SP 野望編  新作レビュー

★★★

面白い。

ただし、テレビシリーズを観てない人は置いてけぼり感あり、かも。堤真一氏扮する上司の“野望”が唐突に感じてしまう。

ただし、ストーリー展開より、アクション重視の物語は見応えがある。中盤の“野望”をグダグダと話す辺りはちょっと湿るものの、後半の肉弾戦は迫力がある。

スタッフ、キャストがハリウッドアクションを凌駕しようと長年準備をしてきた、という成果は出ていると思う。

ストーリー展開としては、後編の「革命編」に期待しましょう。

あと、真木ようこ氏はいい!

「SP 野望編・革命編」公式サイト↓
http://sp-movie.com/index.html
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武士道シックスティーン  新作レビュー

★★★★★

少年少女の「揺れ」を描かせたら、古厩智之監督は日本一だと僕は思っているが、もしかしたら「世界一」ではないか、とこの「武士道シックスティーン」を観て思った。

幼少期から剣道に打ち込み、“勝つ”ことにこだわる中学生女子剣道チャンピオンが、ある試合で負けてしまう。そのチャンピオンはわざわざその負けた相手がいる中高一貫の高校に進学し、剣道部に入るが、その“相手”はお気楽に剣道をしているフツーの少女だった…。

剣道が全ての少女が、普通の少女から、何かを学んでいく。
普通の少女が、剣道が全ての少女から、何かを学んでいく。

少女2人が、「剣道」という“武道”を通し、お互いに足りないところを補完しあいながら成長していく様を、成海璃子、北乃きい、という今を代表するティーン女優を得て、鮮やかに描いている。

勝つことに何の意味があるのか?そもそも、多感な青春時代に“戦う”ことに何の意義があるのか?この映画は、中学や高校における部活動の意味合いや、思春期に訪れる悩み、苦しみを、日本人が大切にしてきた“武道”の意義にまで踏み込んで描いている。

古いようで、新しいタイプの青春映画である。

古厩監督は、これまでも劇的な変化はなくとも「一歩成長する」少年少女たちを描いてきた。そして、「ロボコン」「奈緒子」「ホームレス中学生」など、どの作品も秀逸なのは、子どもたちを描きながら、その子どもたちが背負う背景や起因として「大人たち」をもさり気なく描いてきたこと。この映画も、ヒロインたちの親たちの描き方があってこそ、2人の悩みに深さがにじみ出る。

成海璃子の「イヤー!」という奇声、「お前!」という男言葉、アグラ座り…こういう細かい演出が、のちのヒロインの悩む姿、成長する姿に上手く繋がっている。

「武士道シックスティーン」公式サイト↓
http://bushido16-movie.com/

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桜田門外ノ変  新作レビュー

★★★
堂々とした歴史大作。

聞けば、水戸の人たちが企画し、それに映画人たちが応えて実現したのだという。「男たちの大和/YAMATO」以来の監督作という佐藤純彌監督の手堅い手腕も光る。

前半で大老暗殺、という最大の見せ場を先に見せておいて、そこから事件に至るまでの経緯、事件後の顛末をじっくり描く、という手法がいい。

とくに事件後に追い詰められていく志士たちの心情は、前半で事件の概要や背景をしっかり語っているので、観る側にジワジワと迫ってくるものがある。

僕は、サスペンスを前面に出してテンポよく進みながら、重要なシーンではしっかり長回しで見せる手法に、同じ佐藤監督の「新幹線大爆破」を思い出した。衝撃作「陸軍残虐物語」から「新幹線大爆破」「人間の証明」などなど、今も第一線で活躍されて佐藤監督は凄い、と思う。

僕は長州の人間なので、どうしても幕末というと、吉田松陰、高杉晋作を初めとする長州藩士たちの活躍に関心があるが、この映画は、攘夷や倒幕のきっかけになった事件を扱っていて、知らないことも多く、興味深いものがあった。

