2012/6/10

「この空の花」見てきました  映画

 巷で賛否両論の、今話題の映画「この空の花 長岡花火物語」を見てきました。あの大林宣彦脚本監督作品です。

 あらすじは:
 2004年の新潟県中越地震から復興をとげ、11年の東日本大震災発生時には被災者をいち早く受け入れた新潟・長岡市を舞台に、ひとりの女性新聞記者がさまざまな人と出会い、不思議な体験を重ねていく姿を大林宣彦監督が描く。11年夏、熊本・天草の地方紙記者の玲子が新潟・長岡を訪れる。目的は、中越地震を乗り越え復興し、東日本大震災の被災者をいち早く受け入れた同地を取材すること。そして、長年音信不通だった元恋人からの「長岡の花火を見てほしい」という便りに心ひかれたためだった(「映画.com」より)

 いや〜泣きました。なんで涙が出るんだろう?思うのですが、いろんなものに圧倒されて泣けるのですね。この映画は是非劇場で見るべき映画です。多分、DVDで家の大型画面のテレビで見ても感動は半減するでしょう。
 私は、後半の劇中の舞台劇のシーンの「大団円」の字幕が出てから(やたら字幕がでてくるのです)、台詞を舞台の役者たちが大声で叫ぶシーンで、泣き始めました。その後は、泣くのを止めようと思っても止まらない。パッキンが壊れた蛇口のようにちょろちょろと最後まで涙が止まりませんでした。

 この映画をみると長岡の近代史がおさらいできます。その情報量たるや圧倒的な量です。それで、説明的でなくエッセイ的というべきか。映画の冒頭に「映画essay」とタイトルがでてきます。大林宣彦監督の「長岡花火」をテーマにした映像で綴るエッセイというべき作品です。普通の劇映画とは違います。

 そこには映画作家としてブレない大林宣彦がいると感じました。
 ハチャメチャに思える映像のコラージュは、様々な映像と台詞の伏線によって、違和感なく受け入れられしました。やたらテンションの高い登場人物、舞台の書き割りがCGで動いていたり、アニメ風の焼夷弾、一輪車の女学生、カメラに向かって話す登場人物など、一見変なんですが、この映画のお約束と認知できれば、あとは「想像力」の名のもと、大林マジックにかかってしまうのです。
 ストーリーも様々な要素をてんこ盛りにして、尚かついくらでも詰め込めるような構成です。最近の話まで入れ込んで映画にしてしまう。でも、テーマはぶれない。
 長岡市の森市長は、さぞかし喜んだでしょう。名シーンが去年の水害によってできてしまっていますから。これだけ現実の出来事を取り入れて尚かつ映画の血と肉にしてしまう、大林宣彦はすごい作家だと改めて思いました。

 なぜ泣けたか、私には分かりません。話の内容は戦争の痛ましい話がかなり出て来てそれだけで泣けます。でもお涙頂戴のストーリーで泣けたのでなく、圧倒的な映像というか台詞というかそれらの「思い」の量に圧倒されて泣けたように思います。

 確かに既存の映画の枠を超えていますし、このような映画がまた出来るとは思えないし、この映画のためだけの手法と思えます。映画が、スリリングに時代を飲み込んで吐き出したような映画。この映画のかたちに感動します。 
 ☆☆☆☆。(☆5個で満点)

 追記:市長役の村田雄浩が盆踊りをしている後ろに本物の森市長も映っていました。村田雄浩もこの撮影監督、加藤雄大も三条で撮影した一昨年の「この手のひらの幸せ」の役者、監督ですが、ご当地映画であの出来と今回の大林映画との差が大きすぎて、私は嫉妬します。

 長岡の人はこの映画を誇りにすべきです。
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