県庁の星  新作レビュー

見た日/3月某日 ★★
 まあまあ、面白かったが、ちょっと前のフジテレビのドラマ「お金がない!」を思い出した。出来のいいテレビドラマ、という域は出てない、かな。
 まあ、万人向けだから仕方ないが、官と民の癒着、お役所仕事の実態、いい加減なスーパーといった描き方が、全て紋切り型でよく見られるものばかり。主人公たちが取り組む改革の内容も、目新しいものはあまりなく、そこら辺りに「へー」と思うものがもう少しあった方がいいかな、という感じ。
 県庁の記者クラブで働いた経験があって、実際に公務員の方がスーパーで一年間研修しているのを取材したこともある。そういう経験から見ると、ちょっと物足りない。知事に酒井和歌子、県会議長に石坂浩二、というのも魅力的なキャストだけに、ちいと惜しい。
 でも、織田裕二のヒーロー振りは絵になるし、同じ演説をしても、「燃ゆるとき」の中井貴一よりは感情移入もできて好感が持てる。柴崎コウはきれいだったが、ノーメイクのブス顔で演じた「メゾン・ド・ヒミコ」の柴崎コウの方が正直、魅力的だった。
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SPIRIT  新作レビュー

見た日/3月某日 ★★★
 ジェット・リーは「ワンス・ア・ポンナ・チャイナ天地大乱」のころから大好きだが、ハリウッド進出以来、「どーしちゃったのかなー」と思っていただけに、久し振りにこの作品でそのアクションの切れの良さにホレボレしてしまった。
 この映画、非常にストレートな伝記物で、物語も単純で分かりやすい。が、とってもいい!泣ける!監督は快作「フレディVSジェイソン」の人だが、演出やカット割りもカッコいい。
 後半、中村獅堂が登場してからのクライマックスのアクションの切れが落ちるので星は3つにしたが、この手の映画を少年時代から見続けてきた身としては、素直に感動!である。
 確かモデルになっている人は、ブルース・リーが「ドラゴン怒りの鉄拳」で演じた人と思ったが、調べてみると、あれはモデルの先生の弟子、という役どころだったようだ。でも、「ドラゴン〜」は日本人武道家は完全な悪役だったので、今回、義理を重んじる侍として描かれている中村獅堂を見ると、時代も変わったな、と思う。ただ、昨今の日中情勢を考えるに、中国側が日本人武道家を好意的に描いている点は素直にうれしい。
 
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ドラえもん のび太の恐竜2006  新作レビュー

見た日/3月某日 ★★★★
 ドラえもんに星4つ捧げるとは思わなかったが、劇場用第一作の脚本にもなった藤子・F・不二雄先生の原作長編マンガに忠実ながら、クオリティの高い背景画と、現代的な間の演出、音楽がよくマッチしていて、1時間55分という幼児対象のアニメとしては長尺ながら、本当によくできた作品に仕上がっている。
 とくに後半、のび太たちが歩いてピー助を日本に連れて帰ろうと決意する当たりから、仲間たちの友情を強調していて泣かせてくれる。今回、ドラえもんは「暖かい目で見守る」ことに徹底していて、前半「暖かい目」を具体的に見せてくれるのも笑えるが後半への伏線にもなっていて効果的だ。
 ドラえもんの映画シリーズは初期作品に傑作が多く、マイベストは「のび太の宇宙開拓史」なのだが、この「のび太の恐竜2006」はまた違った意味で赴きのある、いい作品だった。5歳の息子もお気に入りだったようだ。
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真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝殉愛の章  新作レビュー

見た日/3月某日 ★★★
 「お前はもう、死んでいる!」が懐かしい、北斗の拳。
 原作マンガは一応読んではいるが、熱心なファンではなかったし、テレビアニメ版も数回見たていど。だが、この映画版は面白かった。
 世界観はマッドマックス+クンフーアクションで、物語展開はベタベタの嵐なのだが、ケレン味たっぷりの世界とストレートなメッセージは見ていてイヤじゃない。原作者たちが製作会社まで作って制作した映画だけあって、物語やキャラクターへの愛情が感じられ、好感が持てた。
 物語はこれから映画、Vシネと続くそうだが、この映画はこの映画でよくまとまっている。ただ、作画が乱れている場面が一部あったのが惜しいかな。阿部寛のケンシロウはなかなかよかった。神谷明よりよいかも?
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DVD「消しゴム」&「ヒミコ」  DVD・ビデオレビュー

昨年見逃した作品を中心に、DVDを見たのでその感想を…。

「私の頭の中の消しゴム」…見た日/3月某日★★★
  作品の評価、出来はイマイチでも、感情移入はしてしまい、涙は流れてくる、という典型的な映画だった。テンポの悪さ、病気や医者に対する無配慮な描き方、過剰な演出、と最近の韓国映画の欠点(でも、これが長所にもなる)が多いが、ヒロインの魅力と、前半のラブストーリーがよくて泣ける作品に仕上がっている。元の日本のテレビドラマは未見だが、見てみようかな?

