2011/2/24 | 投稿者: 木下

 2月末〆切の作品が3つも溜まっている上、原稿〆切2つをすっかり忘れていてピンチです。旅行のことをのん気に書いている場合ではありませんが…。

 2月16日に思い立って石川県白山市に行ってきました。白山市からの委嘱作品を書くための視察です。白山市役所からは予定を知らせるようにと随分前からご連絡いただいていたのですが、1〜2月は体調もやる気も今ひとつで、寒い中更に寒い所に出掛ける元気が出ずのびのびになっていました。しかし作品〆切は2月末なのでもう時間もないし、やはり実際に自分の目で市を見て肌で感じたほうがいい音楽を書けるだろうと急に出掛けることにしました。市役所や委嘱関係の皆さんが私の気まぐれな行動につきあって下さって、車で白山を案内してくださいました。関係者の皆さま、大変お世話になりました。

 白山市の中心・松任(まっとう)は穏やかな気候の豊かな街で、海にも面しています。もとは松任市として独立していたのが、6年ほど前に周辺のいくつかの市が合併して白山市になったとのこと。その結果南北に長くなり、海に面した松任や美川から有数の豪雪地帯・白峰までが同じ市ということになったようです。一時間のドライブでここまで景色が変わる市も少ないのではないでしょうか。

  滞在一日目は旅にこの日を選んで本当に良かったと思える晴天となり、車の中からもくっきりとした美しい白山を仰ぎ見ることができました。小松空港に迎えにきていただいて、まず美川へ。わき水の名所や海を見ました。この写真とは方向が違いますが、福井の東尋坊まで見渡せる澄み渡った空でした。

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冬の日本海とは思えぬ青い海

 次に連れていっていただいたのは獅子吼(ししく)高原。松任から30分もかからずに行ける所ですが、急勾配のゴンドラを上がると突然の銀世界が開け、スキー場と美しい白い山々が眼前にありました。

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スロープを滑り降りようとするスノーボーダーたちの後ろ姿

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手取川が長年かけて形成した扇状平野を一望。かすんで見える日本海

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雲1つない青空にパラグライダーが浮かんでいました。
 
 獅子吼からの素晴らしい景色を満喫できただけでも白山市に出掛けた甲斐があったというものです。よく旅行する私でも、とりわけ印象に残った青い空と美しい白い山々でした。この高原のふもとにはいろいろなレジャー施設や文化施設があり、その中のひとつ「獅子ワールド館」というのを見学しました。世界中の獅子頭、獅子面が飾ってあってなかなか見応えありました。

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 写真だとよくわかりませんが、日本一の大きさを誇る夫婦獅子だそうです。一日目の視察はまだ続きますが、そろそろ作曲に戻らないとまずいので、残りは次回に。

2011/2/15 | 投稿者: 木下

 福岡から帰ってあっという間に一週間経ってしまいました。3〜4月に出る新刊2冊の準備やら、友人が私の歌曲作品のみのプログラムで開いてくれるコンサートの案内状をに大量投函する準備やら、確定申告の準備やら(税理士さんにやっていただくんですが、そのための書類集めだけでも面倒)、日々とても忙しいわりに、よく考えると肝心の作曲をあまりしていません。

 夕方用事で出掛けた時やけに寒いなと思ったのですが、さっきふと外を見たら雪がこんもり積もっていました。どうやら今は雨に変わってきたようですが、一応雪がつもった記念に写真をアップ。

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 公園側の部屋の小窓からのショットです。こんな写真をお見せすると、ものすごく山奥に住んでいるように勘違いされるかもしれませんが、実は駅徒歩5分です。

2011/2/9 | 投稿者: 木下

 6日の「らくうた第三回演奏会〜木下牧子の世界Vol.2 With Orchestra」は無事大成功で終わりました。「らくうた」という合唱音楽を愛する人たちが手弁当で企画し開催してくれたコンサートで、これほどの大規模で質の高い演奏を聴かせてくれるとは本当に驚きでした。合唱とオーケストラという組み合わせは、両方共プロでもなかなかバランスが決まらないものですが、今回合唱の人数は決して多くなかったものの密度が濃く、重厚なオーケストラとのバランスがぴったり決まり、渾然と響きがミックスされて素晴らしい音響となりました。しかも歌詞もよく聞こえてきました。

