2008/3/7 | 投稿者: クロちゃん

これは身近にあった実話を基に少し脚色して掲載しています。
〈登場人物〉爺ちゃん、婆ちゃん、カコン(仮名=怪しい人物)

ピポッパポッピッピー♪(電話の音です。)《昔はリーン、リンだった。》
「もし、もーし!」《電話に出たのは爺ちゃんだった。》
「お父さん、俺、カコンだけど…。携帯電話の番号が変わったんで…。」
爺ちゃんは途中で言葉を遮るように…。
「おおーっ、カコンか。どうした、声が少しおかしいな。」《爺ちゃんは嬉しそうに声を弾ませた》
「風邪ひいたんだよ。ゴホゴホ…。」
「そうか、大事にな。」『ガチャッ《一方的に爺ちゃんは電話を切った。》

「ずいぶん短い電話だけど、誰からの電話?」婆ちゃんが尋ねた。
「カコンからだ。風邪ひいたらしい。」爺ちゃんは答えた。
「何の用だって?」
「はて…?そういや、用を聞かなかったな。」『カカカ』と爺ちゃんは笑った。
「まったく、しょうがないんだから。」呆れ顔の婆ちゃんである。
「用があるならまた掛かってくべぇ。」意に関せずの爺ちゃんであった。
そうして、この日の出来事はすっかり忘れていた。

数日後…。
新聞を見ていた爺ちゃんは、ある活字に目が止まった。
『振り込め詐欺…。携帯の番号が変わった。』
爺ちゃんはこの時、あの電話がそうであったことに気付いた。
そして思い出した。
「もし、もーし!」爺ちゃんは息子のカコンに電話を掛けるのだった。

風邪、良くなったか?
「へ?風邪…?何のこと???」事情を知らない本物のカコンは合点がいかずに目をパチクリしていた。

(追伸)
爺ちゃんは最初から気付いていたのだと思います。たぶん…。
0




AutoPage最新お知らせ