パーフェクト・ストレンジャー  新作レビュー

見た日/10月某日 ★★

出ました!今年、初めての星2つ。

今年はなかなか映画館に通う時間が作り出せない。それでも何とか都合をつけて、週に1〜2回は行っているが・・・。

夜はなかなか映画館に行けない。僕は4人の子どもがいて、みんなまだ小さいので、子育ては妻だけでは到底無理。風呂に入れたり、寝かせたり、いろいろと忙しい。

締め切り仕事の納期直前などは、家のこともできず、ただただ仕事に励むだけ。そんなときはこのブログの更新もなかなかできない。

だから、平日の午前中に時間を見つけて映画を観るようにしている。映画は自分で意識し、強い意志を持たないと観られない。それでも、映画館のあの空間は、僕にとって至福の空間なのだ。だから無理をしても映画館通いがやめられない。

観たくても僕の家の周辺でやってない映画も多い。今は「天然コケッコー」と「サッド・ヴァケイション」が観たくて仕方ない。広島や福岡に出かける時間もなかなか取れない。

という訳で、今年は面白くなさそうな映画は最初から敬遠しているから、その結果、自然と観た映画で評価が低いものはあまりない訳だ。

そんな中で、この作品の低評価なのだが、面白い、という人はいるだろう。「ラスト7分11秒まで、真犯人は絶対わからない。必ずあなたは騙される」というコピーに僕も騙された訳だが、確かにラストの展開はなかなか驚かせてくれた。

でも、そこにたどり着くまでのお話の展開に乗れなかった。ちょっとユルユル感があって、あんまりサスペンスフルにならないのだ。ハル・ベリーは美しく、彼女を見ていたら退屈はしないのだが、ラストのオチまでちょっと辛かった。

テレビの2時間サスペンスのような展開だが、ハル・ベリーの美しさと前半の展開にしっかり乗れれば、楽しいサスペンス映画ではある。


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皇帝のいない八月  名作・傑作を語ろう!

仕事でちょっと必要があって、30年ぶりにDVDを購入してこの作品を観た。

いやあ、面白いじゃん!!!

1970年代、日本はこういうパニック大作をブームに乗って次々と作っていた。

藤岡弘、主演の「日本沈没」「東京湾炎上」や山岳パニック「八甲田山」に、東映の「新幹線大爆破」など、みんな見応えがあった。

共通しているのは、重厚さ、という点だろう。面白い、面白くないは別として、どれも真面目に作っており、非常時における政府の対応を重く描き、現代社会の問題点や側面を描き出そう、というところでは一緒だ。当時の作品群に比べると、リメイク版「日本沈没」など、本当に軽い。

ただ面白い、だけに終わらせようとしてないのは、カツドウヤとしての、映画人の意地のようなものがあったのだと思う。それから、監督なり脚本家の思想というか、物の考え方がしっかりしている、ということだろう。

そういう意味では、この作品もそう。社会派の作品でいくつもの傑作を生み出している山本薩夫監督だが、どの作品も必ず政治権力批判が明確で、思想性が出ているにも関わらず、娯楽作品としても面白いのは、演出力が優れているからだと思う。「白い巨塔」も「華麗なる一族」もテレビより山本監督の映画版の方が面白い。

この映画、オープニングのパトカー炎上シーンからなかなか見せる。小さな事件が大きな事件に発展する展開はなかなか快調。ブルートレインをジャックした渡瀬恒彦率いる自衛隊の小隊が、徳山駅(!僕の家から車で10分の駅だ。どうやら私鉄駅を改造して撮って、そのあとはセット撮影らしい)で政府と交渉するシーンはスリリングで手に汗握る。

徳山駅ではクーデターに失敗した別小隊の生き残りの山崎努が車いすで連行される。投降しないと仲間を殺すぞ、と脅される渡瀬。すると山崎と渡瀬はアイコンタクト。

次の瞬間、山崎が車いすにかけられた毛布を振り払うと、身体には無数の銃に撃たれた跡が・・・。渡瀬は山崎を撃つと、爆弾のスイッチを握り締めたまま列車に乗り、再びブルートレインは闇の中を疾走していく・・・。