「メゾン・ド・ヒミコ」…見た日/3月某日★★★★
  「ジョゼ虎」の監督・脚本家コンビ再び、ということで昨年から見たかったのだが、僕の住む地域では上映がなく、ようやく見れた。ああ、映画館で見たかったなあ、というのが最初の感想。こういう映画こそ、映画館で見るのと、家庭のテレビで見るのでは、全く印象が違ってくるはずだ。作り手の感性を身体いっぱいに浴びようと思えば、とくにこういう感性が鋭い作品は映画館に限るだろう。物語の展開的に後半?と思うところはあったが、オダギリジョーの色っぽさと田中泯の存在感、柴崎コウの魅力は秀逸だった。



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シリアナ  新作レビュー

見た日/3月9日 ★★★★
 久し振りの新作レビューです。
 ジョージ・クルーニー、マット・デイモンら、「チーム★アメリカ」でクソミソに叩かれた、アメリカリベラル派俳優総出演の問題作。
 でも、結構面白かった。話が複雑で入り乱れるので、ついて行くのが結構大変だが、リアルなドキュメンタリータッチでありながら、悪役は悪役顔の俳優さんが演じているのが結構おかしい。
 要は、大国アメリカが、自国の利益のためなら個人など簡単にひねり潰せるわい!というお話を中東の石油の利権を巡る争いで描いたのだが、こんな映画をメジャー会社で作り、公開できるのも、「チーム★アメリカ」と対極にある映画ながら、共通点もあったりして、ハリウッドの懐の深さを感じる。
 しかし、役づくりで誰だか分からなくなってしまった状態のジョージ・クルーニーおじさん、このあと、お金のためなら何でもする○バート・○・ニー○さんのようにならないことを、祈ろう。
 この人、バットマンだったのになあ。
 ちょっと真面目に言うと、9・11はハリウッドの諸作品に微妙な影を落としているように思うが、これは「自爆テロは仕掛けた方も悪いが、仕掛けられた方にも原因があるのでは?」とアメリカ自身が懐疑し、堂々と主張した作品としては、同じキャラクターの濃い人が出ていても、ドキュメンタリーでありながらドキュメンタリーに見えなかった「華氏911」よりは説得力もあって面白かった。
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2005年のベストテン  マイベスト

このブログ、劇場用映画のレビュー専用にしようと思って始めたのだが、2月は仕事が忙しくて映画館にはなかなか行けず、結局、映画まつわる僕の駄文ショーのようになってしまっている。でも、結構読んで頂いているようなので、ほんの些細でも、こういうブログを発信することで、もっともっといろんな人が映画を好きになってくたらいいな、と思う。
 で、日本アカデミー賞のことを書いたら、ちょっぴり昨年のことを回顧したくなったので、2005年の僕のベストテンを発表します。キネマ旬報の読者ベストテンに応募したものとは、ちょっぴり順位を変えています。とりあえずは日本映画を…。

1,「カーテンコール」
2,「四日間の奇蹟」
3,「樹の海」
4,「花と蛇2/パリ静子」
5,「ALWAYS三丁目の夕日」
6,「カナリア」
7,「パッチギ!」
8,「タッチ」
9,「亡国のイージス」
10,「男たちの大和」

 こうして並べて見ると、「日本アカデミー賞は偏っている!」と書きながら、自分の好み、感性も偏っているなあ、と実感。でも、昨年の日本映画はなかなかバラエティ豊かな作品が多くて楽しめた。1位の「カーテンコール」は7度鑑賞したが、見れば見るほど心に突き刺さってくる稀有な作品だった。
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日本アカデミー賞  映画つれづれ

  昨日、第29回日本アカデミー賞の授賞式があった。日本の映画賞もいろいろあるが、テレビ中継があって、“アカデミー”という名前もあって、まあ一般的にはこれが一番知られた映画賞、と言えるだろう。ノミネート作品も、投票権を持つ映画関係者がメジャー映画会社の関係者が多いからか、どうしてもメジャー系娯楽作品に偏りがちで昔から批判も多い。
が、しかし、日本映画の復興、普及という点ではこの賞が果たしてきた役割は大きい。日本映画冬の時代、この賞が全国にテレビ中継されることで日本映画界が助かった、という面は多大だったのではないか。90年代以降、シネコンによる多スクリーン時代を迎え、東宝、松竹、東映の3大メジャーが自社製作と邦画配給に力を入れ、日本映画が再び盛り上がってきた昨今、お祭り的要素が高いとは言え、この賞の持つ役割はますます大きい。
 昔は中継を見ていても、授賞した監督も俳優もどこか冷静で、あまりうれしそうではなかったが、最近はどの受賞者もうれしそうで、涙ぐむ人も多い。これもこの賞が映画関係者の中でも市民権を確立した、という証だろう。
 ただ、メジャー作品に偏りがちのは仕方ないにしても、もう少し独立系の秀作もノミネートされるよう、(今年度なら「メゾン・ド・ヒミコ」や「いつか読書する日々」「火火」とか)関係者の努力がほしい。今年はシネカノン配給の「パッチギ!」が入ったが、これは井筒監督のキャラクターによる話題性から入った、という印象が強い。
 で、今年の結果だが、予想通り、「ALWAYS」の独占。個人的には、監督賞だけ「パッチギ!」の井筒監督で、あとは全て「ALWAYS」かと思ったが、最優秀主演女優賞だけ「北の零年」の吉永小百合だった。昨年も「血と骨」一色かと思ったら、「半落ち」が作品賞、同作品の寺尾聡が男優賞で東映が意地を見せたが、今回も東映が一矢報いる形になった。
 今年は1時間遅れの編集ではなく、リアルタイムでの中継だったようだが、毎年不満なのは中継がスタジオのトークが多すぎで、最後は授賞者のインタビューをきちんと聞かせてくれないこと。それに美術賞や音楽賞、編集賞、撮影賞など、確かに地味だが、映画の裏方さんの授賞もダイジェストではなく、きちんとインタビューも交えて伝えてほしい。無理かもしれないが、そこまできちんとしてこそ、この賞が名実ともに一般の視聴者層から“日本映画最高の栄誉”として讃えられるようになる、と信じたい。
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