すみません!!!  映画つれづれ

年末を迎え、モーレツに仕事が重なってきて(全くモーカッてはないけれど…)全然更新ができない間に、さまざまに書きたいことが増えています!!

まず、長渕文音さん。報知映画賞での紙面のコメント、笑顔ともによかった。↓

http://cinemahochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081218-OHT1T00097.htm

「今度は主演女優で」なんてコメントは、さすがにカエルの子はカエル、です。授賞式での写真の背後の佐々部監督の表情が、何とも微笑ましい。

文音さんは、報知映画賞に続いて、日本アカデミー賞の新人俳優賞に選ばれました。これで「三本木〜」は二冠です!!!

そして何より、日本アカデミー賞と言うと、「四日間の奇蹟」「出口のない海」「結婚しようよ」などの佐々部監督作品でも美術監督を担当され、私が敬愛させて頂いている、福澤勝広さんが「クライマーズ・ハイ」で優秀美術賞を受賞されました!!!おめでとうございます!!!↓

http://www.japan-academy-prize.jp/allprizes/2009/index.html#12

「クライマーズ・ハイ」での新聞社内、そして事故現場を再現したシーンでの美術は、
正にあの映画の臨場感あふれる群像劇を見事に生かしていました。最近の福澤さんのお仕事では大自然の中の農家である「結婚しようよ」の菊島家の佇まいも実に素晴らしく、これも今年の作品では印象に強く残っています。

新人俳優賞に「最優秀」はありませんが、美術賞は「最優秀」があるので、是非、福澤さんに受賞してほしい!!と思います。発表は2月20日のようで、中継もありますが、日本テレビは毎年、俳優さんばかり映して、スタッフの受賞の模様、コメントもきちんと放送してほしい!!

何はともあれ、映画賞の季節になってきましたが、いい作品がきちんと評価されるよう、願ってやみません。このおたっきーの映画日記でも、おたっきーの独善的決定による、「おたっきームービーアワード2008」を近く発表するので、お楽しみに!!!

あと、佐々部監督初のテレビドラマ「告知せず」のレビューもしたい…と思いつつ、時間ばかりが経過しています。新作レビューも貯まっています。

この間、「歩いても 歩いても」「特命係長只野仁〜最後の劇場版」「K−20〜怪人二十面相・伝」を見ましたが、見たいと思っていた「ハンサム★スーツ」「ブタのいた教室」「闇の子供たち」を、近くの劇場で上映していたにも関わらず、時間がなかなか合わなくて、結局見逃してしまいました。

年末でバタバタではありますが、近く怒涛のごとく更新しますので、よろしくお願い致します!!
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まぼろしの邪馬台国  新作レビュー

見た日/11月某日 ★★★

この映画のことを知ったとき、当初「邪馬台国」そのもののお話で、吉永小百合が卑弥呼を演じるのかと思ったら、昭和30年代から40年代にかけて、邪馬台国研究に打ち込み、九州説を展開した著書で邪馬台国ブームを巻き起こした実在の文学者、宮崎康平氏とその妻・和子さんの物語だった。

まあ、でも、劇中のイメージシーンで、吉永小百合は卑弥呼を演じているけど…。小百合さんは和子役で、康平は、竹中直人。作品を選び抜いている小百合さんとしては珍しく、今年は年初めの「母べえ」に続いて、主演作が2本もあったことになる。

実在の人物像はともかく、この映画に出てくる「宮崎康平」なる人物はキョーレツな人物で、全盲で鉄道会社の社長にして歴史研究家ながら、金銭感覚に疎く、周囲にストレートに感情をぶつけ、破天荒に生きている、ちょっと迷惑な人。でも、それでいて情には厚く、愛すべき人であり、郷土への愛情と歴史への造詣は誰よりも深い。

そんな人物に一目ぼれされ、やがて人生をともにし、支え続ける和子夫人を、小百合さんは好演している。東映の「小百合映画」は、どうも旧知の仲で、俳優時代は共演経験もある岡田裕介社長に遠慮しているのか、「天国の大罪」や「玄海つれづれ節」など、面白いけれども珍品のような作品が多いのだが、この映画も、その路線キワキワながらも、夫婦愛を描いた、いい作品には仕上がっている。

竹中直人が好演で、こういうエキセントリックな人を演じさせたら、やはり竹中さんは抜群。恐らくアドリブも多いのだろうが、宮崎康平という奇人にして偉人というキャラクターを、完璧に表現していて、実に面白かった。

でも、作り手として「見せたい」のは小百合さんであって、本来、竹中さんは助演であるはずなのだが、映画は和子さんの少女時代から始まり、彼女の心情をメインにとらえようとはするものの、どうしても観客の関心と目は、「宮崎康平」に向く。まるで、台風の目のように。

だから、お話として中途半端になって感はいがめない。堤幸彦監督の演出はテンポがあって心地よく、自然の風景も実に美しいが、いいエピソードが続いて感動していると、いつの間にかおいてけぼりにされる感もある。作品の風情やテンポは僕が大好きな堤監督作品「包帯クラブ」「自虐の詩」に近く、好きな感じではあるが…。

