすく分析し、上手く歌うコツなどお伝え出来たらいいなと思っています。

コンクール本選の結果はこちら。


2009/5/21 | 投稿者: 木下牧子

 17日の日曜日は「女性指揮者の会」にお招きいただいて、吹田の大阪シティアカデミーで合唱講習会の講師を務めてきました。この会では、今まで会員(女性指揮者の皆さん)の指導する合唱団がモデル演奏することが多かったそうですが、今回は選曲が『悲しみの枝に咲く夢』という難易度の高い曲集だったため、一般の合唱団では短期間に仕上げられないということで、合唱は出席した女性指揮者の皆さん全員で、指揮者(もちろん女性指揮者の会のメンバー)とピアニストは一章ずつ交代で演奏してくださいました。

 この講習会のために、お忙しい指揮者の皆さんが合宿して合唱を仕上げてくださったとのこと。日頃から合唱団の指導をなさっている上に、声楽出身の方が多いため声量も読解力も抜群で、私がいろいろお願いすることに直ちに反応してくださるので、とても話を進めやすくて充実した講習になりました。

 講習会のあとは世話人の皆さんと夕食会。音楽やその他いろいろな話題で盛り上がりました。だいたい年代が同じこともあって、とても楽しい時を過ごすことができました。「女性指揮者の会」の皆様、大変お世話になりました!ちょっと難しい曲集ですが、ぜひ「悲しみの枝に咲く夢」演奏なさってみてください。

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「女性指揮者の会」の皆さんと。
真ん中オレンジのワンピース(with ジャケット)が私。その左隣が「女性指揮者の会」代表の福田美保先生。

 今や大阪は近いですし、作曲の〆切りも迫っているしで当然日帰りです。おいしい夕食をいただいているあたりまでは楽勝ムードでしたが、帰りの新幹線ではだんだん足が鬱血してきて最後はエコノミー症候群になりそうでした。家から吹田までで3時間半というのはとても近いですが、往復すると1日7時間座っていることになって少々辛いですね。日頃の運動不足も祟っているんでしょうが。

 今年はこれから何度も大阪に行きます。6/28は大阪府合唱祭の講師、7/9日はいずみホール主催「日本のうた」(木下牧子を迎えて)という演奏会にゲスト出演、11/15は神戸市役所合唱団演奏会で新作初演、11/16は関西日本歌曲研究会の講師、そのほか数回行く予定。できれば日帰りは避けたい・・。

2009/5/14 | 投稿者: 木下牧子

 演奏会のお知らせを…。来月6月6日(土)旧東京音楽学校奏楽堂において、第7回・二期会日本歌曲研究会演奏会が開かれます。今回はこの会の委嘱による私の新作も初演されます。歌曲集「動物詩集」(詩/三好達治)全7曲。それぞれは短くてトータルでも12分弱ですが、どの曲もなかなかに個性的で面白い作品集になったと思います。
 よく考えると私って動物関連の詩を選ぶことが多いんですよね。合唱でも「光る刻」「わたしはカメレオン」などがありますし、単発でも随分動物を歌った歌があります。
でも今回は特に歌曲ということで、動物を擬人化した茶目っ気のあるテキストを多く使っているので、歌うにせよ聴くにせよ感情移入しやすいと思います。三好達治ってウェットな詩もいいですが、こういう洒落た詩も本当に巧い!

 初演は私の作品をいつも好演してくださるソプラノの野崎由美さん、ピアノは東井美佳さんです。このほかバリトン、サックス、ピアノによる歌曲集「父の唄」(初演の松井康司さんが再演してくださいます)、「抒情小曲集」からうぐいす、夕顔なども演奏されるので、ちょっとした木下作品特集にもなっています。もちろん山田耕筰、團伊玖磨、中田喜直、といった歌曲界の定番名曲もたくさん演奏されます。演奏は名手揃いですので、興味おありの方はぜひお出かけください。

第7回・二期会日本歌曲研究会演奏会

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日時 2009年6月6日(土) 午後1時30分開演
場所 旧東京音楽学校奏楽堂(JR上野公園口10分)
主催 二期会日本歌曲研究会
出演 
内田もと海、基山みづほ、小池芳子、竹内宏佳
武かほる、野崎由美、前中榮子、山本富美(S) 
清水邦子(M.sop)小林顕英、中村健(以上Ten) 
松井康司、宮本哲朗(以上Bar)
東井美佳、朴令鈴(以上Pf)彦坂眞一郎(Sax)

