今村昌平監督逝去  映画つれづれ

 今村昌平監督が亡くなられた…。

 日本映画界、いや、世界の映画界にとって、大きな損失だろう。今村監督の凄さは、晩年になっても尚、否、晩年になればなるほど、それまでの作品群を凌駕するエネルギッシュな作品を生み続けていたことだと思う。

 黒澤明でさえ、晩年は作品が放つエネルギーがなくなっていったのに、今村監督の作品は最後の最後まで作品に「人間が生きるエネルギー」に満ち溢れていた。とくに「うなぎ」「赤い橋の下のぬるい水」などは、人間が生きる根源の1つである「性」を追求していて、その表現力には驚いた。

 「にっぽん昆虫記」も「復讐するは我にあり」も「女衒ZEGEN」も「カンゾー先生」も「ええじゃないか」も、全て人間の生と性を描き、「生きる」という根本を描いていた。今村監督の映画を見ると、なぜだか元気になるのだ。どの作品にも漂う優れたユーモア感覚も作品の特徴だった。姥捨て山を描いた「楢山節考」も、寂しい映画ではなかった。

 遺作は短編だったらしいが、「うなぎ」「カンゾー先生」「赤い橋の…」でまた新しい境地を見出していただけに、また、猥雑で人の生と性が満ち満ちた長編作品が見たかった、と思うのは僕だけじゃないだろう。

 今村監督のご冥福を心から祈りたい。
 
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