年末・・・  映画つれづれ

年末。31日の今も、まだ仕事をしています。家族はもう、帰省してしまい、僕1人です・・・さびしい。

皆様、今年1年、このブログを見て頂いて、ありがとうございました。今年は、改めて「映画」の力、素晴らしさを感じた1年でした。来年は、映画を軸にして、また新たな飛躍を目指します!!

さて、「周南映画祭」のうち、僕の担当部分の残務整理が、一部、年越ししてしまいました・・・。関係者の方には、ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。

実は、映画祭については、来年に向けて、また新しい奇蹟的なことが、いくつか起きつつあります。また、詳しく言えるようになったら、報告します!!

なかなかレビューが書けず、作品が15本ぐらい貯まってしまいました。公開が終わった作品がほとんどですが、年明け、できるだけ早く書きます!

ということで、レビューに書いてない作品もたくさんありますが、今年のベストテンを書きます。「シネKING」放送中に発表したベスト3とは若干順位が違います。

トホホベストテンは、観ていて「トホホ」「アチャー」「おいおい・・・」と感じながらも、愛さずにいられない好きな作品、という意味で、決して「ダメ作品」という訳ではないので、ご了承ください。

■外国映画
@母なる証明
A愛を読むひと
B私の中のあなた
Cチェンジリング
Dスラムドッグ・ミリオネア
Eスター・トレック
Fマイケル・ジャクソンTHIS IS IT
Gグラン・トリノ
Hチェイサー
Iターミネーター4

■日本映画
@劔岳 点の記
Aマイマイ新子と千年の魔法
BSOULRED 松田優作
Cディアドクター
D誰も守ってくれない
E余命一ヶ月の花嫁
FGOEMON
Gヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
Hおっぱいバレー
Iヤッターマン

■トホホベストテン
@宇宙戦艦ヤマト復活篇
Aカムイ外伝
Bノウイング
C2012
D火天の城
E少年メリケンサック
FROOKIES
G沈まぬ太陽
Hトランスフォーマー・リベンジ
Iお買い物中毒な私!

理由などはまたゆっくり書きます。それでは皆様、よいお年を!!僕は、紅白歌合戦まで実家に帰れるだろうか・・・。きょうは、二女の誕生日なのに・・・。

頑張ります!!
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誕生日!!  映画つれづれ

きょう、12月19日は、僕の誕生日。いやあ・・・45歳になりました。

この記事を、高知県四万十市のホテルで書いています。

ロンリーバースデーかな、と思っていたら、家族や仲間たちからたくさんメールをもらって、嬉しい朝です。

きょうの午後は、四万十市の中央公民館で、あゆみ作業所様主催の講演です。
頑張ります!!

今年は講演の機会が多かったです。大切な、心に残る出会いを、いっぱい頂きました。本当に、感謝です。

講演は、いろいろなところに行けるので、とっても楽しみ。きょうも、講演までに四万十川に行く予定です。

いつもは出張するときはパソコンは持って行かないのですが、今回だけはさすがに年末、締め切りがある他の仕事も抱えていて、パソコンをホテルに持ち込みました。

バタバタしていますが、和田山企画としては、2月6日から山口県と福岡県で先行公開される映画「獄(ひとや)に咲く花」の山口県内のキャンペーン、プロモーションをさせて頂くことになりました。

このブログでも、この映画の情報を、随時、提供していきます。取り急ぎ、16日はマスコミや関係者向けの業務試写会、17日は山口県庁で完成報告記者会見でした。

映画は、幕末の志士・吉田松陰が米国密航の罪で牢獄に入れられた時期を中心に、女囚・高須久との淡い恋と、理想に生きたその姿を生き生きと描いた秀作です。

近衛はなさん、前田倫良さん、目黒祐樹さん、神山繁さん、勝村政信さん、本田博太郎さんらが出演しています。映像も美しく、新しい松陰像を描いた、今までにない「幕末映画」に仕上がっています。

1月には和田山企画の企画でほかの映画の試写会なども予定されています。詳しいことはまた書きますが、来年は、今年の映画祭のようにもちろんプライベートで映画に関わっていくと思いますが、仕事でも、「映画」でガンガンやっていきたいです。

山口県で映画文化の渦を起こしたい!!
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火天の城  新作レビュー

