日本以外全部沈没  DVD・ビデオレビュー

見た日/1月某日 ★★★

このブログにいつもコメントを寄せていただいている、享年41歳さまのススメで早速鑑賞。正直、本当にくだらない、けど本当に面白い!!

この映画、「ヅラ刑事」「いかレスラー」など、とーってもくだらない映画をまじめに作り続けている、河崎実監督の作品だ。

昨年、「日本沈没」のリメイク公開を受け、筒井康隆氏の同名パロディ名作を映画化した、大胆にしてくだらない企画だが、これがきちんと作られ、劇場で全国公開される日本映画界は健全なのかもしれない。

ある意味、昨年ハリウッドで製作・公開された「チーム・アメリカ/ワールドポリス」に通じるものがある。

河崎監督というと、僕にとって印象的なのは「地球防衛少女イコちゃん」と「電エース」で、どちらも特撮物の脱力系必至のゆるゆるのお話。河崎監督は美少女好きの特撮オタクという、とてもじゃないが女の子にモテそうもない印象を作品からは受けるものの(僕もそうなのだが)、自ら歌う「電エース」の主題歌を聞くと歌も上手だし、なかなかの二枚目だ。

イコちゃんもくだらないが、電エースもくだらない。この映画にも「電エース」は重要な役で出てくるが、ビールを飲んで気持ちよくなると変身するヒーローなんて、なんて不謹慎でくだらないヒーローなんだろう!!!

「いかレスラー」なんて、どう見ても「えびボクサー」のパクリなのだが、本家をぶっ飛ばすほどくだらなくて面白い。

で、で、この映画だが、日本以外が沈没して、多数の外国人が日本に押し寄せ、やがて国内であふれた「ガイジン」は、政府の特殊部隊GAT(ガイジン・アタック・チーム=無論、帰ってきたウルトラマンの怪獣退治チーム「MAT(モンスター・アタック・チーム)」のパロディね)によって排除される、というスゴイ内容。

一応、日本の排他主義や全体主義、国家主義なんかを批判した文明論的な映画、と見れないこともないが、実際の映画は正直、かなりくだらない展開でゆるゆる。でも役者の芝居はまじめできちんとしているし、特撮シーンはなかなかの出来なのだ。

かつて「日本沈没」の映画版で主人公を演じた藤岡弘、氏とテレビ版で主人公を演じた村野武範氏が共演している点も、原典へのオマージュを感じる。藤岡弘、氏が国家主義的な防衛庁長官役、というのもなかなか笑えない配役で笑える。

あと、先日亡くなられた実相寺昭雄監督が監修を手がけていて、美術監督は実相寺組の常連・池谷仙克氏だったり、日本以外の沈没を予言する田所博士(原典と同じ名前のところがよい)役はやはり実相寺組の常連・寺田農氏だったり、こんなところにも河崎監督の思い入れを感じる。

スピルバーグが時代劇の監督をしたり、ブルース・ウィリスがバーで銃を乱射したり、トム・クルーズが風俗店のポン引きをしたり、韓国と中国の首脳が神社に参拝して「心が洗われました」と首相にゴマをすったり・・・と、まあすごい。

この映画を見て、河崎監督の新作「ヅラ刑事」が早く見たくなった。主演のモト冬樹氏がカツラを飛ばす向きを監督が真剣に論じていて、ものすごいくだらないことを大の大人が真剣になっていることに感動した、と言っているのをたまたまラジオで聞いたが、その監督の精神は、この映画「日本以外全部沈没」でも大爆発している。
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2007/2/12  7:59

 

小松左京の『日本沈没』をパロった筒井康隆の原作を、『日本沈没』リメイクに便乗して初めて映画化したもの。
ところがかなりこっ酷い評価を受けた本家を尻目に、こちらは口コミで評判が広がって大ヒット。当初はレイトショーのみだった劇場も、遂には終日上映に切り替え... 




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