2007/3/6

ゆれる  映画

 西川美和監督、オダギリジョー、香川照之 主演。

 この監督は、すごい!2作目の新人監督とは思えない。ベテラン以上に映画を知っているというか、演出技術が的確。女性監督ならではの感性も感じます(トップシーンなど。)

 話は、故郷を離れて東京でスチールキャメラマンをしている次男(オダギリジョー)が、母親の一周忌で故郷に帰ってくるところから始まります。家業(ガソリンスタンド)を継がざるを得なくて故郷に残った兄(香川照之)との関係が、殺人事件をきっかけに裁判を通してあらわになっていくのです。法廷でのやりとりは、黒澤明の「羅生門」を彷彿とさせます。法廷でのそれぞれ証言は、それぞれの思い込みやウソで本当に起こったこと(殺人か、事故か)は、曖昧なかたちで観客になげかけられます。兄弟同士で自分でも気づかなかったエゴや偽善がさらけだされ、ラスト兄弟の関係が切れてしまったようにみえたのですが‥。
 見ていない人のために書きませんが、ラストがいいです。

 設定が、どこかで聞いたような‥。自分自身と重ね合う部分もあり(ウチは長男の兄が東京で好きな仕事をして、私が家業を継ぎました)、感情移入しやすかったのかもしれませんが、よく出来ています。
 登場人物が皆自然で自分の周りにも居そうなリアルさがありながら、ドキュメンタリー的な突き放した感覚ではなく(この映画のプロデューサーの是枝監督作品のような醒めた感覚と違い)、しっかり熱い人間ドラマになっている。映像にリズムがあるし、画面の切り取り方もうまい。

 主演のオダギリジョーはいつもながらいいですし、香川照之が小市民的な弱さとずるさが出ていて出色です。検事役のキム兄(木村拓一)もなかなかうまくて驚きました。

嫉妬心が湧く位、素晴しい出来!
☆☆☆☆.5点
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