2007/10/30

イカとクジラ  映画

 2005年米作品。

 なかなか興味深い映画でした。アメリカ人もこんな繊細な映画が作れるんだと思いましたが、考えてみると「アメリカン・ビューティー」や、ジム・ジャームッシュもアメリカ映画(当然ですが)。ジョン・カサベディスなんかと通じるものがあるのでしょうか(いわゆるニューヨーク派なのでしょうか?)。

 この映画の面白さは、ひとことで言うなら、結論を出さない点。そして観客に投げかけている点。映画が終わってもなにも解決しない。状況が最初と最後で少し変わっただけ。でも人生ってそんなに変わるもんじゃないとこの映画は言っているのか‥。

 いろんな見方ができる。父親の立場、母親の立場、兄の立場、弟の立場からと。
 映画としては、お兄ちゃんの心理的な成長で終わっている(ラストがお兄ちゃんで終わっている)。
 だらだらと書きましたが、この映画の良さは、ダラダラ感では?と思うのです。もうすこしメリハリをつけて劇的に終わらすことも可能だったと思います(例えばイギリス映画「ひかりのまち」みたいに)が、「あえて」それをせず、ジムジャームッシュのようにスタイリッシュに決めることもできそうなのですがそれも「あえて」しない。劇的になること意識的に排除して、話の展開を白黒わざとつけてない感じがします。
 それで、見た側に、考えさせ、内容を吟味させ、それぞれの想い(感想)として再構築させてしまうのです。

 見ながら、そのなかに自分自身を投影してみてしまうのです。少年〜青年期の性や女性に対する思い。結婚してからのカミさんとの関係。下の子の切れ方(怒り方)なんてウチの子そっくりですし。いつの間にか歯車が狂ってきているのを感じつつ、どこに問題点があるのか分からない。分かっていても直せない‥。など、腑に落ちることばかりでした。ちょっと不思議な感慨を起こさせます。

 映画が終わってもなにも解決しない。状況が最初と最後で少し変わっただけ。でも人生そんなに変わるもんじゃない(ここの冒頭に書きましたが)。でも人生の見方を変えると、生き方が少し楽になる。そんなことを感じさせるラストでした。
☆☆☆.5点
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タグ: 映画 米国映画



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