だから、もう少し、「宮崎康平」についてのお話、例えばなぜ失明したのか、とか彼の若いころのエピソードなどが見たかった。邪馬台国についての考察も少し中途半端で、もう少し本格的な「邪馬台国論」を見たかった気がする。

こう書くとないものねだりのようだが、全体的にはバランスもよく、小百合さんの存在感は相変わらず抜群だし、面白い作品だった。CGで再現された昭和30年代の博多の風景もいい。ただ、話題づくりということもあったのだろうが、結構頑張っていた柳原加奈子はともかく、綾小路きみまろの起用はどうなんだろうか? 決して成功しているとは思えない。

あと、セリーヌ・ディオンの挿入歌も、かなりの予算をかけたのだろうが、作品全体の雰囲気に合っているかどうかと問われると、正直?な気もした。そこそこ頑張っているからこそ、いろいろと気になるのかもしれないが…。
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ハッピーフライト  新作レビュー

見た日/11月某日 ★★★★

矢口監督のこれまでの作品である「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」ほど大げさにならず、それでも娯楽映画としてはしっかり楽しめるように作られている。

お気楽な娯楽映画でありながら、それでいて、取材で得たウンチクや情報はしっかりと描き込み、かなりディティールを細かく描き、専門家が見ても唸るほどに作り込んでいる。こんな芸当は、なかなかできるものではない。これは大変な力量だし、矢口監督がこれまで作り込んできた世界の集大成とも言える作品になっていると思う。

航空機を使ったアクションという意味では、予期せぬアクシデントが起こり、それをパイロット、客室乗務員が必死に対応し、観客が反応する、というのは、これは航空パニック映画の王道。

その王道を、ハイジャツクなどではない理由で、それも航空会社全面協力という安全の範囲内で描いているのも凄いが、それだけに物語もよく工夫していて、飛行機を飛ばすためにどんな人がどんな仕事をしているのか、わかりやすく紹介してくれる。

多少おふざけが過ぎるところもあるものの、ウンチク物としても、娯楽映画としても面白い。それぞれのキャラクターがしっかりしていて、それぞれの人物の描き分けがいいので感情移入もしやすい。

どんな映画でも、きちんと人が描かれてないと、観客はつまんない、というのがよく分かる作品である。そういう意味では、岸部一徳、田畑智子、佐々部映画でもおなじみ田山涼成などは非常にいい味を出している。

ちなみに僕は最近、飛行機に乗る機会が増えていて、ANAはよく乗っているのだが、また今度飛行機に乗るときには、「こんな視点で見てみよう」と色々と思ってしまった。そういう意味では興味深い映画だった。

あと、綾瀬はるかは今年大活躍で、最も旬な女優の一人、ということがよく分かったが、「僕の彼女はサイボーグ」「ICHI」そしてこの「ハッピーフライト」と見てきて、作品ごとに彼女の別の魅力が発揮されていて驚いた。

この女優さんは、美しいだけでなく、等身大の魅力と、輝くようなオーラが混在する、不思議な魅力を持った人だと実感。演技力も確かだし、是非、このままの魅力を保持したまま、成長していってほしい、と思った。

そうそう、それから綾瀬はるか扮するCAの両親が使う方言はどう聞いても山口弁で、劇場でも大笑いが起きていたが、そんな裏設定があるのだろうか?知っている人がいれば、是非、教えてほしい。
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運命じゃない人  DVD・ビデオレビュー

見た日/11月某日 ★★★

最新作「アフタースクール」が好調な、内田けんじ監督の前作。やっと、DVDで見ることができた。

時勢をバラバラにして、一人一人の登場人物をそれぞれ追いながら、物語の真相を明らかにしていく独特な手法は、もうこの長編第一作から完成されていて驚いた。

映画を見ながらインプットされた情報が、物語の展開とともに崩れていく心地よさ。この作品でも、物語は意外な方向へと転がり、観客の想像の上をいく。

出演者は正直、あまり有名ではないキャストを揃えているが、それが効果をあげている。ヤクザの組長役の山下規介氏を久々に見た。主役のサラリーマンは、「アフタースクール」で大泉洋が演じた先生の原型のキャラクターとも思える。

とっても面白かったが、「アフタースクール」があまりに素晴らしく、この前作はどうしても比べてしまい、多少アイデア先行型な気がしたのと、ラストの処理に不満があったので、星は3つ。

でも、内田監督は2作もこのパターンでの傑作を発表した以上、3作目はどんな作品をぶつけて来るのだろう。同じ着想では「またか」になるし、凡庸な作品では期待外れになってしまう。

