今週末、岡山国際サーキットで、FIAの統轄する世界選手権レースが開催される。
日本での開催二年目となるWTCCと、今年新設のアジア・ル・マンだ。ほかにサポートレースとしてフォーミュラBMWと、JAF地方戦のフォーミュラ4・日本一決定戦が行われる。
自分的には、世界一のガチンコバトルなWTCCもル・マン24時間へ繋がるアジア・ルマンも楽しみだが、何より毎年楽しみにしているF4の日本一決定戦が、国際レースと同じ場所で開催される、というのがとても嬉しい。
先にエントリーリストを掲載したが、総勢24台、19才から50代まで、様々な経歴と経験を持ったドライバーが全国から集まり鎬を削る。岡山をホームとするドライバーもいれば、関東からの遠征チームもあり、FJやSFJからこれを機会にF4へ参戦する者もいる。どんな展開になるのか、予想もつかない。
F4は日本独自のカテゴリーだ。規格的にはF3より下、今回同時開催になるFBMWよりは上、というところか。リストリクターの付いた1800ccエンジンとアルミハニカムのボディ、前後にはやや大振りなウィングが付いている。
全国を東と西に分け、年間各6戦が開催されて来た。2006年からは東西合わせて日本一決定戦が開催されている。長いあいだFJ1600シリーズからステップアップするドライバーが毎年果敢に競り合い鎬を削り、F3への登竜門と位置付けられて来たが、近年F3がメーカー系出身のドライバーで占められるようになってから、F4卒業後の行き場の無い状態が続き、辛うじてS耐に進路を見出すばかりになっている。06年F4日本一決定戦の開催決定と同時に統轄団体のJSS(ジャパン・スカラシップ・システム)から、SGTなど上位カテゴリーへの参戦支援の発表があったが、現在まで成功しているとは言い難い。
一時は、年齢層が上がり、ステップアップカテゴリーと呼ぶのも憚られるかとも思われたが、ここ何年か歴年のベテラン勢を凌いで若手が増えつつある。それは、昨今のFJ・SFJからのステップアップが増加したというだけでなく、F3ナショナルクラス新設によるベテラン勢のF3ステップアップやハコへの転身などによる減少と、FCJを卒業した若手の参入、さらにFCJ参戦を目論む若手の練習場化、などがあってのことと云えなくも無い。
そんななか、今年9月にJAFから2010年F4の新車両規則が発表された。
画期的かどうか、カーボン・モノコック(ドライバー乗車室、F1で云うコックピット)と2000ccエンジンの使用、が大きな変更点だ。もちろん現行マシンとの共存を想定しており、当分のあいだはリストリクターでエンジン差は揃える方向らしい。
これを受けて現役ドライバーや現場では一気に様々な思惑や懸念が浮かび上がってきた。
カーボンボディに新エンジンを搭載した新型マシンが登場したら、現行マシンは太刀打ち出来るのか。だいたい誰がそんなマシンを作るのか、買えるのか。現行マシンでの参戦でも年間1500万ばかりも掛かるのに、新規参戦を考える10代20代の若手に新型マシンの購入など不可能ではないか。そうなったら戦闘力の無い現行マシンでシリーズ参戦を考える若手がいるのか。金さえ積めば速くて勝てるマシンに乗れるなら、それはホビーレースでしかない。FJから上に繋がるステップアップカテゴリーでは無くなってしまう、etc。
現在、新型マシン製作については、林みのる率いる日本自動車レース工業会(JMIA?)が参入を表明しているようだが、マシンについての詳しいインフォメーションはまだ出ていないようだ。また、FJやSFJのコンストラクターである某社が開発を検討しているらしいと噂も聞くが、実際のところはどうなのか、興味津々ではある。
長くなったので、とりあえず中断。

7