2009/1/14

僕の彼女はサイボーグ  映画

 監督は、「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」のクァク・ジェヨン。

 この監督もワンパターンという意味では、自分の世界を確立している点で作家性があるのかも知れません。半分冗談ですが。

 評判がいい映画で、とても見たかったのですが、イマイチでした。
 もてない男のオタク映画のような内容で、「出会い」をスッとばし、恋愛関係になりたい願望のオタク映画。本来「恋愛もの」って、出会いから恋愛に落ちてゆく過程が面白いと思うのですが、それがない。
 全然もてなかった未来の死にそうな80歳の自分が、唐突に現在の自分へ慰めのようにかわいいサイボーグ(綾瀬はるか)を送り込むのです。

 綾瀬はるかはエバンゲリオン風の容姿でこれがよく似合っている。サイボーグの演技はなかなかいいです。そのサイボーグとの擬似恋愛が中心になるわけですが、それが中途半端に終わります。それでまたこの監督特有の(ワンパターンの)エピローグがあるのです。それでこのエピローグで泣かせるという寸法。

(まだ見ていない方で、これから見る人はここからは「ネタばれ」なので読まないように)

 ラストはサイボーグは死に、なぜかサイボーグそっくりの130年後の彼女(綾瀬はるか)が、サイボーグの記憶と感情を受け継いで、もてない「僕」がいる現在に来て、そのまま居残りハッピーエンドになるのです。画的には、同じ綾瀬はるかなので、なんとなく見せますが、普通考えたら「あれっ??」と思いませんか?これはこの監督の得意技(?)。「猟奇的な彼女」でもそうですし(この映画ではそれなりの葛藤があった)、「僕の彼女を紹介します」でもやっていたと思います。ルーツはこの監督が影響を受けたという岩井俊二の「ラブレター」だと思います(「ラブレター」でも、最初に出てくる中山美緒とラストの中山美穂の役は違う人物なのに、なんとなく亡くなった元彼と思いが通じたように終わる。最初の方の中山美穂の思いは??)。
 よい方に考えれば、意識の普遍性とか、魂の輪廻とか、個人を超えた魂のつながりを描きたいのかもしれませんが(この監督の「ラブストーリー」は、恋愛を成就できなかった親の思いをその子どもの代に結ばれる話だし‥)、対象がいつの間にか替わっているのは、ちょっとおかしいと思うのですが。

 綾瀬はるかのサイボーグぶりが一番の見所。彼女の表情を楽しむ映画なのかもしれません。文句を言いつつラストの涙目の彼女のアップはグッときます。
 相手役の小出恵介のダメ男ぶりも良かったです。

 驚くのは100%日本映画でありながら、監督が違うとこんなにパワフルな映像が日本でも作れるのかということです。CGもふくめ、街中でのカースタントなど日本映画にないテイスト。 ストーリーをつっつくと大甘でやってられないと思えるのですが、それなりに見せる力量は大したものです。

 私も毎回文句を言いながら、意外とこの監督の新作を楽しみにしていたり‥。
 ☆☆☆。


0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