いやあ、このスリルあふれる展開!!書いていてまた見たくなった。政府の描写やアメリカの陰謀劇など、山本節を展開させながら、ラストは大衝撃の大アクション。こんなことあっていいのか!?という考えさせる展開になる。

ヒロイン役の吉永小百合が30代ぐらいのいいあんばいで、今の竹内結子のような容姿と雰囲気なのに驚く。

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ザ・シューター〜極大射程  DVD・ビデオレビュー

見た日/9月某日 ★★★

こういう陰謀アクション物は好きだ。

個人が、国家の巨大な陰謀に巻き込まれる。が、その個人は己の肉体と技を駆使し、協力者の手も借りながら、その陰謀に立ち向かう。

しびれるなあ、こういう話。この手の話で、最近よかったのは何かなあ。ちょっと古いけど、ケビン・コスナーの「追いつめられて」は面白かった。ラストのどんでん返しも意外だった。

「エネミー・オブ・アメリカ」は途中まで面白いが、最後が腰砕け。トニー・スコット監督の作品はこういうのが多い。昨年観た「センチネル」は面白かったが、観た瞬間にストーリーを忘れるぐらい印象が薄い小物だった。マイケル・ダグラスが出ていたのに。

この映画は、最後まで見せる。「ああ、やっぱり巨大な国家権力には勝てないのね」と思わせるクライマックスから本当のラストまで、緊張感も切れず、なかなか面白い。

黒幕がちょっと小悪党っぽくて、そんなやつごときにそんな力が!?とは思うが、主人公が陰謀に巻き込まれていく過程はスリリング。主人公が特殊訓練を受けた天才スナイパーという設定も効いていて、彼が次々と危機を切り抜ける姿に説得力もあり、射撃の腕を駆使して戦う辺りは「ふーん。すげえなあ」と感心もしたりする。

マーク・ウォルバーグにとっては当たり役だろう。彼を助けるヒロインも、主人公とあまりベタベタにならず、ちょっと距離を置いているあたりがミソで、なかなかいい。いつもはいい人ばかり演じているダニー・グローバーの悪役も存在感がある。

前にも書いたが、映画は「映画館」で観るソフトで、DVDは「映画」ではない、と僕は思っている。観た印象も映画館と家庭では変わって来るので、同じレビューのまな板の上で論じられない。

家だと周辺の景観や仕事、家庭のことなどが気になって、最近はなかなか2時間も見切ることは難しいのだが、この作品は一気に(途中トイレに行ったが)見られた。

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Life〜天国で君に逢えたら  新作レビュー


見た日/9月某日 ★★★

前半、プロウィンドサーファーである主人公の夏樹が、貧乏な中でも世界を転戦し、ワールドカップに挑戦するシーンがいい。テンポも快調で、「これが最後」と決めて挑んだワールドカップのシーンは迫力もあり、「演技派」大沢たかおの役づくりもエンジン全開で、真骨頂を見せる。

ちょっぴり残念なのは後半、夏樹が病気になってから。余命数ヶ月を宣告され、精神的な病に襲われながらも、妻や子どもたちの励ましで勇気を取り戻し、書くことで自分の使命を見出していくパートは感動もしたが、演出がどこか紋切り型で、あまり主人公に感情移入できなかった。

物語を語る視点も長女の側からが中心ではあるのだが、途中で妻になったり俯瞰になったりして安定しない。これなら後半は思いっきり長女の成長話をメインに置く方がよかったのではないか。長女役の子役がいい演技をしているだけにそう思った。

映画を観たあと、原作になっている飯島夏樹さんの「ガンに生かされて」を拝読したが、そこには大病を経験し、「死」を覚悟している人ならではの、潔い「境涯」と言うか、ある面、達観した人生観が記されてあり、感動した。

