先日福島県の農業総合センターにて「有機農業の推進に係る意見交換会」なる会議が行われ参加してきました。
2006年末に成立した
有機農業推進法により、各県単位でどうやって有機農業を推進していくか計画を立てなければなりません。今回の意見交換会では、有機農業をすでに実践している農家から、どんな意見・要望・課題があるかを吸い上げ計画立案の参考にしようというのが目的のようです。
集まったのは30名くらいでしょうか。会議始まり時こそ、様子を伺うようにあまり意見が出ませんでしたが、後半になるほど盛り上がっていって最後は時間を30分以上オーバー。
参加者の意見を要約すると大体下記の通り
@安全な食べ物がほしいというニーズはあるが、価格面で高いために売れない。⇒消費者の意識改善が必要。
A後継者がいない。仲間が増えない。(これも販路がないのが主因)
B専門の技術開発が必要。⇒収量の安定化
つまり有機農業の拡大には、技術開発による収量の増加⇒価格の安定化⇒消費者の理解・増加⇒生産者の増加(新規・既存農法からの転換)、これらが密接に係わり合いどれが欠けてもダメということです。
ボク個人としては作る売るという観点よりも、環境保全という観点から有機農業を推進すべき。そのためには有機圃場の面積による所得補償を考案すべきと主張しました。
多くの方が有機JAS認証を取得しているのか、あまりこの煩雑な法律に関して不平は出ませんでしたね。ボクはこの法律(有機JAS法)が有機農業推進の足かせの一つ(特に生産者側にとって)になっていると思っていますが。もっともこれは県担当者に訴えても仕方ないことですけど。
いずれにせよ、パブリックコメントという制度があるように計画の概要を作ってしまった上で最後に一般の人の意見を募るという手法が多いなか、まだ雛型もない状態で現場の意見を吸い上げ計画立案に反映させようという県の姿勢はとても評価できると有機農業に詳しい教授が言っていました。(逆に言えば、それだけ有機農業の推進は規定路線をはずれた困難な案件ということかもしれませんが)

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