2008/4/10
11歳 葬儀司会
「パパ、あーちゃんね11歳になったのよ!」
と助手席に座るいもうとちゃん。
「あーちゃん、11年間元気に育ってくれてありがとう。」
「うん!いいよ!!」
「…。」
「あーちゃん、誕生日は何を思う日か知ってる?」
「あーちゃんにおめでとうってみんなが祝ってくれる日!」
「…。」
「でもパパはお金がないからいいよ。」
「…。」
二人きりだったせいか頭をなでてやるとうれしそうに笑う。
「あーちゃん、誕生日はお母さんに感謝する日なのよ。」
「何で?」
「あーちゃんを産むのにお腹が痛いのに我慢して一生懸命育ててくれてるでしょ。だから誕生日の日は、お母さん、ありがとうって言うのよ。」
「ふーーーーん…。」
「となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ!となりのきゃくはかきゃきゅう〜。あはははは。」
と、一人で言って笑っている。何がおかしいのか…。
「なまむぎなまごめなまたまご…。なまむぎなまごみなまちゃまぎょ。あははははは〜。」
「…。」
「あーちゃん、5年生なんだから勉強もちゃんとしないとだめよ!」
「ちゃんとするし。」
おねえちゃんのマネをして、…し、…やし。という話し方。
「…。」
家まで送って行き、バイバイをした。
少しずつ少しずつパパ離れをしていく二人。健康に育っている証拠。
いもうとちゃんが元気に育ってくれていることに感謝しながら…。
