魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー  DVD・ビデオレビュー

見た日/最近 ★★★

 めでたいことで、東映のスーパー戦隊シリーズが今の「轟轟戦隊ボウケンジャー」で30作目を迎えた。このシリーズは、時代劇〜アクションと続く東映の歴史を踏まえた子供向けのヒーロー番組であり、研究すると、実に面白い面がある。その辺りは、このブログで新たに設けた「トクサツ魂!!」のカテゴリでいずれ詳しく論じたい。

 さて、このシリーズでは、シリーズ終了直後、Vシネマで現役戦隊と前戦隊の共演物をリリースする、というのが定番になっている。この「魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー」は現時点でのこのシリーズの最新作だ。

 「デカレンジャー」も「マジレンジャー」もテレビシリーズはかなり面白かったものの、劇場版は両作品とも出来が今一つだったのでこの「VS版」は心配したが、特にデカレンジャーのファンだった人にはたまらない内容になっていて、非常に面白い仕上がりになっている。

 これも脚本が「デカレンジャー」メイン作家だった荒川稔久だった点が大きいだろう。物語は現役のマジレンジャーよりデカレンジャーの方が中心で、家族戦隊であるマジレンの世界観を借りて、デカレンの刑事たちが、それぞれ「自分にとって家族とは何か?」を問い、結論を出す、という展開は秀逸だ。

 スーパー戦隊シリーズは政府など公共組織よりは民間の戦隊が多く、敵が出ているのにどうして軍隊も警察も出てこないの?てな調子なのだが、デカレンジャーはヒーローたちを「警察官」と位置付けたため、このシリーズでは珍しく、ある程度リアルな物語が描けた。

 また「太陽にほえろ!」「特捜最前線」などの設定、物語をインスパイアし、上手く昇華させたこともドラマをふくらませた要因だろう。犯罪者VS警察というドラマは物語も作りやすかったのか、キャラクターの性格付けも明確で、テレビシリーズはどの回も傑作が多かった。

 マジレンジャーも家族が一致団結する後半は面白かったが、ここ10年の中ではやはり圧倒的にデカレンジャーの完成度は高かった。だからこのVS版でも現職よりデカレンジャーに物語のシフトが行くのは仕方ないだろう。

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TAKESHI,S  DVD・ビデオレビュー

見た日/5月某日 ★★

北野武監督の世界観は嫌いではない。

デビュー作「その男、凶暴につき」は衝撃的だったし、「あの夏いちばん静かな海」は大好きだし「ソナチネ」も好き。「HANABI」もよかった。でも、この映画はちょっと辛かった。

「難解」「斬新」という評価もあったが、感覚としては「3−4x10月」と「HANABI」の間を行くような、おなじみの北野監督の世界。暴力と笑い、微妙な間がストーリーとは言えない世界の中で散文詩のように散らばっている。

決して映画の間は退屈しないし、ハッとする部分もあるが、北野監督の感性が映画の中で一人歩きしているのか、見ているこちらの感情の波が動かない。ポルノでもSFでも、芸術系でも、ストーリーがあってもなくても、やはり映画は「人間」を描いてなんぼのものだろう。どんな映画でも、観客の感情が動かないと、やっぱり辛い。

ただ、岸本加世子と、松村・内山コンビの存在感は印象に残る。
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ダヴィンチコード  新作レビュー

見た日/6月某日 ★★

 うーむ…。ロン・ハワードは好きな監督さんだが…。原作本はハードカバー上巻の途中で挫折したので、原作云々は言えないが、多分、監督、脚本家も、原作にこだわり過ぎ、振り回されたのではないだろうか。

 推測だが、「亡国のイージス」で寺尾聡扮する艦長が、恐らく原作では詳細に描かれ、説得力があったはずであろうクーデターを起こす理由が映画ではさっぱり分からなかったのと同じく、この映画ではトム・ハンクスの学者も、ヒロインの「アメリ」の女性学者も、ナゾの暗殺者も、ジャン・レノの警部も、多分原作では人間像が深いはずなのに、この映画では物語を描くのが精一杯なのでキャラクターが中途半端になっちゃった。

 「絵画に隠された歴史のナゾを解く」物語なのだから、ナゾ解きの部分が弱いと、どうしようもない。活字で読めばワクワクするのだろうが、映画ではその辺りが早口での説明になってしまった。

 この映画で語られる歴史のナゾが、キリスト教圏に生きる人と我々東洋人とでは受けるインパクトも興味も違うから無理もないが、サスペンスとしても今ひとつ、という感じだった。

 ただ、後半のサスペンスの盛り上げ方とルーブル美術館やヨーロッパの風景など、ところどころ見応えはあり、ロン・ハワード監督も力量を見せる。

 そう言えば、僕の好きなロン・ハワード監督作品は何だろう?トップは「シンデレラマン」か「バックドラフト」、次に「アポロ13」かな。
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