観た日/9月某日
★★★

全く戦闘シーンがない、戦国時代を舞台にした珍しい時代劇。最近、幅広い意味で大人が楽しめる娯楽映画が少ない中で、この映画は貴重だ。

西田敏行さんは、「陽はまた昇る」を彷彿とさせる演技で、織田信長の命で不可能と思われる城の建築に、純粋に生命を賭けて立ち向かう宮大工を、情熱を込めて演じている。

信長役の椎名拮平さんがいい。激しい中にも民衆を想う信長像をよく表現している。夫を支える大竹しのぶさんも良く、西田さん、大竹さんのお芝居は、ベテラン同士の「間」が素晴らしい。2人の演技には息を飲んだ。

美術や撮影など、本当にスタッフがプロで、いい仕事をしている、と感じた。時代劇らしい、堂々とした雰囲気や、全体に凛とした佇まいがある。

築城に繋がる数々のエピソードのひとつひとつも興味深い。今で言うコンペで他の大工たちと競争になった中、主人公が信長の命を無視した形で設計を披露し、あっと驚く工夫で信長らを説得するシーンや、柱となる大木を入手するため、信長と敵対する武将の陣地に主人公が入り、緒形直人さん扮する木守と友情を結ぶシーンなど、胸が熱くなる。

ただ、築城の過程を描く、という意味ではエピソードの羅列になった感もあり、後半のエピソードでは見せ場となるアクションシーンが少々唐突な感じもある。もう少し、プロジェクトX的な、この時代ゆえの築城に関する大工たちの心意気や工夫が見たかった。

僕は、山口県でのこの映画の一般試写会で司会をさせて頂いたのだが、上映終了後、自然と拍手が起きたことに感動した。観客の皆さんからも、「面白かった」「よかった」「ありがとうございました」とたくさん声をかけて頂いた。

肩が凝らない内容で、それでいて年配の方が楽しめる・・・そんな映画に仕上がっている、という証明だろう。こういう映画こそ、気軽に立ち寄れるシネコンには必要だと思う。

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仲間に感謝!  映画つれづれ

「周南映画祭〜絆〜」が終わって一週間が経ちました。

まだまだその余韻が残っています。

実は、まだまだ残務整理が残っていて、今年いっぱいかかるかもしれません。そちらも頑張って、来年につなげたいなあ、と思っています。

今回の映画祭を通して、ともに頑張ってきた「せとうちフィルムパートナーズ」の仲間たちの存在が、より一層、かけがえのない存在になったように思います。

そんな、素敵な仲間たちと「映画」を通して「絆」が結ばれたことが、何より嬉しい、と心から思いました。

その仲間たちとの縁を作って下さったのも、佐々部清監督です。「感謝」です。

今回の映画祭で、松田優作さんの特集、テレビドキュメンタリー「松田優作は生きている!」の上映、そして何より、優作さんのプライベート写真を唯一許された写真家・渡邉俊夫さんを招いてのトークショーが実現できたのは、そのかけがえのない仲間の一人、MOTOちゃんの想いからでした。

そのいきさつを、NHKのハートネットに綴りました。↓

http://www.nhk.or.jp/heart-blog/people/oohashi/post_374.html

MOTOちゃんには、僕のようなヤツを「映画の師匠」と呼んで頂き、申し訳ない限りなのですが、彼女の純粋な気持ちが、今回の「奇蹟」を呼んだのでしょう。

年齢や性別を超えて、分かりあえる仲間がいることに、心から感謝です。
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再び『マイマイ新子と千年の魔法』  新作レビュー

現在、公開中のアニメ映画「マイマイ新子と千年の魔法」。

早く紹介しすぎちゃったのだが、この作品も、少し関わらさせて頂いている。

実はこの映画の共同プロデューサーであり、ともに佐々部監督作品を応援してきた山口放送のAさんの御配慮で、ちょっとだけだが声優として参加させてもらっている。

そんな縁から、いろいろと宣伝活動もお手伝いをさせてもらった。チケットも、ウチの事務所で扱っている。

11/14の山口県での先行上映ではスタッフの一人として片淵須直監督と、新子ちゃん役の福田麻由子さん、貴伊子ちゃん役の水沢奈子さん、主題歌を歌っているコトリンゴさん、原作者の高樹のぶ子先生と同行させて頂いた。

また翌日に防府市の音楽ホール・アスピラートで開催されたトーク&ライブでは、台本を書かせてもらい、舞台監督をさせて頂いた。

このときのことを、嬉しくも、片淵監督がブログで書いてくださった。↓

http://blog.goo.ne.jp/kantoku1121/e/a05dc379596495d0b8a5415c9693d810

このトーク&ライブ、実は、最初の台本の内容と、舞台挨拶の内容が見事にダブっちゃったのだった。お客様のほとんどは、映画を鑑賞されてから来場される、と予想できた。

それで、舞台挨拶の夜、東京から来られた宣伝プロデューサーさんから「もう少し、作品の世界観に深く入られる内容がいいのでは」と提案を受け、納得。でも、もう時間は夜11時前だ。

