禁断症状  映画つれづれ

「映画日記」とうたいながら恥ずかしい話ですが、仕事がたてこんでいて、全く映画が観れない!!新作レビューが書けません!!

じゃあ、過去の映画話を書けばいいじゃん!とも思うものの、ブログを更新する時間もままならずで、申し訳ない限りです。

いつもアクセスいただいているのに、すみません!

映画が見れない状態が続いて、もう、禁断症状が出ています!!

で、何とか時間をこじ開けようと思うと、見たい作品は不可能な時間に上映していて・・・。

この数日間は、夜中に普段はあまり見ないDVDを何本か借りてきて、見逃した作品をチョビチョビとチェック。そこでも「ああ、映画館に行きたい!」と断末魔のようになってしまう。

何とかこの数日の間にまとめ見するべく、いろいろ計画を立てている次第。あさってには広島ぐらいまで行こうかな、と思っています。

今月中には新作レビューを何本かは書きたいと思うので、どうぞご期待ください!!
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『夕凪の街 桜の国』山口から発信!!  映画つれづれ

「夕凪の街 桜の国」、ついに山口県でも上映が始まりました!

下関スカラ座は11日からすでに上映開始。
ワーナーマイカルシネマズ防府、テアトル徳山は18日からです!

山口県は、全国で広島、長崎に続いて3番目に被爆者が多く住む地域だそうです。また佐々部監督の出身地でもあります。そんな山口から、この映画を発信できたら、と思います。

たくさんの方にご覧いただければ、と心から思います。
それからこの映画のレビューは4月の試写会のときに書いたので、ずいぶん前になってしまいました。そこで、下にそのときのレビューを、若干削って再録します!

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見た日/4月13日 ★★★★★

 これは・・・傑作だ。僕がずっと応援してきた佐々部監督の作品ということを差し引いても、間違いなく、今年のベストワンだ。と言うより、恐らく僕の一生涯にわたっても、心に残る秀作の一本となった、言い切っていいだろう。

 この映画は、「ヒロシマ」や「原爆投下」を描いてきたこれまでの映画とは、一線を画した映画と言っていい。いわゆる「原爆」を扱ってはいるが、原爆の被害を直接描いた作品ではない。その影響を、様々な想いで描いた傑作は他にもあったが、この作品は戦争と言うより「原爆」すなわち「核兵器」がもたらした、人間の「業」の部分にも言及している、これまでにない稀有な作品になった。

 映画は、被爆から13年経ち、自分が背負いながら亡くなった妹への贖罪と、生き残ってしまった呵責で現実の幸せを受け入れられない26歳の女性・皆実が、同僚の男性との恋に揺れ、やがて原爆症で倒れる様を描いた「夕凪の街」と、皆実の弟・旭の娘で、現代に生きる活発な女性・七波が、意味不明な行動を繰り返し、突然広島に旅立つ父を追いかけるうち、自分のルーツを探し当てる「桜の国」の二重構造になっている。

 「夕凪の街」はストレートに悲しいお話なのだが、父と母のルーツに娘が迫る「桜の国」にとっても深い物語性があり、人の生き死にや家族の在り方を掘り下げていて、「夕凪の街」で描いた原爆の悲劇を更に際立たせ、原爆の被害がもたらした様々な影響を考えさせてくれる。

 もちろん原作のコミックが優れているのは当然なのだが、一読しただけでは複雑で理解しにくい物語を、佐々部監督は皆実と恋人・打越との関係をじっくり描き、皆実の最後を原作より劇的にすることで、より観客が感情移入しやすいよう料理している。また髪留めや写真など、映画ならではの小道具を効果的に使うことで、原作と同じ構図を持ちながら、観客が物語の全体像を分かりやすく理解できるよう工夫しているため、すうっと映画の世界に入れる。