曲目 
山田耕筰:鐘がなります、からたちの花、この道
信時潔:「沙羅」より 
平井康三郎:秘唱、うぬぼれ鏡
中田喜直:鴉、かげ、サルビア、ゆく春
三木稔:「花ものがたり」より
木下牧子:歌曲集「父の唄」全曲、
     「抒情小曲集」より 夕顔 他
前田佳世子:てがみ、小さな恋の物語、あい
石桁真礼生:民話による4重奏曲「河童譚」
《今年度委嘱作品》
木下牧子:動物詩集(詩/三好達治)

二期会チケットセンター 03-3796-1831

   

2009/5/12 | 投稿者: 木下牧子

 連休中は、もうすぐ出版になるオペラ「不思議の国のアリス」のフルスコア・チェックに集中しました。最後のほうは一日12時間くらい没頭してようやく出来上がりましたが・・ああ疲れた。特に目が。500ページ近い楽譜はPDFの形ですぐメール添付して担当編集者のIさんにお送りしました。これで一安心。

 連休明け7日〜10日は4日連続で、奏楽堂日本歌曲コンクールの第一次審査をしてきました。一日60人、合計220人くらいの演奏を立て続けに聴いて相当疲れましたが、行き帰り(と昼食後の散歩で)の上野公園の緑の美しさに癒され、なんとか終えることができました。
 隣の席になったソプラノ・小泉恵子さん(国立音楽大学声楽科教授)とは同年代でもあり、歌曲や日本語のディクションについていろいろ突っ込んだお話ができました。日頃は一人で籠もって作曲するので、昼食後公園を散歩しながらのおしゃべり(時に議論)はとても楽しく、いい刺激を受けました。
 もう一方の隣には作曲家の原嘉壽子先生。オペラ作家として活躍なさる原先生には大学時代ソルフェージュを教わったこともあり、昔からあこがれの存在でした。オペラ作曲にまつわるいろいろ貴重なお話が伺え、目から鱗。次の作曲に生かせそうです。

 今週土曜には第二次審査、24日には本選があります。第一次の難関を突破した皆さんがどんな演奏を聴かせてくださるかとても楽しみです。

2009/5/2 | 投稿者: 木下牧子

 4月から急に頭が回転し始めたものの、それまではずっと蓄積疲労でどんよりしていたので予定が大幅に遅れています。ですからこのゴールデンウィークはもちろんカンヅメです。良い天気だしベランダに出れば樹海状態、野鳥もそこここに鳴いているので、別荘に来ていると思えばリッチなものです。公園の緑は全部うちの別荘の庭…と思えば。

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毎度、うちのマンション・ベランダからの眺め。

 この連休中に、作曲とは別に仕上げなくてはならない作業が2つあります。
ひとつは今年の1〜2月には仕上げる予定だったオペラ「アリス」のフル・スコアの見直し(まだやっている…)。もちろん集中して作業すればずっと早くできるのですが、見直しとか浄書とかは作曲予定に組み込まず、別枠で早朝やっているので、朝起きられない日が続くとどんどん遅れていってしまいます。
 ヴォーカル・スコアは昨年すでに音友から出ていますが、12月の東京室内歌劇場公演を前にフル・スコアも出版になるので、ゴールデン・ウィーク明けがぎりぎりデッドライン。「アリス」はコンパクトなオペラですが、それでも100分あって、スコアは500ページ近く。ふ〜。次にオペラを書くときは体力増強しておかないといけません。

 もうひとつは歌曲集出版の準備。カワイ出版から出る「木下歌曲集3」の準備はもう終わっていて出版を待つばかりですが、もう一冊、音楽之友社からも現行歌曲集の増補改訂版がでることになっていて、その作業を連休中にやらねばなりません。ここ数年、声楽家の方や日本歌曲研究会などから歌曲委嘱が続き、知らない間に作品が増えていたのですが、それらが今回まとまって出版となります。ぜひ演奏なさってみてください。

 連休が終わったら、ここ数年恒例となっている奏楽堂日本歌曲コンクール審査に突入します。温泉にいくのはその後かなあ。




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