2006/11/16 | 投稿者: クロちゃん
心に残る景色
あれは、いつのことだったのだろう。
確か、悪ガキ時代の切ない思い出……。
奈良尾峠から城峰山の山頂に立った。寒い風が吹いていたと記憶している。
山頂は360度の展望が開けた。
ふと、見渡せば眼前に広々とした景色が入った。
「あれが、関東平野だ。」
リーダー格の少年が俺の傍で呟いた。
いつか、いつか行って見たいと思った。学校の授業で学んではいたが、実際に目にするのは初めてであった。どこまでも広がる平野……。
山育ちの俺には憧れの遠い世界だった。
「山がない。平坦なんだな〜。」
心底そう思った。
「凧、持ってきて上げればよかったな。」
リーダー格の少年がまたも呟いた。
同感である。青空に凧をどこまでも上げて、糸を切って追いかけて、どこまでも探しに行く。関東平野のどこまでも追いかけて行きたい。
そんな心境だった。
あれから……。
何度も城峰山の山頂に立っているが、あの時の、あの感動した関東平野は姿を見せてくれない。いつも白く霞んでいる。
あの日の関東平野は幻だったのだろうか。
あの日の、本当の関東平野を見たい。いつの日か、きっと……。
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あれは、いつのことだったのだろう。
確か、悪ガキ時代の切ない思い出……。
奈良尾峠から城峰山の山頂に立った。寒い風が吹いていたと記憶している。
山頂は360度の展望が開けた。
ふと、見渡せば眼前に広々とした景色が入った。
「あれが、関東平野だ。」
リーダー格の少年が俺の傍で呟いた。
いつか、いつか行って見たいと思った。学校の授業で学んではいたが、実際に目にするのは初めてであった。どこまでも広がる平野……。
山育ちの俺には憧れの遠い世界だった。
「山がない。平坦なんだな〜。」
心底そう思った。
「凧、持ってきて上げればよかったな。」
リーダー格の少年がまたも呟いた。
同感である。青空に凧をどこまでも上げて、糸を切って追いかけて、どこまでも探しに行く。関東平野のどこまでも追いかけて行きたい。
そんな心境だった。
あれから……。
何度も城峰山の山頂に立っているが、あの時の、あの感動した関東平野は姿を見せてくれない。いつも白く霞んでいる。
あの日の関東平野は幻だったのだろうか。
あの日の、本当の関東平野を見たい。いつの日か、きっと……。
