2009/2/21

ベンジャミン・バトン 数奇な人生  映画

 「セブン」「ファイト・クラブ」「ゾディアック」のデヴィッド・フィンチャー監督作品。

 ちょっといい映画でした。今年のアカデミー賞の最多13部門ノミネートされてます。
 あまり奇をてらうようなキャメラワークもなく、丁寧にまともに、「まともじゃない人生」をリアルに映像化しています。

 内容は、老いること、死ぬこと、生きること、時間が流れていくこと、それが人生であること。そんな普遍的なことが、時間が逆に流れる(老いから段々若くなり、最後は赤ちゃんになってしまう)主人公を通して描かれます。

 ストーリー展開の面白さで見せる映画とちょっと違います。ストーリーはあくまでも、年代を重ねることに主眼があり、その時々のエピソードが可笑しかったり、ロマンチックだったり。そのなかに、肉親の愛とか、育ての母の愛とか、恋愛とかがちりばめられて、それを重ねることにより、主人公に感情移入してゆく寸法。「フォレストガンプ」に似ていますが、あの映画は、ガンプを通してのアメリカ現代史でした。「ベンジャミン・バトン」は、年代史というより、若さと老いと時間、それに死んでゆくこと、という個人的な、だれでも起こることをテーマにしています。小さくなった5歳くらいのベンジャミンが、朝食を食べたにもかかわらず、まだ食べていないと怒る姿に、思わず泣いてしましました。年とってまた子どもに帰っていくんだな、とまさに子どもになったベンジャミンを見ながら思いました。そのように観客側が、自分の経験と照らし合わせて見てしまうのです。 

 ゆったりしたテンポでストーリーは流れていきます。最初は少しかったるい展開が、段々後半、このゆったり流れるテンポが見ている側がもっとゆっくり見ていたいという気持ちとよく合っていたように思います。

 CGがあまりリアルに老いと若さを表現してびっくりします。自然な老い方、若返り方で、ブラピの若いシーンは、「リバーランズ・スルー・イット」のころのブラピのように美しいのです。そしてそれとその時代に一緒に出る相手役のケイト・ブランシェットは、中年そのもの。若いころはしわもなくスレンダーな体形だったのが、しわがあり、腹回りやお尻の肉がたるんでいるのです!CGがこれほどリアルに自然に若がえらせたり、年を取らせたりできるのかと思いました。
 ケイト・ブランシェットの踊りも、もしかすると顔を後で合成したのかもしれません。でもまったく自然です。

 そしてこの映画の魅力の半分は、ケイト・ブランシェットだと思います。ブラピ同様、若いころから、老人になるまで、リアルに感情豊かに魅力的に演じています。

 監督賞ぐらい取るかもしれません。☆☆☆☆。


0

2009/2/16

北陸のお酒  お酒

   クリックすると元のサイズで表示します

 当店は、新潟県の地酒が中心で、県外のお酒は、ほとんどありません。が、WOWOWの「銘酒誕生物語」を見て、県外のお酒にも興味がありました(この番組では山形の「十四代」も紹介されていました)。

 そこで紹介していた石川県の山中温泉にある蔵元、松浦酒造の「獅子の里」を蔵元のネット通販で購入してみました。

 番組でも紹介された「獅子の里 純米吟醸 旬」(720ml二千円)と、「獅子の里 超辛純米」(720ml千三百円)を購入。土曜に頼んで、今日届きました。

 早速、試飲。日中ですので、ほんのなめる程度ですが。

 全然、新潟の酒と印象が違いました。一言で言うと、新潟の酒より酸が強い。

 「獅子の里 純米吟醸 旬」は、純米吟醸ながら、香りがあまりなく、酸があり、でもそれほど重たくない透明感のある味わいでした。食中酒と書かれているので、食材に負けない、そのうえすっきりした味わいなのでしょう。

 「獅子の里 超辛純米」は、確かに辛い。酸が「旬」より強い。辛口でありながら、純米らしい豊かな味わい。切れもいい。

 まあ、なめる程度でしたので、今日の夜、じっくり飲んでみたいと思います。県外の酒も面白いと思いました。

(注:試飲のために個人的に購入しましたので、上記の銘柄は当店では扱っておりません。)
0

2009/2/13

歩いても歩いても  映画

昨年の是枝裕和監督作品。キネマ旬報5位。阿部寛、YOU、樹木希林が出ています。

 樹木希林が、良くも悪くも影響が大きいです。巧すぎて、扱いが難しい役者だと思います(演出がしっかりコントロールしないと大変なことになります)。「東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜」でも、樹木希林のワンマン映画になってしまいましたし。

 今回は、YOUとの前半の掛け合いは絶妙。この二人を核に他の役者のアンサンブルを固めれば、もうそれでかなりの水準の映画になると、監督は読んでいたのではと思えるくらい。ただ、やはり後半、樹木希林がオーバーになり、バランスを崩してしまっているように思えます。
 
 残念と思ったシーンは、溺れた子どもを助けたために長男は死んでしまったのですが、その助けた相手への恨みをポロっと言うシーン。とても恐いシーンなのですが、見るからに恐いシーンで撮ってしまい、すこししらけます。普通に会話をするように、ライトも影を作らずに普通のライティングで撮っていれば、いたって普通なシーンに見えながら、よくよく考えると「恐〜い」という、リアルな恐さが出たのにと思えます。

 もうひとつ、タイトルの「歩いても歩いても」はいしだあゆみの「ブルーライト横浜」からきているのですが、母親の樹木希林のお気に入りらしく、息子の阿部寛にレコードをかけさせる。家族がいるなかで(団欒のなかで)ひとり樹木だけ、歌に聞き入ってしまいます。それも自分の半生を思い出しているようにな表情で。これもちょっと異常な気がしました。多分このシーンは映画の核になるハズのシーンだと思います。撮り方と樹木希林の演技の付けかたを間違えているように思うのです。あくまでも、押さえたなかに(聴いているのか聴いていないのかわからない感じで)、ドキっとくる表情さえ見せれば良かっのにと思います。「誰も知らない」であのリアルさの先の尽き抜けた安らぎのような世界を作った監督にしては安易に思えました。
 結局、樹木希林の演技に頼ってしまいました。(多分現場で彼女の演技を見ているとハマるのでしょう。レンズを通すとウソが見える。映画の恐さ)

 映画は、結構面白いです。期待が大きすぎたので辛口なってしまいましたが。見ながら「ある、ある」を連発するはずです。姑と嫁の関係なんて、我が家を見ているようでした。でもこれくらいのエピソードドラマは、アニメ「あたしんち」でも同じレベルだったようにも思えてしまいます。(「あたしんち」は息子が大好きでよく見ます。よくできたアニメです)

 もっと突き抜けるものが欲しかったです。☆☆☆.5




0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