2011/5/17 | 投稿者: 木下

 前回から随分間が空いてしまいました。一週間ほど東京を留守にしていたもので…。今回は空き時間が長くMacも持っていかなかったので時間をもて余してしまい、駅ビルの本屋で平積みされていた中から、今年の本屋大賞受賞作品、このミステリーがすごい大賞作品、の2冊の「大賞」受賞作を購入して読んでみました。どちらの大賞作品も今まで手にとったことがなかったので。

 このミステリーがすごい大賞作品「完全なる首長竜の日」(乾 緑郎・いぬい ろくろう著)は面白く読みました。書評に「インセプションを超える面白さ」とあり、たしかに人間の脳にSCインターフェースを通じて介入するという発想は似ているものの、本質的に種類の異なる小説のように思えました。私には、銃撃戦ばかりやっていた映画よりこちらの小説のほうが楽しめました。現実と仮想現実と過去の記憶が交錯する構成が上手く、また何度も出てくる南の島のけだるい情景描写が巧みで目に浮かんでくるようでした。いわゆるミステリー(謎解き推理小説という意味の)とかSFではなく、文章力で読ませる幻想文学系ですね。独特の迷路感覚を味わうことができました。

 一方本屋大賞作品のほうは…、すみません、最初の2ページでギブアップしました。応募型の新人賞ならともかく、この大賞の方針は「過去一年に刊行された日本の小説の中から、書店員自身が読んで面白かった、お客様にも薦めたい、自分の店で売りたいと思った本を選び投票します。」とあります。過去一年に発表された夥しい数の日本の小説のなかで一番面白かったのが…本当にこれ?