 人が人の利益のため、人を殺す戦争。その戦争のため、ついに人は、人の遺伝子そのものをも破壊する恐ろしい兵器を作り出してしまった。その被害に人類史上最初に出会った人々の苦しみは、世代をも超える。しかし、それでも人は人を愛し、子孫を残す。まるで、「死ねばいい」と思われた殺意に背を向けるように。見えない絆によって繋がれ、誕生した「家族」は、悲しみや苦しみを超え、お互いを慈しみ、「生きる」のだ。

 「被爆」という苦しみは、戦後、薄れて行ったとは言え、日本全体に広がり、溶け込んでいる。その苦しみは、我々日本人全員にとっての「苦しみ」として受け取らなければならないし、絶対に忘れてはならないものだ。それは、仏教で言う「宿業」のようなものだ。ひとつの「街」の悲劇は、私たち全体の「国」の苦しみなとなって広がる。

 そして、我々は、戦争をはじめとする、様々な苦しみを乗り越えてきた祖父母や父、母から生まれ、ここに存在するのだ。どんな悲しみや苦しみがあろうと、人が人を愛する限り、人はまた生まれくる――。そんなことを、この映画は想起させてくれた。
 
 皆実役の麻生久美子の透明感と存在感が共存する重み、田中麗奈の意思の強い瞳からあふれる涙、無口な中に存在感が自然に出る堺正章、普通の女の子の中に、芯の強さを感じる中越典子、演技の技巧に情感を感じさせる伊崎充則、存在そのものに物語が背負う歴史を感じさせる藤村志保ほか、キャストのバランスの良さはもはや、奇跡的でもある。

 哀愁を帯びたメロディーと、癒しの旋律が、三拍子で交互に醸し出す音楽もまた秀逸。ハープの音色は物語の場面場面を美しく、悲しく彩る。これをわずか20数日間で撮ったという佐々部組は、驚異という他ない。「芸術を追求する監督より、与えられた予算と日程で面白いものを撮る職人監督でもありたい」と常々監督は言われているが、今作は、職人でありながら、芸術性も大衆性も兼ね備えた、見事な傑作になっている。

 完成披露試写会で監督が挨拶された「スタッフ、キャスト全員がこの作品に関わったことに誇りが持てた」という言葉がうれしがったが、佐々部作品を応援し続けてきた我々にとっても、この作品は「誇り」そのものになるだろう。


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トランスフォーマー  新作レビュー

見た日/8月某日 ★★★

僕が映画館で映画を観る、という行動にはまったきっかけになった作品は、洋画はスティーブン・スピルバーグの「ジョーズ」で、日本映画は野村芳太郎監督の「砂の器」である。いずれも小学校の高学年のときで、僕の人生に大きな影響を与えてくれた。

この2本がなかったら、今の僕はなかった訳だ。スピルパーグ、野村両監督には今も感謝、感謝。実はつい最近まで、この2本の映画はまるで逆の映画だ、と思っていたのだが、優れた映画というものはあらゆる面で共通している、と思うようになった。

それは、やはり「人間、いわゆるキャラクターをきちんと描いているかどうか」ということだ。「ジョーズ」でも、巨大サメが夏のビーチに現れるパニックを描いていても、その騒動に翻弄される人間たちのドラマを描いているからこそ面白いのだ。どんな娯楽映画でも、本当に面白いものは社会性が優れていたり、人の本質をついているようなものが多い。

「ジョーズ」で言うと、サメ騒動が起きて犠牲者が出ても、市長は観光産業への影響を心配し、サメの出現を黙殺しようとする。そこには自然の脅威に対する人間の傲慢のようなものが感じられ、そんなテーマ性が実はこの映画を一本筋の通ったものにしている要因だったりする。登場人物のキャラクターも豊かだ。件の市長しかりだし、サメ退治の中心人物ながら実は海嫌いの警察署長(この人が主人公)、ちょっと早口でせっかちだが警察署長の右腕となる海洋学者、己のカンしか信じない、無骨な漁師と、サメを巡る多彩なキャラクターたちが鮮やかに描かれているからこそ、あの映画は傑作なのだと思う。

