早春の渓から2005年

2014/3/1 | 投稿者: クロちゃん

これは山釣りに狂っていた頃の記録である。竿を置いてずいぶんと歳月が流れたが、今も懐かしい思い出となっている。

秩父の渓流釣りは、例年3月1日が解禁である。解禁日には成魚放流の有名河川に釣り人が殺到する。そんな、お祭り騒ぎを尻目に私はせっせと仕事に精を出している。
お蔭でストレスは溜まる、体力、気力は低下し酒に頼る日々が続いている。しかし、良いこともあった。休日出勤が続いたお蔭で振替休日も溜まった。「こうなれば、行かなくてはなるまい。」と振替休日の消化は渓流釣りに出掛ける計画を立てた。

3月18日(金) もちろん平日

 どこへ行こうかと考えた結果、奥秩父の滝川水系に決めた。滝川は成魚放流の無い河川である。元来、成魚放流の河川に出向かない私らしい選択であった。朝も暗いうちから家を出て車を走らせる。平日なので、どこからでも入渓出来るだろうと下流域に目標を合わせる。第一の目標入渓地点に到着。すると、先行者らしき車が1台ある。この人も振替休日なのだろうか(・・;
ちょっと焦ったが、次の目標地点に移動。無事に入渓を果たしたが、河原は残雪で覆われていた。雪は膝上位までの深さで歩きづらいが、なんとかなるべぇと楽観的に考える。残雪の踏み跡は1名のようで、ここには今年2人めの入渓者となったようだ。
午前6時、今年記念の第1投。
最初のポイントでやや小振りながら、艶っぽい魚体のヤマメが掛かる。6時5分。幸先良いスタートである。「さて、記念に1枚撮影しようか」と想ってザックからデジカメを取り出そうとして気がついた。カメラは家に忘れて来たのだ。「まっ、いいか!」と次のポイントへ移動。今度は、魚体も立派なポッテリ方の美人ヤマメが宙に舞った。6時15分。次のポイントでも、他の2尾を上回るサイズが釣れた。6時20分。「こんなに釣れていいの?」と、この時は正直想った。次のポイントから様相が一変した。いや、次のポイントでの出来事の後からだ。

その次のポイントでのことだが……。
やや流れの速い場所にそいつは居た。私にしては、そのポイントで粘った。いつもはさっさと次のポイントへ移動するのだが、何故かこのポイントは粘った。幸先良い釣果に気持ちに余裕があるからだ。
流れはいかにも魚が隠れ潜みそうなエゴに流れている。何度めかの投餌の際、目印が止まった。止まった目印が横に動いた。瞬間、合わせていた。ここまでは完璧である。「ピコピコ」とか「ググーッ」とか可愛い手応えじゃない。「ドッドッ」という重い手応えである。「こりゃ、大物だ!」と想った瞬間、糸が真ん中当たりで切れた。目印がスローモーションのように空中から水中へと消えて行った。しばし、呆然としていた。それでも、釣り人のいやしい根性で新しい仕掛けに変えて粘るが、掛かるはずもなく、それならせめてさっきの仕掛けが引っ掛かってくれれば…。と願うが、願いも通じずあきらめるしかなかった。
ここが、天と地の別れとなった。その後、魚信も途絶えたばかりか、なんと渡渉中にぬるぬる滑る石にいたずらされて前のめりに転倒してしまった。「ツメテー!」と喚いてみても自分の始末である。さらに追い討ちをかけるように冷たい北風が吹いてきた。惨めである。それでも、もう1尾のヤマメを追加して帰路についた。
写真は家に帰ってから撮影したものであるが、真っ黒にサビが残っている。

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3月28日(月) 

 今日も休日出勤の振替日です。前回、入渓出来なかった滝川の入渓地点へ直行。今日はしっかりデジカメを持参している。予定通りに目的の入渓場所から釣りを始めることができた。竿を出してすぐに魚信があり、合わせると「ピコピコ」という感触とともに飛び出したのはリリースサイズのチビヤマメ。「あなたは、お呼びじゃないのよ。もっと、豊満な体が欲しいの」と、即リリースした。
天気情報では、今日はまとまった雨の予報だが、なんとか持ち応えている。水量も申し分ない。ポイントもたくさんある。「ここで釣ったよな」と過去の実績ポイントに竿を出す。が、全く反応が無い。おまけに、不思議に根掛かりもしない。これは良いことだが…。一向に釣れる気配がないというより、魚の気配を感じない。前回の途中から何か呪われているのではと想うくらい反応がない。
ポツポツと降り出した雨にすっかり気落ちして予定のコースを釣り遡り、竿を納めた。今日は、仕掛け1本で済んでしまった。根掛かり、空中戦(木の枝に引っ掛かってしまうこと)なし。釣果なし。写真撮影もなし。
「もう、このコースは来ない!」と強く心に刻んで本降りとなった渓を後にした。
情けない……。

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3月29日(火)

 「そんなに休みなのか?本当は会社クビにでもなったんじゃないか?」と想われるでしょうが、正真正銘、本日も振替休日なのである。懲りない私は今日も「渓流の人」となった。
平日にのんびり竿をだせる幸せ感で充実している。今日こそは渓の呪縛から免れようと気力も充実している。今日は、気分転換に目的の川も大洞川に変更した。
いかにも、魚が付きそうなポイント、過去に実績あるポイントでは粘りも見せた。が、なかなか魚信がない。「負けるもんか!」と強く心に言い聞かせ、「釣れなくても、やっぱり渓流はいいな」と気分も変え、あの手この手で攻めるが、釣れない。はっきり言って私の釣りの腕は悪い。渓流釣り歴15年のベテランであるが、一向に上達した感がない。逆に衰えているのでは?と錯覚してしまうくらい下手くそである。しかし、自殺志望のヤマメや岩魚がいれば釣れる筈なのである。

 そんなこんなを考え、単調に竿を振る私に遂に女神が微笑んだ。流れの中から飛び出したのは、ポッテリ美人のヤマメであった。まあまあのサイズにニンマリ。朝飯を食って、「さあ、これからだ」と想った矢先に釣欲が萎える出来事があった。

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目の前に先行者の姿である。
私が入渓した次の入渓点のすぐ先に竿を振る釣り人がいた。これが、土・日曜日だったら、仕方ないにしても、平日の、しかも私の車が手前の入渓地点にあったのが判ったはずである。しかも、朝、ゆっくりやってきて何もここから入渓しなくてもいいだろうに……。
何か、後出しジャンケンを食らったような嫌な気分であった。たぶん、ここから林道に登ればその釣り人の車があるだろう!?
放流も無い、平日の大洞川に、しかも、この時間なら手前の入渓地点から釣り遡ってくることが予測できたろうに……。
こんな時は私の性分は、すぐあきらめることになる。そそくさと竿をたたみ、身支度を整え杣道を登った。林道に出ると予想通りに先ほどの釣り人と想われる車が1台停まっていた。


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