ノンフィクションに勝てない、というのは分かるが、この映画は飯島さん自身も希望したものであるというし、友人が製作にも関わっているということなので、遠慮もあったのかもしれないが、原作にある飯島さんの生と死に関する「言葉」を紹介するなど、もう少し飯島さんの死ぬ前の「想い」に迫ってほしかった。

妻が海岸で「覚悟」をするところなど、後半にもいいシーンがあっただけに、ちょっと惜しい。でも、全体的にはバランスも取れている。一緒に鑑賞した妻は泣いていた。「計算が苦手なパパは、4人も子どもを作ってしまいました」のナレーションには大爆笑でした。(僕も計算が苦手で、子どもが4人いる・・・)
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プラネット・テラーinグラインドハウス  新作レビュー

見た日/9月某日 ★★★★

ウハハハハハハ。もう、笑いが止まらないほどの、B級オバカアクションSF映画、を装った娯楽大作。ハリウッドも日本も「映画」の方向性があやふやな今、70年代のおバカB級アクション映画のテイストを再現し、超えようという試みは、正しい。

星4つの高評価だが、正直、エロ、グロ、スプラッター、ナンセンスがダメな方には、ダメダメダメダメな映画だろう。作り手が楽しんでいるのがビンビン伝わる。こういう映画は観客も何も考えず、ただただスクリーンから迫り来る過激な映像を、炭酸が効いたコーラのごとく楽しむべし、だ。

「グラインドハウス」とは、70年代にアメリカで流行した過激なB級アクションの二本立てを上映していた映画館のこと。下らないB級さはストーリーだけでなく、スクリーンの傷や燃え方まで再現していて、アメリカではクエンティン・タランティーノ監督作「デス・プルーフ」と二本立てだったのが、日本では別々に公開した。

日本でも、地方の映画館では各社ごちゃまぜのB級作品を二本立て、三本立てで公開していた。僕も小学生高学年から高校生にかけて、そんなのを金竜館やスカラ座といった山口市の映画館でずいぶん見たものだ。

寅さんとワニ映画「アリゲーター」の二本立てなんて、メチャクチャなプログラムもあったな・・・。動物パニックの豪華競演「テンタクルズ」「ザ・ドッグ」の二本立てや、「トラック野郎」シリーズも、併映作品が楽しみだった。東映の鈴木即文監督や山口和彦監督が作る作品なんて、チープ感とアクションの組み合わせがたまらなかった。

こういう流れがハリウッドで流行り、日本でも三池崇史監督が「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」で対抗するなら、僕にも願いというか、思いがある。

日本製クンフー映画、というか「ドラゴン」映画を、誰か撮ってほしい!主演は、初代和製ドラゴン俳優、倉田保昭氏に真田広之の共演で!!ゲストは千葉真一!タイトルは「燃えろドラゴン!〜ハラキリボーイズVSゲイシャガールズ」なんてのはどうだろうか。

思わず、興奮して暴走してしまった・・・。が、この映画の暴走ぶりもすごい。ストーリーのメチャクチャさは最初から計算されているのだが、ラブシーンでの暴走ぶりは素晴らしい。ネタバレになるので書かないが、このネタはいい。

僕は小学校のころ、友達に頼まれて「SF水戸黄門」のマンガ原作を書いたことがあるが、黄門さま一行が、「ひょんなことからトラブルに巻き込まれてしまい・・・」と書いたら、マンガの作者のK君から「『ひょんなこと』が書かれてないと、原作にならない!」と怒られたことがある。この映画のこの部分のネタは、このいわゆる「ひょんなこと」なのだ。どうしてヒロインの彼氏が強いのか、どんなヤツなのか、全部「ひょんなこと」で済ますから、バカバカしくて面白い。映画を観た人は分かってくれると思うが・・・。

ヒロインの義足マシンガンだけでも見る価値あり。冒頭の架空のアクション映画の予告編も、70年代のテイスト満載で思わず見てみたくなる。ロバート・ロドリゲスはつまんないキッズ映画からようやく本領発揮、である。

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