2005/7/29
昨日の夜、松紳をみてたんですけども、なにやらメルヘンなお話(感動するお話)が松本人志と島田紳助の間でブームらしく、番組で募集してました。そんで、俺もテレビ見ててそんな感じの話を思い出したので、書こうかなと。
俺は今の飲食店をする前までは、某進学塾の講師をやってました。俺がその塾で指導を始めてすぐくらいでしょうか、ある私立中学を受験するという、小学六年生の女の子の算数の授業を受け持つことになりました。
俺の受け持つ前まで担当していた先生曰く、算数が大嫌いらしく、内気で、かなり手のやける生徒だと言うことなので、俺は覚悟して受け持つことにしました。それはおととしの初秋のことです。
担当して2〜3週間経過。やはり、全く心を開いてくれず、俺の話を聞いてくれそうにありません。
どうやったら算数を好きになってくれるのかな…。
大学の講義中もそのことばかり考えてました。大学の講義のノートを取りつつ、その隣には彼女用のテキストを開いて、教え方を思いついてはメモってました。
それから季節は晩秋へ。あと2〜3ヶ月後には私立中学受験が控えています。その頃から、その生徒と俺との関係は変わり始めました。あれだけ内気だったその子が、だんだん話しかけてくれ始めたんです。授業の始まる前も、初めは俺が挨拶しても、無表情で首をコクリと動かすだけだったんですが、その頃から、笑顔で挨拶を返してくれるようになりました。
このことは、当時の塾の教室長も驚いてたほどです。
それからも、その子にわかりやすく教えられるように、毎回できるだけ簡単な言葉を選んで、たくさんの絵を書いたりして指導して行きました。
そして受験前のテストで、とうとう彼女は、教室内での算数の成績1位を獲得しました。
『やったね!○○ちゃん!』
「先生のおかげだよ!算数今まで大嫌いだったのに、先生に教えてもらってから算数好きになったんだよ!」
…このとき、これまで努力しててよかったなって正直思いました。
それからもずっと指導し続け、彼女は無事私立中学に合格しました。
しかしその頃、俺は教室長の経営方針と対立して言い争いをし、その年度一杯で塾を去ることを決めていました。
そして三月のある日、俺にとってその塾での最後の指導の日。偶然にも、その日にその女の子の授業を受け持つことになっていました。
そのことを女の子は知らずに、いつもどおりに授業を受けていました。そして、いつものように次の日までの宿題を渡した後、女の子はいつもと変わらない笑顔で、こういいました。
「あのね、先生。先生は私が中学に入っても、私に数学教えてくれるんだよね?」
『…ん?どうして?』
「中学に入っても教えてほしんだもん!先生の授業は受けてて楽しいから」
『…そうだね。教室長にお願いしておこっか。』
何もいえませんでした。塾をやめることについて唯一後悔した瞬間でした。
それからバイトをやめて、いままでずっと飲食店で働いてますが、たまに今でも、その子はどうしてるかなって思うときがあります。
たまたま店長と昔の職場について話をする機会があったので、この話をすると、店長は、涙目になってました。
まぁそんな経験もしてるんで、先生になりたい夢ってのは今も変わらずにあるわけですな。
というわけで、長文の上、乱筆乱文失礼いたしました。
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俺は今の飲食店をする前までは、某進学塾の講師をやってました。俺がその塾で指導を始めてすぐくらいでしょうか、ある私立中学を受験するという、小学六年生の女の子の算数の授業を受け持つことになりました。
俺の受け持つ前まで担当していた先生曰く、算数が大嫌いらしく、内気で、かなり手のやける生徒だと言うことなので、俺は覚悟して受け持つことにしました。それはおととしの初秋のことです。
担当して2〜3週間経過。やはり、全く心を開いてくれず、俺の話を聞いてくれそうにありません。
どうやったら算数を好きになってくれるのかな…。
大学の講義中もそのことばかり考えてました。大学の講義のノートを取りつつ、その隣には彼女用のテキストを開いて、教え方を思いついてはメモってました。
それから季節は晩秋へ。あと2〜3ヶ月後には私立中学受験が控えています。その頃から、その生徒と俺との関係は変わり始めました。あれだけ内気だったその子が、だんだん話しかけてくれ始めたんです。授業の始まる前も、初めは俺が挨拶しても、無表情で首をコクリと動かすだけだったんですが、その頃から、笑顔で挨拶を返してくれるようになりました。
このことは、当時の塾の教室長も驚いてたほどです。
それからも、その子にわかりやすく教えられるように、毎回できるだけ簡単な言葉を選んで、たくさんの絵を書いたりして指導して行きました。
そして受験前のテストで、とうとう彼女は、教室内での算数の成績1位を獲得しました。
『やったね!○○ちゃん!』
「先生のおかげだよ!算数今まで大嫌いだったのに、先生に教えてもらってから算数好きになったんだよ!」
…このとき、これまで努力しててよかったなって正直思いました。
それからもずっと指導し続け、彼女は無事私立中学に合格しました。
しかしその頃、俺は教室長の経営方針と対立して言い争いをし、その年度一杯で塾を去ることを決めていました。
そして三月のある日、俺にとってその塾での最後の指導の日。偶然にも、その日にその女の子の授業を受け持つことになっていました。
そのことを女の子は知らずに、いつもどおりに授業を受けていました。そして、いつものように次の日までの宿題を渡した後、女の子はいつもと変わらない笑顔で、こういいました。
「あのね、先生。先生は私が中学に入っても、私に数学教えてくれるんだよね?」
『…ん?どうして?』
「中学に入っても教えてほしんだもん!先生の授業は受けてて楽しいから」
『…そうだね。教室長にお願いしておこっか。』
何もいえませんでした。塾をやめることについて唯一後悔した瞬間でした。
それからバイトをやめて、いままでずっと飲食店で働いてますが、たまに今でも、その子はどうしてるかなって思うときがあります。
たまたま店長と昔の職場について話をする機会があったので、この話をすると、店長は、涙目になってました。
まぁそんな経験もしてるんで、先生になりたい夢ってのは今も変わらずにあるわけですな。
というわけで、長文の上、乱筆乱文失礼いたしました。

投稿者:にっすぃー@bass