2013/5/5

「藁の盾」  映画

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 三池崇史のまともそうなアクションものだったので期待して。
 ☆☆☆.5。(☆☆☆☆☆が満点)

 思ったよりまともな映画でした。三池崇史作品にしては。

 やはりさすがです。映画製品を作ることに関してはプロです。見せ場満載で楽しませていただきました。
 (大掛かりなシーンがかなりあり、撮影は大変だったと思います)
 シーンシーンの充実度、役者の成りきり方、いやはやさすがさすが。心配していた松嶋菜々子もちゃんとSPに見えました。けっこう良かったのが瑛太の弟の永山絢斗。

 ただ、後半になるにつれ話が小さくなり、もっと派手にやってほしい気はしました。

 この手の映画は、アクションを見せるための設定(護送する容疑者を市民から警官から誰でも狙ってくる)のようなものなので、もっとアクションシーンをこだわって数を多く入れるべきだったと思います(ハリウッドなみに)。あとは筋をいかに破綻なく繋げていくか。こちらはなんとか持ちこたえていたと思います。

 けっこう考えさせる設定もあり、私はラストでちょっと涙が出ました。ネタバレになるので書きませんが。

 大沢たかおもカッコいいし、面白かったですが、三池らしい毒がもっとあっても良かったと思います。

 カンヌはダメだと思います。
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2013/2/17

「臨場」劇場版  映画

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 息子が借りてきて、見ました。
 巷で高評価だったのを記憶していて見る気になったのですが…。

☆☆.5。(☆五個で満点)

 ストーリーはなかなか凝っていて、役者もそれなりに揃っていて、ただ演出が紋切型というか、テレビ的というか。この手のものは米国のTVドラマの「CSI」を見ているとやはり派手さ、ストーリー、画面作り、全てに負けていると思ってしまいました。

 ストーリーは二重、三重に重なりあってけっこういいのですが、クライマックスは台詞でのやり取りが延々と続く。この手の映画は、映像で語らないとかったるくて仕方ない。筋はまあまあいいのに、台詞で本音の言い合いをして、それが結局謎解きの意味合いだとなんかね〜と思ってしまいました。

 肝心の最初の通り魔殺人の犯人には、まったくの理解というか考えがないのも腑に落ちない点。刑法39条で責任能力がないことで無罪となったということですが、なんであんな通り魔殺人をしたのかがまったく欠落している。最初の出発点が力がないので、締まりのない映画になったのでは?と思うぐらい。

 長塚京三や若村麻由美がなかなかよかったので残念でした。

 この監督、「探偵はBARにいる」の監督。私とあまり相性が良くないようです。
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2013/1/26

2012年映画ベストテン  映画

 昨年は、例年より映画は見てないけれど、昨年見たなかから私自身の映画のベストテンを遅ればせながら決めてみました。(一昨年のものも含まれますが、私自身が見た時点が昨年だったものは含みました。)

1.「海炭市叙景」(熊切和嘉監督)
  「鬼畜大宴会」という怪作の監督とは思えない、というか「らしい」というか。現実にいる普通の人々の営みが味わい深くじわじわと染み入る映像で、心に残りました。山下敦弘とともに大阪芸大出身。大阪芸大恐るべし!(11年作品)

2.「わが母の記」(原田真人監督)
  とても日本的な内容がとても日本映画とは思えない厚みのある映像で、しっかりとしたフォルムで迫ってくる。この作品がベストワンでもいいぐらい。

3.「桐島、部活やめるってよ」(吉田大八監督)
  これは、自らの高校時代を思い出し、とても刺激的でした。話もちょっと気になるところはあれど、話の巧みさと視点を代えて何度も繰り返すという映画ならではの手法がうまくハマったと思います。自分自身のちょっと高校時代の無責任なせつなさを思い出しました。

4.「鍵泥棒のメソッド」(内田けんじ監督)
  こんな映画を作ってみたいなと思わせる映画。ウエルメイドでハッピーエンドで。人生を大上段に語るのでなく、巧みな話術のそこかしこに人生の機微を味わわせる。うまいな〜。

5.「ドライヴ」(ニコラス・ウィンディング・レフン監督)
  シンプルだけどアクション映画としてツメが上手いな〜と思います。まったくあり得ないと思える話がしっかり映画のなかでは生々しく息づく面白さ。

6.「この空の花」(大林宣彦監督)
  「とんでも」映画でした。映画のワクをはみ出すようなこの映画は、映画体験としては昨年一番でした。が、映画として考えると…。でも「いい映画でした」と人に伝えたくなる映画でした。こんな映画を作った長岡市がうらやましい。

7.「北のカナリアたち」(阪本順治監督)
  化け物吉永小百合と阪本順治のコラボが楽しめました。子供たちも素直で歌がうまい!

