ダブルストックは危ない!?

2007/11/30 | 投稿者: クロちゃん

奥多摩を舞台にした「山岳救助隊日誌」を読んで感じたことである。
都内から近い、秩父からも割と近い、手軽なハイキングコースがいっぱいある奥多摩での遭難事故を取り上げたものである。

身近に聞く山の名前・コースに親近感を覚えてスラスラと読める。
そうして、この本の数々の遭難死亡事故の中で印象に残った文面のひとつがこれだ。
平成18年11月24日、同日に同じ場所で発生したダブル転落事故…。

引用すると、

『この2件の遭難事故に共通していえることは、2人とも登山経験の長い中高年の女性である。〜中略〜』
『ここで私が問題としたいのは、遭難した2人はダブルストックを使っていたということである。登りでは大きな推進力となる。しかし下りでは、相当慣れないとバランスを崩しやすい。疲れてくるとついストックに頼ってしまう。とくに急な下りや、ガレ場、岩場などでは危険が伴う。これがストックがなければ疲れていても自分の両足で下りるしかないから、ゆっくりでも慎重になる。咄嗟のときには両手も使える。賛否両論はあると思うが、私は急な下りでのダブルストックには賛成できない。』


最後の30分の急な下りで起きた1人死亡、1人予断を許さない状況の重体となった事故とある。

以前に埼玉県山岳救助隊の講習で『ストックは谷側についてはいけない。山側につきなさい。岩場ではストックは仕舞いなさい。』と教わった。

私自身、ストックを使ったことがないので、実のところ効果の程は良く分からないが、先日の茅ケ岳山行の下山時に当会のメンバーが身を以(もっ)て実践してくれた。

クリックすると元のサイズで表示します

私の目の前を歩くメンバーは只一人ダブルストックを使用していた。
下りは急勾配の滑りやすい道だった。
「ズルッ、ステーン。」実に良く何度も転んだ。私の目の前で3回は転んだな…。

苦笑いしながら、「良く滑るな〜。」と感心したように言っていたが、他のメンバーに転ぶ者はいなかった。

「脚が長いから、バランスとるのが難しいよ。」
一理あります。そういうことにしておきましょう。
この本の知識があった私は、優しくさりげなく「ストックに頼っていると危ないよ。」と助言した。道は斜面から転落するような場所ではなかったので、貴重な実践を観察することにした。
これが危険な場所なら、もちろん大声で「ストックは仕舞ってくださーい。」と叫びます。

クリックすると元のサイズで表示します

確かにストックは頼りがいがあって、安心感もあるでしょう。
しかし、疲れた下山の道にはその安心感が曲者である。
ストックは馴れと正しい知識を持ってこそ、本当の威力が発揮されると思います。

もうすぐ下山口という地点で、転倒・転落事故が多いのも安堵感や安心感から来る気の緩みと、物に頼った結果ではないかと思う。
幸いにして、今回はズボンが泥だらけになっただけで済みました。
2



この記事へのトラックバックURLはありません
トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ




AutoPage最新お知らせ