キネ旬ベストテン発表!  映画つれづれ

毎年、楽しみにしている「キネマ旬報」2月下旬決算特別号を購入した。

キネ旬は、中学時代から定期購読している唯一の映画雑誌。毎年発表される評論家による「ベストテン」もだが、読者の「ベストテン」が楽しみで、僕も投票している。

佐々部監督も公式HPで触れていたが、残念なのは、僕が応援し、昨年の日本映画ベストに推した「出口のない海」が読者ベストテン30位圏内に入ってなかったことだ。

監督は公式HPで「<伝える映画>を撮ろうとして、自分なりにベストを尽くした作品でしたが、観客の皆さんに思ったようには伝わらなかった」と言われ「反省すべき点は反省もして、次作への糧にしたい」と謙虚なコメントをされている。

僕が言うのも何だが、この映画は本当に秀作だと思うし、十分<伝わる>映画だと思う。僕にとっては本当に心から感動した作品だった。一昨年から昨年にかけ、派手な戦闘シーンを織り込んだ分かりやすい大作戦争映画が和洋問わず続いた中で、そうした作品群とは一線を画したものであったことが、全国的な大ヒットにならなかった要因の一つのように思う。

でも、この作品は山口県では大ヒットした。とくに僕の住む周南地域では連日大入りで、僕も何度か劇場に通ったが、多くの方が素直に感動されていました。確かにこの土地は「回天」の地元ということもある、地元放送局が心を込めて宣伝してくれたこともあるが、それだけで映画はヒットするものではない。後半は口コミで広がっていたし、客足がなかなか落ちなかったのは、ソフトがいいから、ということに尽きると思う。

そういう意味で、2月23日に待望のDVDが発売されるが、ぜひ、この作品がDVD化で多くの方に見てもらい、再評価されることを祈りたい。ただ、キネ旬の評論家による「ベストテン」では、日本映画学校校長で映画評論家の佐藤忠男氏、映画評論家の林冬子氏、日本映画復興会議代表委員で映画評論家の山田和夫氏がそれぞれベストテン内に選び、全体では41位。年間300本に及ぶ日本映画が公開される中での41位だから立派だと思う。

ちなみに、キネ旬における佐々部監督の過去作は「チルソクの夏」がベストテン9位、読者ベストテン10位、「半落ち」が読者ベストテン9位、「カーテンコール」が読者ベストテン8位で、如何に佐々部監督が質の高い作品づくりをしてきたかが分かると思う。それだけに今回の評価は続けて秀作を発表しているだけに残念なのだが、今年は期待作「夕凪の街 桜の国」が控えているし、賞レースにも期待したい。まあ、賞に入る映画がいい映画とは限らないが、好きな監督の作品が評価されるのはファンとしては素直にうれしい。

「夕凪・・・」は知り合いの某映画会社の宣伝部の方によると、「他社の作品ながら極上の出来」ということなので、本当に楽しみである。

ところで前出の評論家諸氏の「出口のない海」の評価だが、林氏は「博士の愛した数式」「明日の記憶」「武士の一分」と並べて「内容・時代設定が全く異なりながら、男性たちの生きざまをみごとに描いた作品」と評し、山田氏は戦後61年の今、「紙屋悦子の青春」などの作品とともに特攻で殺された青年たちを追悼する作品が登場したことを特記したい、と評している。

さて、今年のキネ旬ベストテンだが、読者も評論家も1位は「フラガール」なのには驚いた。読者ならともかく、評論家が「ゆれる」を抑えて1位だったのは意外。邦画が好調で、エンタテイメント作品に目が行くのはいいことだとは思うが、個人的には「フラガール」より「ゆれる」の方を買う。






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