オーシャンズ  新作レビュー

★★★

評判の、宮沢りえさんがナレーションを担当した日本語版は観ていない。僕が観させて頂いたのは、業務試写での原語版、フランス語版だ

ドキュメンタリーは、ナレーションや音楽が違うと、まるで観た印象は変わる。

原語版は、ほとんどナレーションが無く、海の動物たちの様子が、スクリーンいっぱいに映し出され、その驚異の生態や、そこに製作者が込めたメッセージを読み解く作りになっている。

聞くところによると、日本語版はその辺りはきちんとナレーションで説明されていて、分かりやすいらしい。エンドロールの音楽も、原語版は重厚なメロディーが鳴り響くが、日本語版は平原綾香の主題がかかる、らしい。

荒れ狂う海の俯瞰から始まり、1人の少年の疑問から映画は始まる。獲物の小魚を追って海にダイビングする鳥たちの群れや、巨大なクジラの姿は圧巻。これぞ、大きなスクリーンで観てこその価値がある。

カメラがぶれることもなく、その生物たちの生態をきちんととらえていることは凄い、の一言に尽きる。テレビのドキュメンタリーとは違い、劇場用映画にする意味は大きい。

環境問題に直結した説教臭さは多少あるが、変な流れや意図を感じることもなく、映し出される生き物や自然に対する畏敬の念を作り手が感じることが伝わってくる、真摯なドキュメンタリー映画である。

是非、宮沢りえさんのナレーション版も観てみたい。ところで、先日、東京スポーツ映画大賞授賞式というのにご招待されたのだが、そこで生で宮沢りえさんを見た!!何と、オーラがあって美しく、細いこと!!その美しさを、またスクリーンで観てみたい、と思った。この授賞式のことは、また記事で詳しく書きます。

3

プライド  新作レビュー

★★★★

これぞ少女マンガの映画化!!と呼ぶにふさわしい怪作。

若い女優さんを魅力的に描くことは金子修介監督の真骨頂だが、満島ひかり、ステファニーという主役の2人が輝いている。

満島ひかりさんに至っては、金の鉱脈を掘り当てたような感じ。いわゆるオーバーなんだけれども、ケレン味の中にもさわやかさがあるのがよくて、この独特な存在感は凄い。

恐らく凄いことになるだろうな、と思っていたら、案の定、今作のほかにも「愛のむきだし」や「クヒオ大佐」などが評判になって、2009年度の新人賞を総ナメしていた。

男性の若手俳優さんでは、僕は濱田岳さんに大注目しているが、女優さんではこの満島ひかりさんだろう。金子監督が手掛けた「ウルトラマンマックス」ではアンドロイド役を好演していたが、恐らく金子監督はこのころから注目していたのだろう。

それぞれお金持ちと貧乏に生まれ育った少女2人が、「歌」で対決する。それぞれが「プライド」を掛けて、恋あり裏切りありの戦いの果てに待つものは…。正に往年の少女マンガの王道。原作は一条ゆかり先生だ。

ステファニーのヘタウマ的な棒読みセリフ回しも、お嬢様はこうなのよね的な納得をしてしまうが、彼女のゴージャス的な存在感もいい。本当のお嬢様かと思いきや、本来は歌手・アーティストと聞いてビックリ。

歌にも造詣が深い金子監督だけに、劇中の楽曲もいい仕上がり。ケレンミたっぷりの作品だが、俳優たちの演技も、お話のちとオーバーな展開も、バランスを壊すギリギリの線で調整、演出されていて、すこぶる面白く感じるように作っている点は、流石である。
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