 「らくうた」の皆さんの実力と情熱によるものですが、月一度2年に渡って彼らを導き根気よく音楽を作り上げてくださった本山秀毅さんの指導力と音楽性には脱帽です。共演した九州大学芸術工学部フィルハーモニー管弦楽部とOBの皆さんの演奏がまた素晴らしかった。プロオケだと練習時間が少ないし、アマオケだと技術が…となりやすいのですが、ここは技術があり練習にも熱心に参加してくれて「らくうた」にとっては最高のパートナーとなりました。ホルン、低弦、木管といった鬼門となりやすいパートに音楽性のある上手いメンバーが揃っていたのもオケが充実した要因かもしれません。

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指揮:本山秀毅 合唱:らくうた
オーケストラ:九州大学芸術工学部フィルハーモニー管弦楽部 & 0B

 プログラムはオープニングがアカペラ曲「祝福」、第1ステージはピアノ伴奏による組曲「方舟」でした。これらは「らくうた」の皆さんがずっと歌い続けてきたナンバーで、安定感のある歌心に溢れた演奏でした。私の曲はハーモニーが重要なのですが響きも豊かで、「木馬」や「夏のおもひに」のフレーズの歌わせ方も絶妙でした。大学生に書いた組曲ですが、改めて聴いてみるととてもクラシック歌唱的な長いフレーズが多く、音楽は大人向けなので、こうした上手い大人の合唱団の演奏を若い方にも聴いてもらいたいなと思いました。

 第2ステージは合唱とニ管オーケストラのための「邪宗門秘曲」。オリジナルはピアノ伴奏ですが、当初からオーケストラ伴奏にいつかしようと思っていたものです。その後、私の作品個展で一管オケ伴奏版を作りその演奏はCDにもなっていますが、一管編成にしたのは単に経済的な理由で、いつかニ管編成に直したいと思っていました。ようやく願いがかないました。それも北原白秋の詩にふさわしい福岡で初演できたのは嬉しいことです。単一楽章形式で12分の長きに渡って延々と盛り上がる曲なので、合唱にとっては体力的に最もきつい作品で、練習ではいろいろ苦労があったようですが、本番では本山さんのリードが素晴らしく、曲の構成がくっきり浮かび上がった完成度の高い音楽となりました。2管版を作った甲斐がありました。

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ゲネプロ終了後、出演者全員で。

 第3ステージは「光はここに」全6曲のオーケストラ伴奏版初演。オリジナルはパイプオルガンで低音域の充実が大切なため、オーケストラ編成は「邪宗門」と同じ2管編成ながら、トロンボーンとチューバも加わっています。日本語によるレクイエムということで立原道造の美しい6編の詩を、暗闇から光へ向かう魂の救済の音楽となるよう配置した作品です。暗い緊張感をもった一章、明るく軽快な二章、おだやかな三章(この章のみアカペラ)、内なる葛藤を描いたドラマチックな4章、暗闇から光へ向かう5章、そして光の降り注ぐ6章という構成です。パイプオルガン版も自分ではとても好きですが、オーケストラ伴奏版だと更に色彩的、立体的になります。

 「邪宗門」ニ管オーケストラ版、「光はここに」オーケストラ伴奏版、ともに今回のらくうた演奏会が初演となります。こんなに充実した形で初演していただけて、作曲者としては本当に幸せです。やはり合唱とオーケストラの組み合わせは最高です。アクロス福岡は新しく美しく大きいホールで、いっぱいにお客さんも入ってくださって最高の演奏会となりました。「らくうた」の皆さんの企画、行動力に心から感謝します。
 
 ちなみに今後は「邪宗門秘曲」「光はここに」共、カワイ出版でパート譜レンタルができますので、演奏したいと思う皆さんはお問い合わせになってみてください。




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