映画クレヨンしんちゃん伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!  新作レビュー

見た日/4月某日 ★★★
 映画「クレヨンしんちゃん」は侮れない!と最初に何かの映画雑誌で読んだのは、数年前のように思う。「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」が「泣ける!」「日本映画史上最高の傑作」「アニメを超えた名作」のように評されていて、ホンマかいな?と思いつつも、何故か触手が動かなかった。が、しかし、2年ほど前、ついにビデオで「オトナ帝国」を鑑賞!確かにこれは傑作だ!本当によくできている。しんちゃんの行動、ギャグは無邪気で子供の本能そのまま、そのものなのだが、「オトナ帝国」では、未来に絶望した大人たちが過去に生きがいを見出し、ノスタルジーいっぱいのオトナ帝国を作ろうとするのに対して、しんちゃんたちは「未来に生きる」子供の本能で対抗する。そして父親のひろしたちも、家族として、子供と未来に生きることを選択する。その選択を決断する理由もまた、家族との「思い出」だった…。何とこの重層的で、深い作り!ノスタルジーだけに終わらず、未来への希望も感じさせる点では、ALWAYSよりよっぽどいい。

 で、今回の映画だが、監督交代後、ちょっとパワーダウンした感はあったが、今回も鋭い社会風刺と、家族の信頼という隠れテーマは健在。ホラー仕立てが一部不評を買っているようだが、都市伝説、つまり噂話が人間の信頼を崩す、というテーマは秀逸で興味深かった。そしていつの間にか親しい人が偽者に成り代わっているという怖さ。
 ラスト近く、父親のひろしが人生そのもののアイデンティティーを敵の組織から問われるシーンは秀逸。「オトナ帝国」ほどではなく、サラリとはしているが、家族や友人同士でも信頼することが難しい世の中で、信じることの大切さを謳っている。
 常に「クレしん」映画は「子供は分かるのか!」と言われるが、最近、親以上にしんちゃんにはまりまくっている僕の5歳の子供は怖がらずゲラゲラ笑っていた。ラストのオチが今ひとつだったので★は三つにするが、なかなかの佳作でした。
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