8.「まほろ駅前多田便利軒」(大森立嗣監督)
  これも11年の作品だけど、最近見て、よかった作品。

9.「恋の罪」(園子温監督)
  結局昨年3本見た園子温作品のなかでは(他に「ヒミズ」「冷たい熱帯魚」)、これが素直に面白かったかもしれないと思いました。とても人工的でその作り込みが面白かった。実在の事件を思うとつっこみとかアプローチが足りないと思うけど、いち映画として見れば、楽しい映画だったと思う。

10.「キツツキと雨」(沖田修一)
  役所広司がよく締めています。小栗旬がいやらしくなく(あまり好きでなかった)よかったです。

次点. 「ヒミズ」(園子温監督)
   10番目にしようと最初から思っていたのですが、あぶれました。でもベストテンには入れておきたかった作品。昨年3本園子温作品のなかでは一番ひっかかり、一番感動した映画。あの映画としての体裁の乱れ方は、見物でした。評価の高かった「冷たい熱帯魚」は、彼のうすっぺらさが一番出てしまいイマイチだったと思います。

 ちなみに一昨年(2011年)のベストテンは

1、「オーケストラ!」
2、「シングルマン」
3、「奇跡」
4、「ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う」
5、「ヒアアフター」
6、「ウデイ・アレンの夢と犯罪」
7、「マイバックページ」
8、「SP 革命編(完結編)」
9、「すてきな金縛り」
10、「白いリボン」
次点「川の中からこんにちは」

 一昨年と比較して、日本映画に偏っていたのが分かります。最近、あまり洋画を見てないな〜。

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2012/11/29

「鍵泥棒のメソッド」見てきました  映画

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 見たいと思っていたのですが、ワーナーマイカル県央でやらないようで残念とおもっていたら、2ヶ月遅れでやってきました(やらないよりいい!)

 監督脚本は、傑作「アフタースクール」の内田けんじ。
 ひょんなことから、売れない役者と殺し屋が入れ替わるコメディー的でもあるし、スリラーというかサスペンスもの的でもある、で、ハートウォームな話でもあります。

☆☆☆☆。(☆5個が満点)

 この監督(内田けんじ)の映画は、ストーリーの巧みさが目を引きますが、ちゃんとしっかり感動させるのは、根底に人間愛というか、倫理観というか、しっかりした道徳観念があるからだな、と思います。

 堺雅人は、一応主役ですが、「アフタースクール」につづいて今回も恋の橋渡し役のようなピエロ役ですが、なかなか冴えない顔がいいです。で、香川照之と広末涼子の恋がメインのような趣きです。

 今回の広末涼子はやたらいい。こんなにいい広末は初めてです。

 香川照之は相変わらずいいですし、森口瑤子がなんともいいです。それに荒川良々のやくざが恐いですし。役者がちゃんときっちり仕事をしていいアンサンブルを奏でます。

 ちょっとしたアクションも手を抜かないし、カーアクションも普通のアクションものより上手い。

 あ〜幸せな映画体験でした。

 またこの監督の新作を早くみたいですね。話の緻密さや意外性、細部のこだわりは、日本のビリーワイルダーというよりヒチコックを彷彿させます。(話がコメディ調なのでビリーワイルダーをよく引き合いに出されるようですが)

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2012/11/15

「北のカナリアたち」見てきました  映画

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 先日の日曜、県央ワーナーマイカルは見るのがないな〜と思いつつ、なにか見たいと思い、これを見てきました。阪本順治だし、ちょっとは骨のある映画では?と思い、またラジオで、パーソナリティーの女性の面白かったという言葉に興味を持ったのもあります。

☆☆☆☆。(☆5個で満点)

 原作が湊かなえ(「告白」の原作者)だったので、けっこう人口的な話で、それをいかにリアルな風を入れて成立させるか、がポイントだと思いました。結果、阪本順治の手堅い演出が、ちょっと考えられないような人口的なストーリーをリアルに息づかせました。それが素晴しい。

 何よりもやはり吉永小百合です。この人は、いい意味で「お化け」ですね。この年で清楚で、色気があり、尚かつ、公平さを感じさせる魅力。吉永小百合でなかったら、これほどまで説得力があるか、と思います。宮崎あおい、満島ひかりや小池栄子、松田龍平など主役級、それもイメージのつきすぎている彼ら彼女らも吉永小百合の前にはいい意味で「平準化」されて、ちゃんとそれぞれの役に納まっていました。演出力、演技力もあると思いますが、吉永小百合の存在感のおかげだと思います。(まあ、正直言って過去のシーンで、40歳という設定は全く見えませんが。)

 それと、吉永小百合にからむ夫役の柴田恭兵、と警官役でからむ仲村トオルがいいです。脇役なのですが、キラっと光る。それもこの映画の要となる重要な設定です。(この二人が説得力がなかったら、この映画は成立しないぐらい重要な役で、出番は少ないながら見る側の想像力を掻き立てる力のある演技でした。)

 それでこの映画の鍵になる森山未來は、助演男優賞ものだと思います。謎解きのある映画なので、あまり内容は語れませんが。

 お涙頂戴映画ではないのですが、けっこう泣けました。

 子役たちの合唱も素晴しい。野原を歩きながら歌っているシーンは「サウンドオブミューック」なみの感動があります。(子役たちが、まったくの素人で、歌唱力で選ばれたそうですが変なくせがない分とても自然な演技をします)

 まったくの娯楽作です。でも、上質な娯楽作で、吉永小百合はいい映画に出演したと思います。
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