「コネヴィツァ教会の鐘」
Vilhelmiina Halonen(1840-1914)のレパートリーとして伝えられる、トラッドの有名な曲を弾いてみましょう。ポール・サルミネンやマルティ・ポケラ、リトヴァ・コイスティネンなどのアレンジで、大きいカンテレでも演奏・録音されている印象的な曲です。
チューニングはマイナー、2拍子です。
この曲は、鐘の音を模した、類似したフレーズの繰り返しで構成されています。
ADFdf|ADFdf|afdfafdf|ADFdf|
AEGeg|AEGeg|agegageg|AEGeg|
(大文字は8分音符、小文字は16分音符)
弦の番号で書くと、
51313|51313|53135313|51313|
52424|52424|54245424|52424|
となります。
これを数回(2回でも4回でも8回でも100回でも、お好きな長さで)繰り返します。
指使いはこの曲特有のもので、右の1・2の指と左の2指だけを用いて弾きます。1段目は、5弦(A)を右1指、1弦(D)を右2指、3弦(F)を左2指で、
2段目も同様の指使いで、5弦(A)を右1指、2弦(E)を右2指、4弦を左2指ではじきます。
左2指は、右の1・2指の間を弾く感じです。16分音符の部分は指をすばやく動かさなければきれいに弾けませんので、がんばって。
繰り返したいだけ繰り返して、一番最後に曲を終わらせるときは
afD (弦番号で531) の1小節を加えて終わらせるとよいでしょう。
曲全体のイメージとして私が教えてもらったのは。。。
遠い島に教会があって、鐘が鳴っている。小船に乗って島に近づいていくと、はじめはかすかだった鐘の音が次第に大きく鳴り響いていく。鐘が最高潮に達したのち、船はまた次第に島から遠ざかって行き、鐘の音も遠く小さくなっていく。
というもの。
つまり、ピアニシモからゆっくりゆっくりとクレッシェンド(だんだん強く)してフォルテ(あるいはフォルテシモ)に達し、またゆっくりゆっくりデクレッシェンド(だんだん弱く)して、再びピアニシモで終わります。

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