2010/11/7 | 投稿者: 木下

 10月31日(日)いずみホールにて「大阪コレギウム・ムジクム演奏会」創立35周年記念・現代音楽シリーズが開催され、同団委嘱による私の新作「たいようオルガン」)(混声合唱とオーケストラのための)が初演がされました。大成功といえる完成度の高い初演でした。演奏会にお出かけくださった皆様ありがとうございました!ブログで大々的に宣伝するつもりが、今回はいつもより一日早く大阪に来たため、すっかり忘れて何のお知らせもせずに出てきてしまいました。素晴らしい初演だったのに〜残念。
 そして事後のご報告が遅くなってしまったのは、東京に帰って一度すぐアップしようと大量に文章を書いたところでデータが飛んでしまい、ショックでしばらくネットをつなぐ元気がでませんでした。一昨日夜から風邪で寝込んでいて、熱っぽく頭も動かず暇なのでようやくブログを書こうかという気分が戻ってきました。

 遅ればせながら「たいようオルガン」初演レポートです。大阪に出発したのは29日。いつもは前後に用事が入ることが多く、当日のゲネ・プロだけとか、よくても前日の練習から立ち会うことが多かったのですが、今回は10月中旬までの激務のあと脳みそがオーバーヒートして起動できなくなってしまい、東京にいても仕方ないので大阪に早めに入ってリハーサル2日と本番と計3日間立ち会いました。

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「たいようオルガン」当日ゲネプロ風景

 ホテルは、合唱団側のご配慮で練習場からも本番のいずみホールからも近いホテルニューオータニ大阪。おかげでとにかく体が楽で、時間も余裕があったので、初回の練習立ち会い後スコアをじっくりチェックする時間があり、演奏者との意思疎通もきっちりできたのはありがたかったです。場所が大阪とはいえ、やはり大事な初演の場合、いつもこのくらい時間をかけて立ち会ったほうがいいのかもしれません。

 最近頭がどんどん器楽化していて詩を選ぶのが大変なのですが、今回のテキスト「たいようオルガン」は一年前に出会って即、惚れ込んでテキスト化を決定しました。有名な本なのでご存知の方も多いと思いますが、荒井良二さん作の、国際賞も受賞しているインパクトの強い絵本です。正直いうと刺激を受けたのは言葉ではなく絵です。とにかくパワフルで魂を揺さぶるような色彩の絵です。絵本というと「可愛い」とか「メルヘン」とか思い込む人が多いんですが、この絵本で描かれる「生命」とか「自然」への力強い賛歌はそんなチマチマしたものではありません。疲れた大人に生きるパワーとエネルギーを充填してくれる素晴らしい作品です。

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たいようオルガン 荒井良二(偕成社)

 とはいえ文は誰でもわかるようなプリミティブな魅力に溢れているので、その味わいを合唱で生かしつつ、オーケストラでは鮮やかな色彩を描くことに熱中しました。言葉がシンプルで繰り返しが多い分、自由に音楽を羽ばたかせることができて作曲するのが本当に楽しかったですね。合唱・オケ両方の面白さが生きるように書いた分バランスが難しいのですが、今回の本番はオケはよく鳴りながら、合唱の言葉もよく聞こえてバランス配分がばっちりだったと思います。15分ほどの一楽章形式の作品です。

 今回は合唱譜ができたのは珍しく2か月も前。それにしてはオーケストラ・スコアが仕上がったのは半月前で、ハッスルコピーから団事務所にパート譜を届けてもらったのが10日前、練習は直前3日間という結果的にまたぎりぎりスケジュールになってしまいました。そんな中で素晴らしい初演をしてくださった当間修一先生と大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団、シンフォニア・コレギウム大阪の皆さんに心から感謝したいと思います。

 委嘱の大阪コレギウム・ムジクムからは伴奏形態は2管編成までOK、でも2管編成の場合東京公演に持っていくのはきびしいと言われていたのですが、東京公演はどうでもいいから2管編成で書かせてほしいとお願いしました。この不況の折、ひとつの団体だけでオーケストラ伴奏の作品を委嘱初演するのは本当に大変なことだろうと思います。今回の公演でも2管編成オケを使ったのは私の曲だけでしたし。にもかかわらず作曲家のわがままを聞いてくださった当間修一先生と大阪コレギウム・ムジクムの皆さんに再度心から感謝したいと思います。

 たまたま関西で仕事をなさっていたということで、「たいようオルガン」作者の荒井良二さんも会場においでくださいました。美術の方らしくカジュアルでおしゃれな雰囲気の素敵な方でした。新作は楽しんでくださったのですが、演奏後すぐ東京にお帰りになるとのことでそのままお別れしました。もっといろいろお話したりお礼申し上げたりしたかったのですが、人見知りが激しいのでこういう時どう対応したらいいのかわからず、おろおろ。せめてここでお礼を。荒井良二さん、わざわざお出かけ下さってどうもありがとうございました。

 ということで今年の私の2大イベント(管弦楽曲「呼吸する大地」と「たいようオルガン」の作曲&初演)は過密スケジュールにもかかわらず無事仕上げることができ、演奏者の皆さんのおかげで素晴らしい初演をしていただくこともできて、感謝感激です。途中で盲腸炎にでもなっていたら2曲とも〆切に間に合わないところでした。しか〜し、いつでもこんなに全てがうまく運ぶとは限りませんから、これからはもう少し余裕のあるスケジュールを立てることにします。

2010/11/3 | 投稿者: 木下

 どうも。大きい初演2つが無事終了したと思ったら、もう11月。ただし10月末仕上げる予定だったオーケストレーションは丸のまま11月持ち越しになってしまったので、11月10日まで作曲漬けは続きます。もうちょっとのところで体力切れか…。

 10月31日大阪ハインリッヒシュッツ室内合唱団・現代音楽シリーズでの「たいようオルガン」初演は大成功でした。合唱と2管オーケストラというのはバランス調整が大変なんですが、今回はばっちりうまくいきました。最初からオーケストラ伴奏として発想した作品として一番完成度が高い曲になったと思います。でもそのお話は次回するとして…。

 よく演奏会情報をいただくのですが、今サイトの更新ができないので、いただいた情報を全然アップできない状態です。ごく間近の演奏会の情報だけ非常手段としてこちらに載せたいと思います。
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早稲田大学グリークラブOBメンバーズ
10周年記念コンサート

■日時11月6日(土) 17:30 開場 18:00開演 
■場所杉並公会堂大ホール
■曲目:
 廣瀬量平:男声合唱組曲「五つのラメント」(指揮:泉 智之)
 シュトラウスU:ワルツ王の名曲から(指揮:笹原優樹)
 木下牧子:男声合唱組曲「Enfance finie」(指揮:泉 智之)
■チケット:指定席2,500円/自由席1,500円
■お問合せ:武内公認会計士事務所 03-5379-1022
             takeuchi@t3.rim.or.jp

杉並公会堂はJR中央線の荻窪駅から5分くらいのところです。
お近くの方はぜひどうぞ。