2009/8/18

アマルフィ 女神の報酬  映画

 先日の日曜に久々の劇場で鑑賞。監督・西谷弘、主演・織田裕二。
 
 ☆☆☆☆。

 あまり期待していなかったのですが、意外と上質な娯楽作品で驚きました。さすがフジ開局50周年作品!今まで劇映画を製作したノウハウがしっかり蓄積されている、という感じがしました。

 日本映画が、海外ロケでこのレベルまで撮れるとは、進歩したものだとつくづく実感します。がんばっている分の贔屓目ですこし点が甘くなります。

 やはり、オリジナルシナリオで真保裕一が書いたのがよかったのでしょう。彼の原作で映画化された「ホワイトアウト」が中途半端な出来だったのに比べ、今回は最初から映画のために書かれたものなので、しっかり映画の尺のなかで無理なくストーリーが展開されています。多分、日本映画が苦手な銃撃戦、カーチェイスをわざと入れず、サスペンスを話で落とすストーリーになっているのも真保の計算(もしくは、プロデュサーの計算)でしょう。

 主役の織田裕二が思ったよりいいです。とくに贔屓の役者じゃないのですが、今回は押さえ気味の演技で頼りがいのある「外交官」をそれらしく演じていました。天海祐希は、右往左往するだけの「母親」役ですが、気丈で派手なのですが、嫌味がなく共感できますし。佐藤浩市もちょっと切ない感じと危険な感じがあっていいです。それに織田にいつもくっついている役の戸田恵梨香がいい味を出していました。

 織田裕二がなにかで、「映画の現場より、ドラマ(TV)の現場のほうが贅沢で丁寧で、上をいっている」ようなことを言っていました、それは今回、ひとつうなずけます。今回の見せ方は、まったくフジ系TVドラマで培った「感性」そのものに思えます。最初に出てくる大使館内の会議のシーンは、「踊る大捜査線」の捜査会議そのものの撮り方。今風にリアル。こんな感覚で撮れる日本映画の監督は思い浮かびません(ロケセットもイタリアロケで豪華)。結局、ロケセット、スタジオセットの見せ方の整理がしっかりついてるのでしょう。今回は無駄がなく、それらしくしっかり効果的見せています。その辺のシステムがノウハウとしてTVドラマ制作から培われているように思えます(映画畑だとどうしても職人的なセットでそれらしく見せようとする。窓の外は書き割りだったり、それを照明で職人がそれらしく見せるとか‥)。
 それぞれ脇役の動きも同様。抑制が効いてちょっと皮肉が入っている。大使の小野寺昭、参事官役の佐野史郎、大使館員の大塚寧々、伊藤淳史など、やはり「踊る大捜査線」で培った脇役の演出方法。まあ撃たないアクションものという点でも「踊る大捜査線」そのもの。

 それにオールイタリアロケ、イタリアのチネチッタスタジオで撮った効果は充分に現われています。猥雑なローマ、その後の美しい風景のアマルフィ。ホテル内のロビーの雰囲気もいいです。

 それにもうひとつ。登場する拳銃がいいのです。イタリアでの撮影なので、もろに実銃プロップ。ワルサーPPK、ベレッタ92F、ベレッタM84、その他の銃が、日本映画とは思えない美しい光沢を放っています。やはりアクションものは、リアルな銃を使わないと。それをほとんど撃たない!!リアルな銃を使いながら、派手に撃ちたいところですが、しないのです。贅沢ないい選択でした。それでしっかり話で落とすのです。
 最後の説得するシーンはちょっと甘い気はしますが、ちょっと感動します。その後に犯人を押さえ込むためになだれ込むシーンもなかなかいいのですが、その後、プッツンとなぜか切れる。映写ミスかと思いました。意味不明‥。この点はおかしいと思いました。

 それにサラ・ブライトマンの歌が、単純に感動させてくれます。エンドタイトルでも出てくるが、程よくしめてくれます。

 まあいろいろ書きましたが、とても魅力的によくできています。多分DVDが発売されたら買うでしょう。この監督は、なかなか優秀ですね。私は初めてでしたが、「県庁の星」「容疑者Xの献身」も見てみようと思います。

 外交官・黒田でシリーズ化も期待できそうですし。まあ、今度は、派手な銃撃戦や、カーチェイスを入れたのを見てみたいですね。


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