2014/9/2
「鑑定士と顔のない依頼人」 映画

先日、レンタルで観賞。☆☆☆★。かな〜?(☆5個で満点。★は☆の半分)
まあ、私はあまり好きでない監督のジュゼッペ・トルナトーレ(「ニュー・シネマ・パラダイス」の監督。感情過多ぎみがちょっと引いてしまう)だから、点数も辛くなるのかもしれませんが。映画のつくりとしては、第一級の映画なんでしょうけど、なんか腑に落ちない。
ミステリー風(あくまでも〜風です。大体途中から読める)なので、これから見る人は読まないほうがいいと思いますが。
主人公(ジェフリー・ラッシュ)を弄(もてあそ)んで、結局「映画」自体も弄んでいるように思えます。とてもいい、面白そうな導入と設定。もしかすると傑作になるかもしれない設定は、簡単にやめてしまう。タイトルにある「顔のない依頼人」がすぐ顔を出してしまう。
で、そのあとは女性経験がないであろう老鑑定士の主人公の恋愛ばなしがメインに。
で、大どんでん返し。
なんかあまり面白くない。
ジェフリー・ラッシュの演技は楽しめたし、ドナルド・サザーランドがなんか下品な感じが面白いし、ヒロインのペチャパイは好きだし(関係ありませんでした…)、映像的には大したものなんですが…。
物語に深みがないのは謎解きがストーリーの中心だからトリック仕立てなので仕方がないのかな?とふと思ったけど、違うよね。やはり、作者がものごとを弄んでるから深みもないし、救えない話になっている。
「贋作には必ずそれを描いた贋作者のオリジナルの印がある」とか、「最高の恋愛の贋作があったら」云々など、贋作についての見解がけっこうこの映画の芯になるかと思えば、そうでもない。
結局何を描きたかったのか。そのあたりが監督自身あまり明確ではなかったのかな?いろんなところを食い散らかして、オトシマエをつけずに映画は終わってしまった。
記憶力がすごい小人の女性が出てくるけど、この女性は、舞台となった屋敷の本当の主(名前もクレア!騙した女はこの彼女の名を語っていたのです)で、なにか物語がありそうなのに、その辺も簡単に謎としてしか存在しない。いろんな意味合いがある女性だと思うのですが。機械仕掛けの人形の下に入れるくらいの小人のようですし、代々小人が生まれる家系とか、悲しい過去がありそうなのに。
ラストもなんか雰囲気で終わっている。イヤな映画。
やはりこの監督は合わない。
