カナディアン・ロッキーからは深夜のドライブでカルガリー空港に向かいました。カナダからアメリカに入るときにはカナダ側でアメリカの入国審査があるみたいで少し時間にゆとりを持って行きましたが、意外にも混雑していてセキュリティーチェックや両替などをしていたら、あっという間に搭乗の時間になりました。
今回もカルガリーからシカゴ、そしてシカゴからニューヨークのフライトだったので、ギターを機内持ち込みするというのが命題でしたが、帰りはすんなりと行きました。次回からは重たいからといって怠けないで、去年購入したフライトケースで移動しようと心に決めました。
大きなフライトの遅れもなく、ニューヨークに着いたのは夕方すぎでした。かなり待ったのですが、預けたスーツケースが出て来なかったのです!!次はスーツケースが行方不明かと、不安な気持ちでカスタマーサービスに行くと
どうやら無事に到着はしているが、別の場所に保管されているとのこと。指定された場所に行き、スーツケースを引き取りほっと一安心でした。
ニューヨークに戻ったのもつかの間、翌早朝にはペンステーションから電車に乗ってモントリオールへ向かいました。ニューヨークからモントリオールまでは道中かなり眺めのいいアディロンダックという電車に乗って、11時間くらいの長旅になる予定でしたが、なんとまたしても大きなトラブルが発生しました。
カナダの国境に近いウエストポート駅を過ぎ、大きな湖の湖畔の途中でいきなり電車が止まりました。アナウンスによると突然の集中豪雨で線路が崩れたのでこれ以上進む事が出来ないとのこと。そこでかなり長い間立ち往生しましたが、結局ウエストポート駅に引き返し、そこでバーモント州から来るバスを待ち、そこからはバスに乗ってモントリオールに向かう事になりました。

写真は洪水で立ち往生し、2時間以上も過ごす事になったウエストポート駅での風景です。
すごく長い間足止めを食らっていたにも関わらず、鉄道会社の素早い対応のおかげで、モントリオールに着いたのは予定よりも2時間遅れくらいでした。駅からはジャズフェスティバルのスタッフの運転でホテルに移動。かなり疲れましたが近くのレストランで遅い夕食をすませ、フェスティバルの会場にも足を運び、それから翌日の演奏に備えてホテルに戻りました。

無事に到着したモントリオールのホテルからの夜景です。
翌朝は心配されていた天候もよく、朝からフェスティバル会場を散策。興味深かったのは、過去にフェスティバルに出演したミュージシャンの衣装や譜面などを展示しているギャラリーでした。そこにはマイルス・デイビスの衣装、
デイブ・ブルーベックの直筆の譜面、エラ・フィッツジェラルドの衣装、オスカー・ピーターソンの直筆の譜面、そしてパット・メセニーの赤と白のTシャツ(衣装だと思います)などが展示されていました。
会場の至る所にポスターが張ってあり、ジョージ・ベンソン、ビル・フリーゼル、ジョン・アバークロンビーやピーター・バーンスタイン、カート・ローゼンウィンケル、ライオネル・ルエケ、チャーリー・ハンターなど、錚々たるジャズギタリストに混じって、Nobuki Takamen (Japon)という名前を見つけて、なんだか嬉しいと同時に、自然と気合いが入りました。(フェスティバルによると今年は日本人では唯一だったみたいです)
演奏は夜9時からだったのですが、サウンドチェックの時間が少し早めの3時半から2時間とってありました。ギターとピアノのデュオだったのですぐに音作りも終わり、空いた時間に朝に一人で訪れたギャラリーにメンバーと行く事にしました。そこでなんとメンバーがびっくりする発見をしました!!
エラ・フィッツジェラルドの豪華な衣装や譜面などに混ざって、なぜか彼女のかつらも展示されていました・・・。ある意味では貴重だとは思いますが、敢えて展示するということに少し戸惑いながらも写真に収め、ギャラリーを後にしました。
サウンドチェックの後はホテルに戻り、セットリストを準備したり、そして実は密かに6月から始めたフランス語の練習をしたりして自由時間を過ごしました。
そしていよいよ入りの時間になり、モントリオール国際ジャズフェスティバルの会場に向かうことに。その4に続く・・・。

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