2009/9/14

BALLAD 名もなき恋のうた  映画

 昨日、家族で劇場で観ました。

 2002年の映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」の実写版。このオリジナルアニメ自体は、劇場版「クレしん」のなかでは、最高傑作だと思います。息子も大好きな映画です(一時期、「しんちゃん」の劇場用アニメを家族で見るのが恒例でした)。それを実写化するのは、ちょっと無謀な挑戦だと思いました。ただ「三丁目の夕日」の山崎貴監督ということで、すこしは期待していましたが。

 ☆☆.5点。

 この映画だけ見れば、まあまあの出来です。草なぎ君は、なかなかカッコいいし、やはり日頃身体を鍛えているだけあって殺陣もしっかり決っています。。新垣結衣は、うまくはまっているし、健気で可愛いですし、彼女を見るだけでも見た甲斐があると思います。出てくる役者もうまくはまっています。家来の母親役の斎藤由貴は、最初は気づかないぐらいハマっていました。

 でも、オリジナルのアニメと比較して見てしまうとやはり劣ります。

 実写版で変更した部分が弱くなっています。アニメは、しんちゃんの「お下劣なギャグ」が、リアルな戦場話と、凛とした姫と青空侍との淡い恋愛話に、うまい具合にコントラストをつけて、メリハリのあるストーリーになっていました(これは奇跡的なアンサンブル)。実写版は、しんちゃん役は普通の男の子になった分、ギャグ話はまったく無くなり、その分、話に弾みがつかず、ところどころのメリハリがなくなりました。それに話全体が、彼自身(しんちゃん役)の成長談に変わってしまっています。
 原作が良く出来たシンプルなストーリーだった分、弄(いじ)りだすとバランスが崩れてしまったように思えます。
(風間くん、マサオくんたちが出ない分、しんちゃんの年に近い若い家来が新たに追加されるのですが、その分、しんちゃんと又兵衛(草なぎ)との関係が薄れました。同様にギャグがない分、廉姫(新垣結衣)としんちゃんのエピソードも割愛されています。廉姫を慕う又兵衛をからかうしんちゃんの部分も少なくなっていますし。)

 そのせいか、ラストの又兵衛(草なぎ剛)が撃たれるシーンは、むしろ撃たれずにハッピーエンドでもいいぐらいに思えました。オリジナルは、撃たれることでひとつ話が完結するのですが、とくにこの実写版は、その必然は感じられないように思えました。その直前の姫様(新垣結衣)が走って駆け寄ってくる躍動感に、観客は、ハッピーエンドを予想してしまいますし。今回は「逃げない」しんちゃんの成長談として、それを中心にしてハッピーエンドでもよかったように思えます。

 だから、ラストの切なさは、オリジナルのアニメのほうがあります。ここがこの映画のキモなのに。残念。

 まあ、アニメを見ていない方は、それなりに楽しめる作品でしょう。それだけアニメは傑作だったということですね。
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