だいじょうぶ3組  新作レビュー

障がいを持った青年が先生として赴任してくることで、子どもたちがどう変化していくかを、丁寧に描いています。

障がいも個性であり、障がいを持つ人に対して配慮は必要ですが、それ以上に腫れ物に触られるように扱われたり、ある種特別視されると、かえって当事者は辛かったりします。

子どもたちと赤尾先生が出会うシーン。子どもたちが手足のない赤尾先生に純粋に興味を持ち、眼を丸くするところは、ある意味リアル。給食のシーンで、手を使わずに食べる先生のモノマネをする児童も出てきますが、これも悪意と言うよりは、純粋な興味からの描写でしょう。

「ヴァイブレータ」「軽蔑」など、性と生を追及してきた秀作が多い廣木隆一監督は、「余命1カ月の花嫁」でもそうでしたが、単なる感動映画に仕立てていません。

赤尾先生と子どもたちが出会うシーンの本番の撮影まで、監督は演じる乙武さんと子役たちを一切会わせず、打ち合わせもさせなかったと言います。

だからこそのリアルさで、そこから子どもたちが抱える問題を描きながら、“障がい”ということは何なのか、身体なのか、心なのか。廣木監督は、1人の身体機能に障がいを抱える青年を軸として、そこから生じていく人の心と心の繋がりをじっくりと描いていきます。

僕は発達障がいの当事者であり、小学校時代はひどい「いじめ」にも遭いましたが、この映画でひとつの答えを見つけていく子どもたちがまぶしかったし、僕もこの「5年3組」にいられたら、もっと違った小学校生活を送ることができただろうなあ、と思いました。

…ということで、本日深夜の「シネキング」では、この映画の原作者・出演者である乙武洋匡さんに僕がインタビューしています。乙武さんとは一昨年、下松市で開かれた乙武さんのシンポジウム&講演会で僕が司会をさせて頂いて以来の再会でした。

映画の採点は70点です。番組、是非、ご覧ください!

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