スピルバーグ監督は、娯楽映画もシリアスな映画も、キャラクターを描くことが天才的だからこそ、どの映画も魅力的なのだろう。「ミュンヘン」でテロの報復から己の手を血に染めて苦悩しゆく主人公と、仕方なくも市民の生命を守るため、嫌いな海と格闘しながら最後は一人で人食いサメに立ち向かう警察署長は、全く違うシュチュエーションながら、どこか共通点を感じる。

で、この映画である。この映画はスピルバーグ印だが、監督ではなく製作である。監督はあの名作「チーム・アメリカ ワールドポリス」で「マイケル・ベイのパール・ハーバーはクソ映画」と美しいミュージカルシーンで歌われた、あのマイケル・ベイである。どのていどまでスピルバーグが関与しているのか知らないが、全体の雰囲気やキャラクター設定、物語展開などはなかなか巧妙で「スピルバーグらしい」と思った。

とくに、世界で何が起きているか分からないまま、怒涛の展開でロボットを見せまくる、スピーディーな前半が出色。この辺りは「バッドボーイズ」「ザ・ロック」の頃のマイケル・ベイを彷彿とさせる。演出の切れもよく「アルマゲドン」以降、大味でどうしようもない大作映画を作っていたベイ監督の面目躍如である。「アルマゲドン」なんて、後半はギャグとしか思えない展開で、「パール・ハーバー」に至っては僕も正直、ク○映画、と思う。CGシーンはすごかったが。

後半は出来のいい「インディペンデイスデイ」のようになるし、ようやく原作アニメの「トランスフォーマー」らしい展開にもなる。残念ながら日本版の「コンボイ総司令官」という呼び名ではないが、ロボット同士の会話シーンはユーモアもあって原作アニメを彷彿とさせてくれる。まあハリウッド版「ゴジラ」のように、アメリカ軍がとっても強くてカッコよくて大活躍するのだが、戦闘機や戦車がロボットに変形する、空想の「玩具」と、本物の戦闘機や戦車がリアル感たっぷり、がっぷり四つに組んで戦闘するシーンは男の子なら胸がワクワクするだろう。

戦闘シーンのCGは本当に見事で、実際の兵器とロボットの区別がつかない出来栄えはスゴイの一言。ちょっと前まではどんな優秀なCGも何となく周囲の映像と雰囲気が違ってソレと分かっていたのだが、この作品はCGと実写部分を比べても、まったく映像上の違和感がない。DVDで注意深く見れば気づくかもしれないが、劇場で違和感がない、というのはすごい技術と思う。

肝心の人間ドラマ部分のキャラクターの描き方、という意味ではもうちょっと頑張ってほしかったが、ちょっと気弱でオタクな高校生が主人公で、彼の成長物語に仕上げている点は好ましい。ロボットとともに主人公の少年が成長する、というパターンは「鉄人28号」「マジンガーZ」から「エヴァンゲリオン」に至るまで、日本のロボットアニメの伝統なので、その辺りを踏襲しているのはよし、である。まあ、もともと日本の玩具が原作だし、スタッフはかなり「マクロス」「ガンダム」(とくにマクロス!)など、ロボットたちの動きは日本のアニメを参考にしているな、と思った。

ロボットが変身直後、見栄を切るシーンなどは明らかにこれまでのハリウッド映画にはなかった動きで、日本のアニメそのものの表現だ。もともと日本製の「トランスフォーマー」に敬意を表しているのか、主人公がロボットたちに「絶対あれは日本製だ」と言うところはおかしかった。

まー予算的には勝負しようもないが、これら優れたロボットたちはせっかくの日本生まれだし、何とか日本製特撮でこれに負けないロボット物が作れないかな、と特撮オタクとしては思ってしまう。アメリカで放映され、大人気の火付け役になったアニメ版の「トランスフォーマー」も初期版は日本の東映動画(現東映アニメーション)製なのだ。「ガンヘッド」以来の日本製本格巨大ロボット実写映画が見たい、と思うのは僕だけではないだろう。




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『出口のない海』地上波登場!  ガンバレ!「出口のない海」

「出口のない海」が、8/19日の21:00より、全国テレビ朝日系の「日曜洋画劇場」にて、放送されるそうです!

