NHKで集落営農についての特集がありました。(東北限定なので、見た方は少ないでしょう) あまり知られていないでしょうし、実際に我々農家でもよく中身が判っていないのですが、来年度から農業政策が大きく変わります。何でも戦後最大の方針転換なのだそうです。いままでの農業政策は規模・やる気に関係なく、農家をひとくくりにして支援してきました。これからは支援はやる気のある農家、規模の大きい農家に限定していくということらしい。これからの国の農業に関する最大の関心事は何といっても生産コスト削減。いわゆる国際的な競争力をつけるというもの。で、集落営農とは、大規模化が難しい地域、つまり中山間地などに多い小規模農家をまとめて一つの事業体とすることで、コスト削減と遊休地を減らそうというものです。
番組では秋田県のある集落が集落営農を導入するにあたり苦悩する姿が映し出されていました。すでに活力も人材もなく、不安を通り越しあきらめムード漂う集落に、結束して新しいことを始めろというのは非常に酷な条件です。早稲谷も似たような状況。身につまされる思いで番組を見ていました。
ところで集落営農は後継者不足やコスト削減の解決方法の一つとは思いますが、疑問点も。どこもどうやって儲かる作物を見つけるかにばかり執着しているようです。番組でも、先進地視察の際どんな作物を作れば効率がよいのかという質問が相次いでいました。しかし販売方法まで考えているところは少ない。農協に販売を委託している限り、結局過去と同じ轍を踏むだけだと思うのですが。
いずれにせよ早稲谷も新制度に対応する必要があります。何しろ一人では百姓はできないですから。しかしこれは難しい問題ですよ、ホント。

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