もてぎ最終戦が終わりました。
とてもハードなタイスケ、無茶苦茶エキサイティングなレースの連続で、正直疲れたです。自分が応援している選手の出場するレースは緊張してドキドキするものですけれど、今回は本当に、良いレースを見せてもらえて嬉しかった。良いライバルをたくさん持つことが、良いレースが出来る、良いレーサーに成る秘訣、本当にそう思った。ありがとう、そしてお疲れさまでした。
レースに勝つ、ということは、要するに、他の誰よりも先にトップチェッカーを受けること、でしかない。
そんな分かり切ったことを今更、とは思うのだけど。勝つことは難しい。あらゆる努力と技術を注ぎ込み、細心の注意でありったけの技量を尽くして、誰よりも最速で走り抜けるしかない。危ういことだ。それでも、勝ってしまうと呆気ない。
レースは時の運、と言ってしまえばそれまでだが、本当の速さや強さは、指を喰わえて待っていても転がり込んでくる訳ぢゃない。
そのために、どれだけの努力をしたか、準備をしたか経験を積んだか、日頃の努力が試される。
才能もセンスも、必要なときに発揮出来なければ、宝の持ち腐れ。そのためにこそ、不断の努力が報われるってもの。
長々しい戯言をノタマウようだが、この間からずっと、頭の片隅でそんなことばかり思っていた。勝たなければ為らないレース、勝つことだけが至上の命題でしかないレースのなかで、勝つことよりも大切なことが、その前にある、ということを。
幾度となく、速さの片鱗を見せて勝ちもするのに、強さを感じないドライバーがいる。常に良く善戦しても勝てないドライバーがいる。圧倒的な速さを誇りながら、僅かな躓きに涙を呑むドライバーもいる。淡々と走りながら、勝利への階段を上り詰めるドライバーがいる。
だからこそレースは面白い。
自分を信じ、マシンを信じて、全力を尽くして、走り出す戦いは、孤立無援。
応援するひとの想いを背に受けて、ライバル達との目には見えない信頼を賭けて、走り抜けるチェッカーの向こうに待っているのは、ただ、自信と誇り。
勝つことに意味はない。それはただの結果。レースに勝つ、ということは、自分に勝つこと、勝てる自分を作ること。
一年間、お疲れさまでした。もてぎ最後のレース、楽しかったです。残るF4東西統一戦、FJ日本一決定戦を控えた皆さん、頑張って下さい。

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