終戦記念日の特別版として放送時間も延長されるそうで、これが地上波初登場です!残念ながら10分ほどカットはされるそうですが、ぜひ、この機会にご覧ください!

「夕凪の街 桜の国」が好調な佐々部監督ですが、この前作「出口のない海」でも、戦争をテーマにしながらも、同じように家族や人を思いやる気持ちを丁寧に描いています。

戦闘シーンが全くない戦争映画ですが、実物大の潜水艦セットを駆使した映像は迫力もあり、潜水艦映画として見ても見応えがあります。市川海老蔵さんの普段は見られない、抑えた演技も必見。またロケ地となった山口県の美しい風景も見物です。
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『夕凪〜』が総合満足度で1万本中4位に!  映画つれづれ

この間、サイト「映画生活」で、「夕凪の街 桜の国」が公開中の映画の満足度1位になったことは報告しましたが、全映画作品の満足度にすると、何と、「夕凪〜」は総合満足度4位になっていました!

http://www.eigaseikatu.com/rave1/?page=1

何せ、1万20本という、とてつもない中での4位ですから、これはものすごい数字です。

ちなみに、1位は「ショーシャンクの空に」、2位は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、3位は「天空の城ラピュタ」で、5位は「ローマの休日」!

佐々部監督、ウィリアム・ワイラー監督に勝利!!イーストウッド監督よりもスコセッシ監督よりも、スピルバーグ監督よりも、黒澤監督よりも、上位ということになります!

いやあ、こりゃあすごいことだ!この作品評価に続いて、最終的な興行成績もぐんぐん良くなることを心から期待しています!
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しんちゃんで「クゥ」のパロディが!  映画つれづれ

「オラとカッパと夏の終わりだゾ」

これ、8/31に放映される、「クレヨンしんちゃん」のサブタイトル。

http://www.tv-asahi.co.jp/shinchan/

しんちゃんが河童と出会い、友情をあたためる(!)というお話らしい。

これ、完全に「河童のクゥと夏休み」のパロディじゃありませんか!!

シンエイ動画、元社員の原恵一監督にエールを送ってるのか、塩を送ってるのか分からないけど、なかなか味なことをします。

まあ原監督も「河童の〜」はキネ旬で「しんちゃんがあったからこそできた」と発言しているし、主人公の家族構成などしんちゃんと共通点も多く、ある意味しんちゃんの進化系とも言える作品だから、こういうエールは微笑ましい。

「カッパ」というだけで多くの人は公開中の「クゥ」を思い出すだろうから、いい宣伝になるだろう。「しんちゃんって、実はスゲーぞ!」という噂が映画ファンの間に立ち始めたのは、原監督が担当を始めてからで、とくに「オトナ帝国」「戦国大合戦」の高評価はそれまでの「しんちゃん=低俗」という概念をくつがえした。

そういう意味では今回のパロディは今のスタッフの原監督へのオマージュかもしれない。これまでのテレビスペシャルでもあっと驚く質の高さと意外な面白さを発揮してきた「しんちゃん」、今回、本家にどこまで迫っているか、オンエアが楽しみだ。む
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『カムイ外伝』実写映画化!  映画つれづれ

しのびぃぐぁあー♪とおおおるうー♪けものお、みいちいーーー♪

今も耳を澄ますと、水原弘のねちっこくも、低いボイスの主題歌が耳奥からかすかに聞こえてくる僕だが(ホンマかいな)、何と、あの、忍者マンガの最高傑作「カムイ外伝」が実写映画化されるそうである!!