でも、この方の眼差しは真剣で、胸に熱いものが込み上げてきた。恐らく、この深い深い映画に出会って、仕事以上に、心を揺さぶられていることが、しっかりと伝わる。

この日、初めて会った方だったが、僕と同じ「熱さ」を感じた。「時間がないし、手書きでも、差し込みでも構いませんよ」と御配慮を頂いたが、「大丈夫です。今から台本を直して、きちんと製本します」と言ってしまった。

その方、即座に「熱いね!男だよ」と一言。いやあ、いいな、こういうの。で、横にいる山口放送のFさんの顔をチラリ。台本をフォーマットに落とし、製本するのは、この方の仕事なのだ。そのときFさんが小さく頷いてくれた。

打ち合わせをしていた防府市のホテルを出て、Fさんに「すいません。あんなこと言っちゃって」と聞くと、「大丈夫です。頑張りましょう。僕も、胸が熱くなりましたよ」と一言。ああ、また胸が熱くなる・・・。

それから深夜の山口放送で作業開始。僕が手書きで台本を直すと、Fさんがパソコンで清書して、製本にかかる。深夜に完成したが、不思議な達成感で満たされた。

このとき、周南映画祭のちょうど一週間前。映画を巡る「絆」は、もうこのとき始まっていたのだ。

翌日、出演者の皆さんとの打ち合わせで、ついつい熱い言葉を言ってしまったのだが、その宣伝プロデューサーさんが肩を叩いてくれたのも嬉しかったし、この映画に熱い情熱を注ぎ、山口に何度も来られていたA社のIさんがウルウルされている姿にも、感動した。

何より片淵監督に「この映画のテーマは友情を共有し、友達になること。大橋さんは友達ですよ」と言われたのに感激した。そんな、「マイマイ新子と千年の魔法」。以前書いたレビューも、ここに一部加筆し、再録したい。

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観た日 5月某日 ★★★★★

恐らく日本一早いであろう、舞台となった山口県防府市での特別先行試写会で観賞させて頂いた。

アニメとしてのクオリティが、実に高い。

「千と千尋の神隠し」を想起させてくれたが、片淵須直監督は宮崎駿監督作品「魔女の宅急便」「名探偵ホームズ」で監督補をした方だった。

昭和30年の山口県防府市。千年前の平安時代、このまちは、国衛と呼ばれていた。確かに大昔も人々の暮らしや営みがあったこのまちで、自由に生きる子どもたち。

かつて、僕たちが野や山で遊んだとき、田んぼや神社の境内の裏側に、とてつもない「何か」を感じる瞬間があった。

それは闇なのか、何か神秘的なものなのか、それは分からないけれど、そんなものを感じながら、子どもたちは日々を送っていたものだ。

そして家に帰れば、そんな「何か」を今に伝えてくれる、僕の家で言えば、祖母がいた。

「あの山には●●がおるから、行っちゃいかん」「あそこは昔、●●がおって、おばあちゃも、●●をしたもんじゃ」などなど。

そのおばあちゃんの存在もまた、神秘的だった。いつも着物を着ていて、顔はしわくちゃで、その存在感と怖さは独特で、あのころ、家族という日常の中に、神秘的なものが確かにいたのだ。

この映画は、そんな昔から続く神秘的な「何か」を感じながら、その「何か」が住む自然と一体となりながら、伸び伸びと遊び、友達同士の絆を紡いでいく、「子どもたちの姿」が生き生きと描かれる。

これが現代となり、子どもたちも文明に慣らされ、その「何か」も見えなくなり、いつしか「闇」の住民たちも病んでしまっている・・・そんな世界観をアニメーションとして見させてくれたのが、宮崎監督の「千と千尋の神隠し」だったように思う。

作品の世界観も違うので、比べようもないのだが、この映画は、不思議と「千と…」を連想させる。しかし、「崖の上のポニョ」もそうだったが、「千と…」以降、終末観的な物の見方に救いを求めているような宮崎監督の作品群に対し、この映画は、不思議な明るさに満ちている。

「となりのトトロ」に見られたように、かつての子どもたちは、神秘を力にしていた。恐らく日本中の子どもたちがそうだったであろうと思われる、かつての子どもたちの姿が、この映画にも、存在している。そういう意味では、宮崎監督のお弟子さんとも言える片淵監督が、この映画を作っていることはとっても興味深い。

