2007/3/11 | 投稿者: クロちゃん

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小鳥のさえずり、鹿の鳴き声が近くに聞こえる。
奥秩父の渓は静かに自然の息吹を感じさせる。

昨晩の雨の効果は全く見られなかった。
滝川は静かに、たおやかな流れで俺達を迎えた。
少ない。これ以上の表現はできない細い流れだった。

冷たい流れの中から川虫を獲る。
川虫は豊富ですぐに充分な餌の量が確保できた。

しばらく釣り遡ると初めての魚信。
流れの中で目印が止まって、水中に沈みこまれて行く。
「ビクビクッ」「プーン」
竿を上げた途端に頭上の木の枝に仕掛けが引っ掛かる。
キイくんは、魚が走ったと言っている。
俄然、やる気がでてきた。

しかし、何年たっても進歩のない釣技は浅い流れに通用しない。
魚にこちらの存在を察知されてから竿を出す。
分かっている。分かっているが、これが今の俺の釣りだ。

この渓にゴミが少ないのは入渓者の少ない証拠だ。
滝川に放流はない。
喧騒とした放流場所を嫌って、静かな渓に竿を出す俺は変わり者か。

待望の今シーズン第一号はヤマメだった。20cm弱の魚体。
その魚体にサビは残っていなかった。
だが、痩せている。
洟から、今日はキープする気持ちなど毛頭ない。
ここ、滝川下流域の様子を見に来たのだ。
写真を撮って優しくリリースした。
釣り上げてからリリースまで、一度も魚体に触らなかった。
魚にとって、人間の手は火箸のようなものだ。
ハリを持って「クイッ」とやったら、魚体はスルリと抜けた。

水の流れに戻ったヤマメは、一瞬「キョトン」としたように見え、次の瞬間、我に帰ったように慌てて逃げていった。

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