SPACE BATTLE SHIPヤマト  新作レビュー

★★★★

小学校4年のとき、すでにSF大好きだった僕は、毎週テレビで放映される「宇宙戦艦ヤマト」に熱狂した。中学1年のとき、劇場公開されたときはサブカルチャー誌「月刊OUT」に載るヤマトの記事が楽しみで、小遣いを貯め、本やレコードを夢中になって集めた。

近隣で公開がなく、ギリギリしたこともあった。最初の劇場版を観た記憶はあるのだが、確か、初公開時、県内では公開されなかったと思う。あれはどこで観たのだろう?

それはさておき、翌年夏に公開された「さらば宇宙戦艦ヤマト〜愛の戦士たち」は並んで観た。戦い尽きて仲間と最愛の森雪を失った古代進がヤマトと共に永遠の旅立ちを迎えるラストと最後のメッセージに涙し、熱狂した大勢の青少年の1人である。

そんな僕だから、この映画を正常に判断できるわけがない、のである。

山崎貴監督は、「ヤマト」を現代的なSF映画として蘇らせる、という作業を、あえて「過去の作品に対する自分の思い入れをベースとして発展させる」という、アプローチでこの映画を作ったのだと思う。

だから、バトルのシーンは最新鋭のVFXを使いながらも、ヤマト内部はどこかレトロで、不思議なアンバランス感があるのも確かである。

しかし、その味わいこそがこの映画の魅力で、ヤマトそのものが持つ物語や設定の魅力に加え、ともすればパロディにしか成りえない「人」としてのデスラーやスターシャを意識体にし、いくつかのSF的な味わいを設定することで、物語に起伏を与え、それは成功している。

物語的にはテレビシリーズの短縮版でドラマ的には薄かっただったアニメ第1作を踏襲しながらも、「さらば宇宙戦艦ヤマト」の要素を加えることでよりドラマチックにしているが、その分、イスカンダル往復の旅がずいぶん短く感じられたし、説明不足感も感じられた。ツッコミ所も多数産まれたが、そこは、音楽であったり波動砲の見せ方であったり、往年のファンをうるうるさせてくれた「思い入れを実写にしてくれた」感謝の気持ちで全て許せちゃうのである。

まあ、許せないファンがいるのは、仕方ないだろう。でも、アニメの「ヤマト」はテレビシリーズの2作目で映画とは違うラストを採用して以来、物語性は完全に失われ、ストーリーは矛盾だらけで、「ヤマト」の存在性の魅力だけで生き残る、無残な形になってしまう。

「宇宙戦艦ヤマト完結編」に至っては、沖田艦長は実は生きていて、それは佐渡先生の謝診でした、と言われては、完全に観客は置いてけぼり、である。残念ながら、一昨年の「復活編」も、作り手の思いばかりが先行し、作画のレベルもバラバラで、物語に政治的な匂いもして、ストーリーラインは完全に破綻していた。

思うに、最初の「宇宙戦艦ヤマト」「さらば宇宙戦艦ヤマト」は、西崎プロデューサーを中心に、物語や設定まで深く関わった漫画家の松本零士氏やSF作家の豊田有恒氏、脚本の藤川桂介氏、実写界から招いた舛田利雄監督など、あらゆるクリエイターが英知を結集してのクオリティだったのだろう。

それが、のちのちに原作権を巡って裁判も起きてしまったが、いい意味でも悪い意味でも、プロデューサーの思い入れが強すぎて、「ヤマト」の物語は破綻してしまったのではないか。

そういう意味では、この映画は、これまでの「ヤマト」、とくに「宇宙戦艦ヤマト」「さらば宇宙戦艦ヤマト」に涙した青少年たちが成長してクリエイターとなり、かつてのスタッフが関わることなく、純粋にファンの立場から作られた、最初の「ヤマト」なのだ。

だからこそ、僕は純粋に単純に感動できた。「映画」としてはいろいろと意見があるのも十分承知のうえで、昨年のヘストテンの第10位にランキングしたのだ。

SPACE BATTLE SHIPヤマト 公式HP↓
http://yamato-movie.net/index.html

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復活宣言  映画つれづれ

長い間、このプログの更新を休んでいました。

昨年来、仕事が多忙になって、精神的にもキツかったことが理由でしたが、ようやく落ち着いてきました。ここに復活します。

今年の1月は一度も更新しませんでしたが、に2006年にプログをスタートして以来、更新がなかった月はこれが初めてでした。

本当に申し訳ありません。

更新が滞っている間にも遊びに来てくださった皆様方、本当にありがとうございます!

まずは、昨年12月から鑑賞した映画のレビューからぼちぼちと始めたいと思います。映画祭でのことや番組のことなど、書きたいことは山ほどあるのですが、ゆっくりと書いていくつもりです。

またよろしくお願い致します!
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