だが、この映画が「トトロ」と違うのは、神秘を力にして生き抜く子どもたちだけでなく、大人の現実、例えばこの時代にも確かにあった貧困や差別、そして人の「死」をある程度リアルに描いている点だろう。

映画では新子が友達のために、大人の世界、いわゆる「現実」に立ち向かうエピソードがクライマックスとなっていくが、「こどものせかい」は、その「現実」をも突き抜けていく。そこは実に深い描写が待っている。

そしてその「こどものせかい」は、千年前にも確かにあったことを映画は示唆するが、果たして現代は?そして未来はどうなのか?そこまでも示してくれる力を、この映画は持っている。

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サマーウオーズ  新作レビュー

観た日/9月某日 ★★★★★

前作「時をかける少女」も傑作だったが、細田守監督、またまたやってくれた。

オリジナル性あふれる独特な感性と、アニメならではの表現。そして、リアルでいてどこかファンタジックな、それでいて胸を熱くさせる物語展開。これは、日本のアニメ表現の頂点のひとつだろう。

アニメーション映画は、絵だからこそ、逆にリアルにできる部分がある。描き込めるアニメだからこそ、のリアリティというものがあると思う。

数学は得意だがちょっとのんびりした感がある高校生が、憧れの先輩の田舎で体験する、不思議なアドベンチャー。現実を管理する仮想世界で起きたトラブル。その問題を解決するため、先輩の大家族に勇気をもらった高校生が立ち向かう。

この映画のテーマは「家族の絆」である。描かれているバーチャル世界と「家族の絆」はずいぶんかけ離れているようにも思うが、実はデジタル社会の今だからこそ、人と人との「絆」は大切なのだ、と語りかけている、とも読める。

どんなにテクノロジーが発展したとしても、現実世界を仮想世界がコントロールするような世の中になったとしても、結局、技術を使うのは「人」である。「人」の「心」がしっかりしていれば、決して人間がマシンに支配されることはない。

デジタル社会だからこそ起こりうる現代的・未来的なトラブルに、日本情緒もたっぷりな、田舎の大家族が挑むという、荒唐無稽な中にも芯が一本通った物語が心地いい。

パソコンなき社会・仕事は考えられない現代。デジタル社会を受け入れることができても、使う人間の心がぶれなければ、過多な情報にあふれていても、生きていけるのだ、という作り手の熱いメッセージが込められているようにも思う。
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劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー  新作レビュー

観た日/9月某日 ★★★

仮面ライダー好きとしては、昭和から平成まで、仮面ライダーが勢ぞろいするので、楽しみだった一本。

全編的には、「仮面ライダーディケイド」の完結編的な意味合いが強く、それぞれのライダー世界を旅してきた主人公が、ライダー同士の戦いを経て、オールライダーたちを率いて、本当の敵である大ショッカーと戦う。

上映時間が短い割にはよくまとめているし、昭和ライダーの癖やお約束もきちんと守られている。アクション畑の金田治監督だけに、アクションシーンの切れは実にいい。

ただ、主人公の秘密にはかなりの無理があり、一時間少々の尺で語るにはちょっと説明不足だ。脚本もよく練っているだけに、もう少し上映時間が欲しかった。そのうちディレクターズカット版DVDなんかも出るのだろうけれども・・・。

過去のライダーを演じたオリジナルキャストが少ないのも仕方ないが、こうなったら、藤岡弘、が演じる年老いた仮面ライダー1号も観てみたい。「ウルトラマン」シリーズが出演者の年齢が重なっても、上手くその世界観を壊さずにオリジナルキャストを実現しているだけに、少々残念ではある。

まあその分、ディケイドのテレビシリーズで、仮面ライダーブラックの世界編では燃えた。この劇場版のフラストレーションを振り払うようにオリジナルキャストの倉田てつを氏が大活躍してくれ、まさかのダブル変身には胸が熱くなった。


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BALLAD 名もなき恋のうた  新作レビュー

観た日/8月某日 ★★★

「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!アッパレ戦国大合戦」を実写映画化するとは、山崎貴監督もまた、大胆なことをしたものである。

アニメやコミックなどを観て「ああ、これ、実写化したい!」と思うのは、作り手であるなら、世の常だろう。それが実現できる山崎監督・・・うらやましい。

「三丁目の夕日」シリーズでヒットメーカーとなり、良作・秀作を作れる手腕を示したからこそなのだろうが、「クレしん」に目を付けた辺りに、山崎監督の眼はやはり鋭いというか、クリエイターとしての意識の高さが伺える。

