15弦カンテレの名手、Vilma Timonen 率いるVilma Timonen Quartetの待望のアルバム”VTQ”が、リリースされました。メンバーとの共作を含むVilmaの曲がメインで、そこにトラッドを少し絡めた、全10曲。ジャズ、ロック、ファンク、フォークの要素をたっぷりはらんだ魅力的な音楽。
1曲目、ストロークを生かした、ビートとベースの効いたポルスカ Polska in Redは、いかにもVilmaらしいグルーヴィーな演奏。息の合ったバンドメンバーとのコンビネーションも鮮やか。
2曲目、Quoting A はヴォーカルワークが魅力的で、ジャジーなテイストから次第にヨイクを思わせる音に。
5曲目Emilia、6曲目Hopellysta、9曲目Lumiなど、15弦カンテレらしい美しいアルペジオを生かした曲も、バンドのサウンドが多様な色合いと雰囲気を重ねて、パット・メセニーのバンドを思わせるような広がりと発展を見せる。
15弦トラッドにベースやトランペットを重ねた8曲目Plassimizeh Soitandaも美しく印象的。
小気味よいパーカッション、自在に動く美しいベース、切れのいいギターと、Vilmaの15弦カンテレで作り上げるバンドの音は、カンテレの音を生かしながらも、カンテレという枠にとらわれず刺激的で、ジャズやロックのファンにも魅力的で聴き応えのあるアルバムになっている。
Vilma Timonen, 15弦カンテレ、ピッコロカンテレ、ヴォーカル
Ape Anttila, ベース、グロッケンシュピール、ヴォーカル
Mikko Hassinen, ドラム、パーカッション
Topi Korhonen, ギター、トランペット、ヴォーカル
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Vilmaには昨年11月に開催した「カンテレキャンプin北海道」にも講師として参加してもらっています。
生命感あふれるチャーミングな人ですが、レッスンが始まると、スイッチが入ったようによりいっそう表情が輝いて、この人は天性の先生なんだなあ、と感じたものです。
まだまだ本当の魅力が知られていない15弦カンテレを、このような録音で聴くことができるのはとても嬉しい。
試聴
http://profile.myspace.com/vtq


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