F3で頑張ってた関口雄飛を見たからという訳でもないが、SGT富士の地上波TV放送を見て思った。ユーヒ、止める場所悪すぎだ、も少し考えようよ。って。
富士SGT第3戦、#32と#118の接触・火災発生による赤旗中断があった。その後の再スタートしてから3〜4周目あたりで#19が100Rで発火・リタイヤした。TV映像では、1コーナーで左の窓から煙を吐きながら走る19号車の車内に赤い炎がチラチラ窓越しでも見える。そのまま暫く走る19号車の姿は、気付いているかないのか、止まれるのか、と、見ている側はハラハラだ。
やがて100Rイン側と思われる場所に止まった19号車からドライバーが降り、ガードレールに走り寄る。
画面には、モクモクと煙りを吐き続ける19号車。この時、見ている誰もが、早く、速く消火してくれ!!と思ったに違いない。
すぐにドライバーが消火器を持って戻ってきて、手ずから消火を始める。一拍置いて、赤い塗装に富士のマークも鮮やかなクルマが画面を横切り、レスキュー達が駆け寄る。その時、空になった消火器を投げ捨てるようにしてドライバーは歩み去った。
CS放送も地上波でも、同じ映像だと思うのだが、CSのほうは誰かの声が、ドライバーが消火する状況を歎くような発言をしていた。
あの時のことを想像するに、まず、ドライバーは何時の時点で白煙と発火に気付いたにせよ、最初はピットに戻ることを考たと思う(火の出たマシンでピットロード進入はマズイが)。発火があり、ドライブが困難であり、身の危険を感じたドライバーは、チームの指示もあったか、マシンをコースサイドに止めることにする。さて、何処に。そう、火の消せる場所、消火器のある場所、赤いFマークのある場所。
恐らく、ドライバーはコカコーラコーナーを通過するあたりでは、もうヤバイッと思ったろう。そこからコース右側を走り、徐行し、赤いFマークを見つけ、コースを外れブレーキを踏み、マシンを止める。ガードレールを乗り越え消火器を掴み、車両に戻る。大変な勇気だ。車載消火器は使えなかったのだろうか、と疑問はあるが。
これに対して、コースレスキューの動きはどうだったのか。富士には赤い消火車と白い救急車があり、各車はコース左右の開口部やエスケープゾーンの各所に配置されている。100Rではコース左側にいたと思う。ヘアピンでは右側に待機していた。レース中にコースを逆走は出来ないから、当該ヵ所の後方(1コーナー寄り)から現場に駆け付けることになる。何処からか。コカコーラコーナー右側だろうか。19号車が白煙を上げて通過した後、停車しなければ出動することは出来ないから、映像中のタイムラグとしては妥当なのではないか、と思う。
CS放送の解説・コメンテーターは、モニターを見て話す。周囲の状況が判った上で「救援が遅い」というなら改善すべきだが、少なくとも救援が到着しつつある時に、あの発言は必要だったのか、疑問に思った。
もうだいぶん前の話だが、F1から引退する前のベルガーが、エンジンから火を吹くマシンをドライブしながら「あのポストの前で止めれば、自分は救出されると信じて走った」と、語ったことを思い出す。かってクラッシュマシンの炎の中から救出され、九死に一生を得たベルガーは、火の出たマシンを同じポストの前で止め、自力でマシンを降りた。
救援救急活動は、互いに信頼関係を構築することで迅速さと精確さを増す、と思う。富士だからとはいえ、いたずらに反目させる必要はない。

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