カムイは今をときめく日本映画界の新星、松山ケンイチ君が演じ、監督は崔洋一監督、脚本は何と、クドカンこと宮藤官九郎だそうだ。今年中にクランク・インし、来年2月にアップし、公開は2009年になるという。

崔監督の忍者アクションかあ。どんな感じになるんだろう。原作の「カムイ外伝」はベトナム戦争の影響もあるとか言われたが、なかなかハードな展開で、僕はアニメ版の「忍風カムイ外伝」が大好きで、先に書いた主題歌をよく歌っていたものだ。

そういう意味ではカムイが持つ追われる身としての宿命や忍者ゆえの孤独感や疎外感は、最近の「血と骨」などを見ていると、崔監督にはピッタリの素材かもしれない。アクションがうまくはまれば、面白いものになるだろう。監督にとって、アクション映画は「花のあすか組!」以来ではないか。

問題は脚本だが、独特な世界観を持つクドカンのセンスが崔監督のセンスとどう融合するか。クドカンは「正攻法で書く」と言っているらしいが、逆にまっとうな脚本になりすぎてクドカンの味を損ねると彼を起用した意味もないし・・・。

いずれにしても、楽しみ。この年は三池監督の「ヤッターマン」もある(はず)し、早く出来上がりが見たい。
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河童のクゥと夏休み  新作レビュー

見た日/8月某日 ★★★

#注意!!留意して書いてはいますが、多少、ネタバレが入っています!「これから見る」という方は注意してください。できれば鑑賞後に読まれることをオススメします。

いろいろなサイトでの評判がすこぶるいいので気になっていた作品。小学1年の長男が「見たい」と言うので、夏休み中の子供と2人で平日の昼間に鑑賞した。

見る前は、「E.T.」のような“泣ける”ファンタジーを想像していたし、実際ネットの感想も「号泣できる」なんてものが多かったのだが、実際に見ると聞くとでは大違い。

確かに感動はするし、後半は僕も泣いたが、ある意味、感動的なファンタジーなんて、とんでもない。この映画は、河童と少年の交流を暖かくも、厳しく、リアルに描いている。無垢な自然=河童に対して、文明に依存しなければ生きられず、自分の生活のためにことごとく自然を破壊し、状況によっては別人のようにさっきとは全然違う行動をしてしまう、身勝手きわまる人間を対比して徹底的に描くのだ。

その描写は、河童クゥを拾い、理解して友達になる主人公も例外ではない。

マスコミにクゥの存在がばれて注目され、彼と彼の家族はクゥを守るが、勤め先の義理で父親はやむおえずではあるが、クゥのテレビ出演を承諾し、テレビ局に向かう車の中で少年はテレビ出演にウキウキするのである。

クゥは自分を助けてもらった恩義からいやいやながらテレビ出演を承諾するのだが、スゴイのはウキウキする少年に対して、クゥがはっきりと違和感を感じるシーンだ。

それだけでは終わらない。他にもクゥと心が通じる飼い犬「おっさん」(こいつが泣かせるんだな)の過去の回想シーンや、冒頭のシーンも、正直児童アニメにしては残酷すぎる描写がある。また、クライマックス近く、飼い犬に関する重要なシーンにおいても、主人公の家族の行動に、ちょっと「?」と思ってしまう。

これらは正に「クレヨンしんちゃん」の「オトナ帝国の逆襲」「アッパレ!戦国大合戦」などで我々をアッと言わせた、原恵一監督の確信犯的な演出だと思う。

ETを友達に見せ、仲間全員でETを守る「E.T.」とは違い、主人公の少年はクゥを隠し通すことで孤立化し、いじめの対象にもなってしまう。

この辺りはリアルだが、この映画が優れているのは、そんなもともと正義感など強くない「普通」の少年が、クゥとの出会いを通して、きちんと人や自然が思いやられるよう成長する姿を、丁寧に描いている点だろう。その成長する過程を表現するためには、人間の残酷性や多面性を描くことは必要だったのだと思う。

138分という堂々とした長編大作で、間を生かした演出もいい。後半、ちょっと間延びしたので星は3つにしたが、今年のアニメ作品では抜群にいい。

そうそう、面白いのは「しんちゃん」とこの映画の主人公の家族構成が同じこと。そういう意味ではしんちゃんの進化系、その後の野原一家、という見方もできる。小さい子どもの描写、とくに幼稚園児の妹の言動が実にリアル。我が家の3歳になる長女を見ているようで、リアルでおかしく、可愛かった。
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