でも、これだけ面白い作品を続けて発表した内田監督のこと、きっと我々の想像の上を遥かにしのぐ作品を作ってくれるだろうし、是非、それを期待したい。

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ラスト、コーション  DVD・ビデオレビュー

見た日/10月某日 ★★★★

前作「ブロークバックマウンテン」が素晴らしかった、アン・リー監督。またまたやってくれました、という感じだ。結局劇場では見逃してしまい、DVDでの鑑賞となった。

ハリウッドでも成功しているアジアの監督が、久々に中国圏に帰っての製作、というと、ジョン・ウー監督の「レッドクリフ」を思い出すが、そんなに気負うでもなく、ただ淡々と、自分が作りたいテーマの良作を作り続けているアン・リー監督は好ましい。

戦時下、日本占領下の上海。特務機関のリーダーを、女性ならではの武器で狙う、美貌の抗日運動家を描く。

まず、戦時中の上海のセット、雰囲気がいい。ヒロインのタン・ウェイはオーディションで選ばれたらしいが、美しいだけでなく、目に力がある。命を狙われるイーを演じるトニー・レオンも相変わらずの存在感だ。

生死ギリギリの状況の中で、2人は激しく身体を求め合うのだが、このセックスシーンが物凄い。

時折、ネットなどでこの映画のレビューを見ていると、ヒロインは愛情をイーに感じてしまい、殺すことをためらう、なんてことが書いてあるが、決してヒロインがイーに持つ感情は、「愛」ではないと思う。いや、愛情もあるかもしれないが、そんな単純なものではない。

最初、イーとヒロインがベッドを共にするシーンは、レイプまがいである。しかし、当初はイーが支配していたベッド上の攻防は、やがてヒロインが主導していくものに変化していく。この映画での性愛シーンは、正直、戦いである。

処女だったヒロインは訓練で同志と身体を寄せ合うが、決してそこには生まれなかった欲情が、敵であるはずのイーとの性交で生まれ、ヒロインは敵である存在の男と性愛を繰り返すことで自我に目覚めていく。

お互いに相手を知り得ず、騙し合いながら身体と身体をぶつけ合っていく2人。こんなに複雑な物語を、性交のシーンを中心に表現できる、アン・リー監督の表現力の巧さに驚く。

かつて、優れた性愛映画はあったが、この作品は“性愛シーンそのもの”が雄弁に物語をリードしている、稀有な映画に仕上がっていると思う。

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ホームレス中学生  新作レビュー

見た日/9月某日 ★★★★★

この作品に関しては、仕事として山口県内でのPRをお手伝いさせていただいた。古厩智之監督へのインタビューを地元コミュニティFMラジオで流させてもらったほか、県内の雑誌や新聞にインタビュー記事を配信させてもらった。

ということで映画自体は公開よりかなり早い時期に業務試写で見させて頂いたのだが、早くレビューをアップしようと思いつつ、結局、このブログは趣味で運営しているということもあって、仕事で関わっているという遠慮もあったのか、公開がほとんど終わる時期でのアップになってしまった。

個人的にも、この映画は気に入っている。古厩監督らしい、若者の「一歩」成長する姿が描かれている。「まぶだち」「ロボコン」「奈緒子」と、古厩監督が一貫して描いてきた、等身大の少年少女たちが、この映画でもきちんと躍動している。

いわゆる原作の「ホームレス中学生」とは全く違う世界がこの映画にはある。映画鑑賞後、原作も読んだが、原作はホームレスになってしまう「不幸」はエッセンスであって、主流ではない。確かに泣けて笑えるいいエピソードが並ぶが、正直、小ネタ満載のタレント本の域を出てない感じはした。

ところが、この映画版は、前半こそ原作のテイストを生かしているものの、中盤から後半にかけては全く原作を離れる。原作では描かれていない、主人公の少年の「心」の成長を、じっくりと描き込む。意外にも、「ホームレス」の描写は少なく、前半にしかない。

映画の後半、よくしてくれた民生委員のおばちゃんの死をきっかけに、彼は初めて幼い時に亡くした母親の死を現実に感じ、人生について、自分が直面した問題にして、思い悩む。

この映画の真骨頂は、その母親の「死」を少年が受け入れるかどうか、という部分。本当のホームレスとは、ただ単に家がないということではなく、家族が欠けていることというこの映画の指摘は、実に鋭い。

そう、誰でも肉親の「死」というのは、いつかは越えなくてはならないところであり、そこがあって初めて子どもは一人前となり、大人へと成長するのかもしれない。

古厩監督は、そこの部分は長回しと主人公の一人セリフを上手に活用しながら、的確に表現している。とくに兄と主人公が感情をぶつけ合う牛丼屋のシーンでのワンシーンワンカットの場面は秀逸で、そのあとの牛丼のアップも効果的で、実は「食べること」が生きる源である、というこの映画ももう1つのテーマ性を上手く表現している。

良心的な秀作だが、原作のイメージが先行しすぎていて、ネットのレビューなどで公開前から見てもないのに酷評する人がいたりして、そこは残念だった。是非、見てから感想は言ってほしい。どんなにイメージが固定されていても、実際に見ないとどんな作品かは分からないのだから。

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