それで、この実写版だが、クオリティも高く、原作の味のひとつである、戦国時代の合戦のリアリティ、という点では見事な映像を見せてくれる。VFXの使い方も上手く、ストーリー展開も面白いし、最後まで観客を飽きさせない。

ただし、どうしても元となったアニメ作品があるだけに、それと比較されるのは仕方ないところだろう。実はこの映画、驚くほどに原作に忠実なのだが、忠実すぎて、少々弱いところも出てしまったようにも思う。

原作は「クレヨンしんちゃん」という世界が最初にあって、しんちゃんをどう戦国時代にあてはめ、活躍させるか、というところから発想が始まっていたと思うのだが、この映画では原案のストーリーをなぞってしまったために、アニメなら許される部分も、実写にしてしまうと、苦しい部分も出てしまった。

例えば、タイムスリップの意味やタイミングも、もう少し説明がほしいところだが、そこは原作をなぞってしまったがために、少々あいまいになってしまった。

少年の父親の職業をカメラマンにすることで「写真」や「映像」のエピソードを膨らませたり、実写版ならではの工夫もある。だが、本当に現代人が戦国時代にタイムスリップしたら、もっとカルチャーギャップがあると思うのだが、その辺りは妙にアッサリしていて、ちょっと物足りない感じも受けた。

主演の草なぎ剛は堂々としていてなかなかの好演で、ヒロイン役の新垣結衣も可憐でいい。原作とは違う、余韻が残るラストもいい効果を出している。

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ごくせん THE MOVIE  新作レビュー

観た日/7月某日 ★★

テレビドラマの続きを映画で!というのは昔からあったけれども、劇場版で製作・公開するならそれなりの工夫やスケール・アップがほしい。

その辺り、物語の規模を大きくすればいい、というものではない。長いドラマで描いてきた物語を2時間のコンパクトなものにするからこそ、余計、丁寧な物語展開をしなければならない、と思う。

テレビドラマの映画化だからと言って、テレビドラマと同じ展開、演出をしていては、それこそ映画化の意味などないではないか。ドラマの味は残しながら、映画版ならではの味付けをしないと、お金を払って映画館で観る価値はないのではないか。

テレビ局が映画を製作すること自体は、否定はしない。テレビ局中心で映画を作ることで、より制作資金が豊富となり、多彩な映画が製作されるなら、それも大歓迎だと思う。

ただし、最初の企画がテレビ局ありきになってしまい、肝心の映画の質が落ちたり、マーケティングで大多数の評価がないと映画が製作、公開できないような状況になると、いつか観客は日本映画から離れていくのではないか、と危惧してしまう。

もちろん、テレビ局製作の映画も、そういうものばかりではない。良作も傑作もある。ただ、人気が出たテレビドラマの続きや最終回を映画で、というパターンがあまりに続くと、映画って何だろう?なんて思ってしまう。

無料でテレビシリーズを楽しんで、続きは有料で、なんていうのは、それこそがテレビ局の傲慢だと思うがどうだろう。多くの観客に、そんな映画を「映画」と思われては、ちょっと「映画」が可愛そうである。

最近、アメリカ映画がヒットしないのも、この辺りに原因があるのではないか。まだまだアメリカ映画は、娯楽作でも、きちんと作り込んで、行間を読める作品が多い。説明過多な日本映画の影響で、考える観客が少なくなっている、と思うのは僕だけではあるまい。

で、人気ドラマシリーズ「ごくせん」の映画版だが、事件そのものはテレビ版よりもスケールは大きいのだけれども、正直、物語的にも、スケール的にもテレビサイズを超えていない。

過去シリーズに出演してきた若手人気俳優も総出演してはいるが、副主人公的な1人を除いて、彼らがあまりストーリーに絡んでこないのもかえって不思議で、顔見せでもファンは嬉しいのかもしれないが、正直、あまり効果的とは言えなかった。

テレビシリーズも初期のものは生徒たちの気持ちや先生であるヤンクミとの交流を丁寧に描いたものもあったのに、いつの間にか「水戸黄門」のようにパターン化されちゃった。映画版はそのパターン化した第3シリーズの流れを受けているので、出てくる事件の黒幕の設定など、ちょっと荒唐無稽になってしまった。

それでも、仲間由紀枝は魅力的だし、卒業生役の三浦春馬は存在感がある。冒頭の竹内力には笑ってしまった。何があっても生徒を信じ、信念を貫くヤンクミ先生の姿は、あざといけれども、ちょっぴり胸が熱くなるのだった。

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