今年からFTが休止してF4はまだ健在とはいえ、いよいよF3の下位カテゴリーはFCJだけという印象だ。今年、トヨタ・ホンダ系の育成ドライバーから全日本F3にステップアップした5名を輩出したことで、FCJの『世界に通用するドライバーを育成する』という大前提は、一歩前進したことになるのだろうか。
所詮FCJ以前にトヨタ・ホンダの育成スカラシップに該当しなければ、意味はない。ニッサンは幸か不幸か昨年度のドライバーが不振だったので、初年度ドライバーへの海外参戦スカラシップを継続することになったが、今年はどうなるだろうか。
一般枠からのステップアップはどちらにせよ今年も厳しいのだろう。
そんなことを思いながら迎えた開幕戦、レールに乗っていようがいまいがそんなことはお構い無しに、後先考えずに思い切り良く走り出すルーキー達のレースが面白かった。
4月5-6日に行われた富士開幕戦のトップは2年目の松井と国本が、第1戦と第2戦ともにPPとFLを仲良く?分け合って、ダブルポイントリーダー状態だ。
国本雄資は今年F3にステップアップした京佑の弟、全日本カートから限定Aで昇格、昨年ルーキーイヤーに3勝を挙げてランキング4位という生え抜き。かたや松井孝允はFJ岡山チャンピオンから昨年TDPに大抜擢されるも成績が低迷して半期でFTRSに降格、降格されるなり2位3位を獲得する、という良く判らない戦歴。
昨年からトヨタのフォーミュラテストに参加していた国本の走りには何だか貫禄さえ感じるのだが、応援している立場としては申し訳ないが、今年はテストにも不参加だった松井が、今回ここまで国本と互角に走るとは思わなかった。
昨年序盤の低迷から考えると、良くもここまで立ち直ったと思う。FJの頃からめちゃくちゃな速さはあったが、FCJではどうにも歯車が噛み合わず、端で見ているのも辛い一年だった。今年はリベンジなるか、まだ粗い走りだとは思うが精進して頑張って欲しい。
富士のレースの内容は、ストレートを通過する順番でしか把握できなかったが、1・2位を争う二人は別格、やや間を置いて続く三番手からが熾烈だった。
スタートは何台かがストールしてコースサイドから黄旗が幾つか振られたが、全車なんとかスタート、一周でほぼ順位が確定してしまった昨年までのレースに較べると、案外入れ代わりが多かったかも。接触でウィングを失くしたマシンも多かったようだが、2戦でリタイヤが一台だけというのも運が良いのかもしれない。
富士のコースは1コーナーとダンロップがオーバーテイクポイントと云われるが、ヘアピンでも300Rでも変動があったらしい。ミドルの面白さなのか、四輪マシンに慣れないせいか判らないが、なんにせよみんな頑張って欲しい、としか言いようがない。
今回は緒戦でもあり、ルーキーより経験豊富な2年目組が上位にくるのは当然かもしれないが、次戦以降、どんな顔ぶれが上位に上がってくるか楽しみだ。
今日から鈴鹿で第2回合同テストが始まる。鈴鹿を走り込んだドライバーや富士で自信を付けたドライバーに負けずに、みんな頑張って課題を克服して欲しい。
第2大会鈴鹿は、5月10-11日、鈴鹿FN第2戦に併催される。楽しみだ。

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