2007/6/26 | 投稿者: クロちゃん

そこは長野県だった。

ジンクスとか方角とか、人は色々なものを背負っている。
と、思う。
此処に来て、想い出してはならないジンクスを思い出してしまった。
それは、できれば心の奥に閉まっておいて、封印しておくべきことだった。

雑魚川は長野県にある。と、此処に来て気付いた。
同伴者には悟られないように気を使ったのだが、正直者で素直な性格の俺は、気付かれてしまったかもしれない。
俺と長野県。それは、非常に相性が悪いことの思い出ばかりなのである。

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初めて釣りで長野県に訪れたのは今から10年以上も昔のこと。
千曲川の支流だった。北相木川の上流だった。
当時、北相木川は魚影が濃い、釣れる川だと釣り人にはよだれの出そうな川だった。そんな情報を聞きつけて勇んで出かけた。
結果は、見事なボーズ。
「あそこで釣れないなんて、よっぽど下手か、運が悪いんだなあ。」
私の釣行の結果を知った人間は、面白可笑しく笑った。

次に訪れたのは解禁直後の千曲川上流だった。
人、人、人に嫌気が差して、上流へ上流へと車を走らせた。ようやく釣り人の姿がなくなって、川へと降りようとしたら、そこに水は流れていなかった。
この日、釣り券と交通費がばかに高く感じられた。

千曲川支流に梓川という川がある。
ここで、良型の岩魚を掛けた。ようやく俺のジンクスも終幕の時が来たと思った瞬間、頭上の枝に竿が絡まり、竿先が折れると同時に岩魚は流れに消えた。
釣り券と交通費に竿の修理代が嵩んだ。

2月の寒い解禁日、釣友に誘われるがままに釣行の約束をした。仕度をとウェーダーを物置から出してきたら、長靴の部分が裂けていた。
釣具屋に電話して、何とかウェーダーを手に入れて、出向いた川では……。
同行の2人がポンポンと景気良く釣る傍で俺は空振りの連続を演じて見せた。
新調したウェーダーがとても高く印象に残った。

またある日、乳川谷という川に遠征した。
道は迷うは、全く魚信はないは散々だった。戻って来た橋の処でポンポン釣り上げている釣り人がいた。

さて、今回は……。
川虫を採って、さっそく竿を出そうと岸辺を移動した。
次の瞬間、滑って水の中に尻餅をついた。
「つ、つめてぇ〜。」
こうして、今回の雑魚川釣行がスタートした。
果して、俺のジンクスは破られるだろうか……。

(つづく)

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