わが母の記  新作レビュー

原田眞人監督作品「わが母の記」、4月28日から全国ロードショーが始まりました。

僕は「シネKING」で原田監督と主演の役所広司さんにインタビューをさせて頂きました。放送は4月20日でしたが、収録は一カ月前、広島のホテル。作品はその数日前に、一足早く鑑賞させて頂きました。

昭和を背景にした「家族」の物語であり、松竹配給ということで“小津映画”を思い出しますが、精神的な部分で敬意を表しながらも、原田監督独特のカット割から始まって、いつの間にかじっくりと役者さんたちのお芝居をしっかりと見せてくれる、秀作でした。

樹木希林さんが本当にぼけているのか正気なのかわからない母親役を好演していますが、母親と息子である主人公の間にある“わだかまり”の正体がなかなかわからない、ある種のミステリーのような仕掛けもあって、ここがわかる展開は、かなりグッと来ます。脚本の構成も上手いなあ、と思いました。

僕が感嘆したのは、主人公の娘役の宮ざきあおいさん。(さきを正しい漢字で書くと文字化けするようです。)セーラー服姿の中学生から艶やかな娘になるまで、自然体で好演していました。「ツレがうつになりまして。」から、グッと良くなった感じがします。


映画評論家出身で、古今東西の映画に精通していらっしゃる原田監督らしく、小津安二郎監督やイングマール・ベルイマンのことがセリフに登場していて、映画通ならニヤリとするでしょう。

インタビューは緊張しました。カメラが回る前に「お2人のコンビは僕にとっては、傑作『KAMIKAZE TAXI』です」と言うと、原田監督「我々もそうですよ」と一言。嬉しかったです。

「ラストサムライ」では役者として明治天皇の側近を演じられた原田監督ですが、幕末に活躍した木戸孝允がお好きだそうで、以前、実現はしなかったハリウッド映画の企画で、「スターウォーズ 帝国の逆襲」の故アーヴィン・カーシュナー監督と一緒に山口市湯田温泉(僕の実家があるところ)の松田屋ホテルに泊られたとき、木戸孝允ら維新の志士たちと縁が深いホテルと聞いて感動した旨のお話をして下さいました。

…アーヴィン・カーシュナー監督が、原田監督と実家の近くの湯田温泉の松田屋に泊まった…。そういえば、俺の母ちゃんはあそこで時々仲居さんをやっていたぞ…帝国の逆襲は旧三部作でいちばん好きだぞ!「ネバー・セイ・ネバーアゲイン」も好きだった…ぐるぐると僕の頭が回り始めながらも、緊張が和らぎました。

原田監督は井上靖さんの高校の後輩にあたるそうです。今回、井上靖さんが実際に過ごされた家や別荘で撮影したそうで、映画にもその重みは十分伝わってきます。最初は階段とその周辺だけで撮る予定が、いつの間にか家全体で撮影し、別荘まで広がり、最後は全面協力になったそうです。

役所さんは佇まいがとっても素敵な方でした。

シネKING、今年からはどんどん監督さんや俳優さんにも出演して頂く予定です。皆さん、お楽しみに!!

※途中、文字化けしていたようで、戻しました。今度は大丈夫かな?
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