2007/12/25 | 投稿者: クロちゃん

おばあちゃんは、山の中で畑を耕し、実った野菜などを子供や知人にあげて喜ぶのを楽しみにしています。
最近のハイキングブームで色んな人が家の前を通ります。

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豊作なのだが、黄色の実はない。おばあちゃんも取られる前にと一所懸命もいだそうだ。

「台風で道が崩れたお陰で最近“遊び人”が少なくていいよ。」
年老いたおばあちゃんはそう言って笑った。
おばあちゃんは、モーレツ母さんが年とったみたいな人です。

おばあちゃんが言う遊び人は、春には畑に植えた山菜を採り、裏山の竹の子まで掘って持って行くと言った。

ある日、竹の子を掘ろうと裏山に入ると見知らぬ人が竹の子を掘っていた。
「すみませんね〜。掘ってもらって…。」と声をかけると見知らぬ人はそのまま立ち去ったそうだ。
おばあちゃんの粋な注意の言葉であるが、これが現実の出来事である。

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今年はゆずが豊作だった。
「お蔭で手の届くところは取ることはなかった。」と笑った。
手で届くところはすでに取られていた。

おばあちゃんの作物は、取られてもそれ自体が生活に直結するものでない。
でも、子供や知人にあげる楽しみが奪われてしまうものだ。

おばあちゃんが云う“遊び人”とは一部の心ない人間であろう。
しかし、おばあちゃんが指す遊び人の中に我々ハイカーが含まれていることは確かだ。


私は母の前で山歩きの話題は口にしない。
「山歩きする人間はそんな悪い人ばかりじゃないよ。」と否定しても母は納得しないだろう。

これは山歩きのマナー以前の問題だ。山に暮らす年老いた人間が愛情こめて懸命に育てたものを取っていく。しかも、おばあちゃんは優しく収穫をするのに、その人間は委細かまわず痛めつけていく。

おばあちゃんの畑の片隅にふきのとうが顔を出していた。
「ほら、これ持って行け。12月になりゃあ、はあ“ふきったま”が出るんだ。」
ニコニコしながら採って持たせてくれた。

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2007/12/24 | 投稿者: クロちゃん

クリスマスの思い出…。

これはメルヘンでもポエムでもありません。私の少年の頃の思い出です。
(「重い手」ではありません。)←誰もそんなこと聞いてませんね。(^^♪

2007年12月23日未明…。
秩父谷は本降りの雪が舞っていた。車のハンドルを握る私はふと思い浮かんだ。
「ホワイトクリスマス」
そう、あれは私が小学校の頃だった。

☆★☆★☆★☆★☆★

12月24日は2学期の終業式の日だ。いつもは寒くて嫌々起きるのだが、明日から冬休みと思うと早起きする。休みの日も早起きだ。
そして、外に出た途端、破顔一笑。

「わーい、ホワイトクリスマスだあ。」

寒い秩父谷でも12月に雪が降るのは珍しい。しかも、本格的に降っていた。

朝飯の時間、母親が不吉なことを言った。
「この雪じゃ、頼んでおいたケーキが届かねえかもな。」
嫌だ!そんなの絶対に嫌だ!少年の楽しみは何といってもクリスマスケーキだった。
ホワイトクリスマスよりケーキなんだ。雪融けろ〜。

学校への道のりは坂道を降って3キロくらいあった。
終業式が終わって、通信簿と一緒にショートケーキが貰えた。

帰りは登り道であったが(当たり前ですね)、雪の積もった道を勇んで歩き家に着いた。
そして開口一番「ケーキは?」
「やっぱり、車が来ねえな。今日はあきらめろ。」
加えて「学校で貰ったんで我慢しな。」だった。

ケーキ、楽しみにしていたクリスマスケーキがない。
気持ちが沈んだ。
その時、有線電話の呼び出し音が鳴った。

頼んであったクリスマスケーキは学校近くの家までは来たが、その先雪で登って来れないという内容だった。(家は坂道を登って山の上なりです。)

「食いてえんなら、取りに行って来い。」母親は言った。
少年は一瞬躊躇ったが「行ってくる。」と言って長靴を履いた。
喜び勇んで坂道を駆け下りた。だが…。雪で滑って転んで泥だらけになった。
手もジャンバーも泥だらけ〜。泣くのをこらえた。執念であった。冷たい雪に痛さはひとしおです。


目的のケーキを受け取ると帰りは転ばないように慎重に歩いた。
途中、何度もケーキの箱の中を覗いてみたかったが我慢した。
こうして、形は少しくずれたようだが無事に家に持ち帰った。

夜に母親がケーキを切り分けてくれた。(家族が多かった。)
その頃はバタークリームのケーキであった。

少年はケーキを目の前にして言った。
「わーい、ホワイトクリスマスだあ。」

☆★☆★☆★☆★☆★

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イルミネーションもクリスマスプレゼントもなかった時代の思い出である
車を運転して家に着く頃、雪は雨に変わっていた。

えっ、何で未明の雪の中を車の運転したかって?
内緒!
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2007/12/23 | 投稿者: クロちゃん

秩父の象徴、秩父の名山、山岳信仰の山「武甲山」…。

現在の異様な姿は誰もが言葉を失ってしまうのではないだろうか。
「山頂を失くした山」、採掘により絶滅危惧となった自生の「チチブイワザクラ」は幻の植物となった。

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昔、むかしのことじゃった。
秩父谷の外れに住む少年は傍にいるおばあさんに聞いた。
「ドーン、ン、ン、ン」
「おばあちゃん、何の音?」
「武甲山が『痛いよ〜』と泣いている音だ。」

少年は黙っておばあちゃんの手を握り武甲山を見つめた。
「もう、やめてくれー。」
武甲山が泣き叫んでいるように思えた。



成長した少年も武甲山も昔の姿に戻ることはできない。
「ドーン、ン、ン、ン」
今日も武甲山は泣き叫んでいた。

哀れな姿になった武甲山を見つめても私には何もできない。
いつの日か、秩父から武甲山は消えてしまうのだろうか…。

歳末の武甲山から秩父の街が墨絵のように見えた。

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◆表参道の釣堀下の道路は崩落して車の通行不能です。
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タグ: 武甲山 秩父




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