2006年総括・2/日本アカデミー賞  映画つれづれ

2006年公開の映画を評価する各「映画賞」が出揃ってきた。
日本の映画ファンの間ではもっとも信頼されていると思われる、キネマ旬報ベストテンも決まったようだ。僕は読者のベストテンこそ、目の肥えた映画ファンによる信頼できるベストテンと思うが。

そんなこんなで、日本映画界ではかなり大きなイベントになっている日本アカデミー賞も2月の最優秀賞発表が近づいてきた。

今年のノミネート作品だが・・・公式HPによると、主なものは次の通りだ。

[最優秀作品賞ノミネート]
・明日の記憶
・男たちの大和/YAMATO
・THE有頂天ホテル
・武士の一分
・フラガール

[最優秀監督賞ノミネート]
・佐藤純彌 「男たちの大和/YAMATO」
・中島哲也 「嫌われ松子の一生」
・三谷幸喜 「THE有頂天ホテル」
・山田洋次 「武士の一分」
・李相日 「フラガール」

[最優秀主演男優賞ノミネート]
・オダギリジョー「ゆれる」
・妻夫木聡 「涙そうそう」
・寺尾聰 「博士の愛した数式」
・役所広司 「THE有頂天ホテル」
・渡辺謙 「明日の記憶」

[最優秀主演女優賞ノミネート]
・檀れい 「武士の一分」
・長澤まさみ 「涙そうそう」
・中谷美紀 「嫌われ松子の一生」
・樋口可南子 「明日の記憶」
・松雪泰子 「フラガール」

[最優秀助演男優賞ノミネート]
・大沢たかお 「地下鉄(メトロ)に乗って」
・香川照之 「ゆれる」
・笹野高史 「武士の一分」
・佐藤浩市 「THE有頂天ホテル」
・松山ケンイチ 「デスノート 前編」

[最優秀助演女優賞ノミネート]
・蒼井優 「男たちの大和/YAMATO」
・蒼井優 「フラガール」
・富司純子 「フラガール」
・もたい まさこ「かもめ食堂」
・桃井 かおり 「武士の一分」

てな具合だが、「日本アカデミー賞」で僕が?と思っている点は以前にも書いた。

「日本アカデミー賞」の協会会員は、日本映画製作者連盟加盟の大手映画製作・配給会社、すなわち東宝や松竹、東映などの社員や関係者が多く、毎年、メジャー系作品に偏る傾向があり、その映画会社の組織票に左右されやすい、という話がある。

だから、単館系の良質な作品がなかなかノミネートされない。それに、日本テレビが中継しているからなのか、日テレが製作に関わっている評判の映画が出てきた年は、なぜか必ずその映画が主要な賞を独占する。(「ALWAYS〜三丁目の夕日」や「ShallWeダンス?」など)

でも、この賞は全国にテレビ中継される、唯一の日本映画の賞で、一般の認知度はもっとも高い。「アカデミー」という名前を含め、一般への権威付けという意味ではその存在意義は大きい。今、日本映画が空前の好調ぶりを見せているからこそ、良識ある判断でぜひ、この「日本アカデミー賞」を選んでほしい、と思う。

今年のノミネートを見ても、多少の疑問はある。シネカノン配給で各賞独占の「フラガール」が作品賞に入っているのは評価できるが、昨年の「パッチギ!」同様、最優秀作品賞は難しいだろう。もし、「フラガール」が選ばれれば、多くの投票権を持つ方々は自社作品に投票しなかった、ということになるので、そうなったら画期的だが、まずないだろう。

まあ「フラガール」は製作委員会にテレビ局が入らなかったのに大ヒットした興行的には画期的な作品だが、作品的にも高く評価され、一般の映画ファンにも熱烈に支持された作品なので、無視できなかった、ということかもしれない。

作品の評価がすこぶる高かった「ゆれる」も、主演男優賞、助演男優賞でオダギリジョー、香川照之が選ばれてはいるものの、作品賞、監督賞のノミネートはなし。これも、単館系の弱みだろう。他の映画賞で監督賞や主演男優賞などを多く受賞している「雪に願うこと」などは、主要な賞ではその作品名すら見かけない。逆に、今年も作品の評価的に?と思う作品がいくつか主演男優賞や主演女優賞がノミネートされている。もちろん、そういう作品はバリバリのメジャー系作品だ。

で、僕の予想だが、今年は山田洋次監督作で松竹勝負作の「武士の一分」があるので、多分これに集中するのではないか。毎年の「持ち回り」感から言っても、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞は「武士の一分」組で決まりだろう。波乱があるとすれば、主演女優賞で中谷美紀はありうるかも。

主演男優賞はキムタク辞退がニュースにもなっていたが、これは多分「明日の記憶」の渡辺謙で決まり。昨年の「北の零年」の吉永小百合同様、東映が一矢を報いるのでは、と予想。

あたらなかったらごめんなさいだが、個人的な心情で言えば、このノミネートから選ぶとすれば、作品賞は「フラガール」、監督賞は中島哲也or李相日、主演男優賞はオダギリジョー、主演女優賞は中谷美紀、助演男優賞は香川照之、助演女優賞は蒼井優なのだが・・・。
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