ただし、ナレーションが多く、歴史の教科書を見ているようなところもあって、ちょっぴり説明的な部分を感じたのは僕だけだろうか。

あと、主人公をかくまう庄屋役の本田博太郎氏は、「君が踊る、夏」に続き、やっぱりここでも“怪演”でした。本田氏が登場すると、そこだけ空気感が違うから凄い。

「桜田門外ノ変」公式サイト↓
http://www.sakuradamon.com/

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BECK  新作レビュー

★★★

バンド映画に駄作なし、が僕の持論だが、この作品も、よくできた“バンド映画”だった。

バンドを題材にすると、仲間同士の葛藤や結束を、“音楽”に乗せて描くことができる。人間ドラマも描きやすい。だから、バンド映画にはいいものが多いのだと思う。

バンド映画の秀作で、僕が好きなのは、外国映画だと「ザ・コミットメンツ」「すべてをあなたに」だろうか。ちょっと毛色は違うが、ヒロインがロック歌手だった「ストリート・オブ・ファイヤー」も大好きだなあ。

日本映画だと「Aサインデイズ」「青春デンデケデケデケ」「ロックよ、静かに流れよ」かな。ちなみに、「Aサインデイズ」は「第2回周南映画祭〜絆〜」で上映します!!

どの作品も、仲間同士の“葛藤”がポイントになっている。それはこの作品も同様だ。

葛藤で離れ離れになったメンバーたちが、“音楽”の名の元に再び結集し、また“音楽”を通して心を通じ合う。これがバンド映画の醍醐味だろう。

この映画では、佐藤健氏扮する主人公の高校生が、天才的ギタリストと知り合い、ロックの魅力に引き込まれ、やがてバンドに加入し、ギターを覚え、ボーカルとして天才的な才能を発揮。大きなロックフェスで人気を博すまで成長していく姿を描く。

ギタリストのギターにまつわるアメリカのバンドや興行師をめぐるエピソードがちょっとリアリティに欠けるものの、主人公のコユキを巡るエピソードが丁寧で、スクリーンの前で僕たちもバンド「BECK」のファンになってしまう。

ただし、ネタバレになるので詳しくは書かないが、この映画では、肝心の“音楽”のところで、ある「演出」がされている。これは、堤幸彦監督の意図的な演出なのだろう。原作者の希望、という情報もネット上で見たが、この「演出」によって、観客は様々な「想像」ができるよう「仕掛け」がされている。

いろいろ意見はあろうが、個人的には、この「演出」は×である。やはり、この映画に登場する「楽曲」は、全ての物語の根本なのだ。その「根本」を、こういう演出で「見せる」のは、果たして正しいのだろうか。

「映画」は観客に想像させる、行間を読む、ということは大切だといつも僕はこのブログでも書いているが、そういうこととはちょっと違う、と思う。いろいろな意見があるだろうから、僕もまた考えてみたい。

「BECK」公式サイト↓
http://www.beck-movie.jp/

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バイオハザードW アフターライフ  新作レビュー

★★★

「シネKING」の企画で、この映画の特集をするに当たって、1作目から3作目まで、全てを鑑賞した。

正直、1作目が一番面白かった。ポール・W・S・アンダーソン監督はゾンビ映画を核としながら、過去の様々なSFアクション映画の要素を取り入れたのだろう。

ヒロインの「アリス」という名前や設定には、「不思議の国のアリス」へのオマージュも感じさせ、まるでおとぎ話のようなオープニングからグチョグチョベチョベチョのゾンビ映画へと進む展開も見事だった。

そのアンダーソン監督が1作目以来という監督を手がけたこのパート4は、このシリーズが持っている楽しさ、面白さをもう一度再検証し、ぶち込んだ、という感じがする。

東京・渋谷でとある有名女性歌手扮する女性が突如、ゾンビ化する衝撃のオープニングからラストまで、興味を持続させてくれる。

多数のゾンビが外にいる中で、タワーに取り残された人々が、どう脱出するのか?タワー内の鉄格子にとらわれた男は敵か味方か?離れた船から発信されるメッセージの意味は?その船までどうやってたどり着くのか?

こんなてんこ盛りのエピソードを、ヒロインたちはスピーディーにクリアしながら、テンポよく物語は進行していく。

「ダイ・ハード」や「遊星からの物体X」など、過去のあらゆる娯楽映画のエッセンスがここにも詰まっている。予算的にもこのシリーズは超ビックバジェットなのだろうが、全編に漂うB級感というか、「何でも面白いことはやってやろう」的な監督の遊び心が楽しい。

展開がちょっと想定内ではあるが、この手のSFアクションをずーっと楽しんできた僕としては、楽しめる一編だった。3Dもなかなか効果的。

「バイオハザードW アフターライフ」 公式サイト↓
http://bd-dvd.sonypictures.jp/biohazard4/site/

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