天理岳〜両神山A

2007/10/30 | 投稿者: クロちゃん

このコースは間違いなく私の「遊迷山」に加えられるコースです。
天理岳から両神への道のりは正に迷い易い。初めて訪れた人間はたぶん10人中9人までが間違えるだろうと思った。1人だけはきちんと行けるかも…。

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天理岳山頂から下ってすぐに前方の山の神が目に入る。そうしてこのコースには珍しく明確な道が尾根筋に続いているのだ。素直に進むのが自然である。しかし、この道は間違いだ。尾の内沢に向かう道である。
どうしても岩の上に鎮座する山の神に目が行ってしまう。ここに落とし穴があった。

正解のルートは山の神手前の急坂を立木をつかまりながら下降する。よく見ると目印のテープがある。これは青いテープなので目立たないんです。

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天理岳からの迷い易い箇所のイメージ図です。

直滑降に近い急坂を、いい加減嫌になる頃に下降は終わる。せっかく登ったのにずいぶん損した気分である。
「おーい、一体どこまで降りるんだ〜。」心の中で叫んだ。

その先、しばらくは平穏な道であるが予期せぬ岩場に行く手を阻まれた。
垂直の下降が待っているのだ。今回のコースの中で最大の難関だ。正直恐怖を感じた。高さは3メートルくらいでしょうか。ロープも鎖もない垂直に切り立った岩です。

右手下を見下ろすと、一旦下降して岩場の間を通れそうな箇所もあった。
どちらも一歩間違えれば谷底に落ちてただでは済まされない場所だ。慎重にゆっくり時間をかけてどうにか通過した。ふう〜、恐怖が恐かったー。

そして…。
このあと恐怖のV字ターンが待っていた。
これでもか、これでもかと急登が続く。うんざりするような急登である。
奥秩父でも、熊倉山や秩父槍ヶ岳への急登を更に角度を増したような坂道である。せめて九十九折れにでもなっていれば楽なのに、直線的にズルズルしながら登るしかない。
立木につかまりながら這い上がるようにして進んだ。しかも延々とその試練は続いた。

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雪化粧した浅間山です。

それでも、時折岩場から見渡す紅葉の景色が素晴らしく、しばし疲れを忘れさせてくれた。このままここで昼寝でもしたい心境となったが、そうもいかないので、「ハアハア、ゼーゼー」全身に汗を掻きながら牛歩のごとく登った。

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大キギ、小キギの山容です。

ずいぶん登ったと思った地点で、下山者の人に遭遇した。
「ずいぶん、きつい登りですね。」正直に感想を述べた。
「ここは、下山に使った方が楽だよ。もっとも、一般的なコースじゃないけどね。」(下山にもきついコースです。)

内心もう30分くらいで山頂と思ったが、遠慮がちに「山頂までは1時間くらいですか?」と尋ねた。
返ってきた言葉は私の内心の期待とは違っていた。
疲労困憊している私を見透かしたように…。
「うーん、1時間くらいかな〜。この先の岩場を過ぎればもう少しだ。」
『ゲッ、まだ岩場があるのか…。』
さすがに熟達者向けのコースである。

そこから、ジャングルのような潅木帯を背を低くしながらズルズルと登った。
言われたように岩場が現われた。ここは、もう感覚が麻痺していたのか恐怖心はなかった。幾つかの岩場を越えて、稜線に飛び出した。

「ここ、本当に歩いて良いのかね〜。」それは、本日始めて味わう人間の歩く道に思えた。
山頂直下の鎖場も「楽だな〜。」と思いながらホイホイと登る。

そうして遂に!!
苦労した甲斐あって今回ようやくに両神の360度の展望が叶えられたのだった。
この展望を見るまで長かった。
両神が私を歓迎して微笑んだ瞬間でありました。

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山頂から南アルプスです。

思えば、両の神に嫌われ続けて眺望を隠され続けられていました。
その鬱憤がイッキに晴れました。
奥秩父・両神山はこんなに素晴らしかったのかと改めて実感しました。

さて、戻ろう。いつもの天狗の舞の下りの力は残っていなかった。
次々と後続のハイカーに道を譲り日向大谷への一般コースを駆け下りた。
両腕が筋肉痛です。脚は…。元気でした。

今回の「遊迷山」の記録 完

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