K-20 怪人二十面相・伝  新作レビュー

見た日/12月某日 ★★★

この映画が、2008年に鑑賞したラスト。

かつて「鉄人28号」が実写映画化されたとき、昭和レトロの中で展開されるSF活劇に大いに期待したら、昭和を舞台にすると製作費が物凄いことになるとかで、結局現代を舞台にしたユルユルな作品に仕上がってガッカリしたことがあった。

この作品は、娯楽映画の製作会社では、もはや日本の雄である「三丁目の夕日」シリーズの製作会社、ロボットによるものだし、特撮スタッフは同シリーズを手がけているだけあって、「鉄人」のときに期待した、昭和レトロの中の活劇、という意味では初めて成功した作品かもしれない。

とくに冒頭の帝都のシーンは目を見張った。「第二次世界大戦を経験してない昭和20年代の帝都」という、冒険活劇の舞台としてはすこぶる魅力的な設定を、見事にワンシーンで表現していて、この場面だけで、この映画の世界にすんなりと入っていける。

ただし、よくできているし、物語もとっても面白いのだが、映画が進むにつれ、アクションや特撮に、少しずつほころびが見えてくる。金城武が泥棒修行する際のアクションなど、なかなかいいシーンではあるが、同じような生身アクションを展開しているハリウッド作品と比べると、見せ方においては、やはり劣る。後半の特撮などはちょっとグタグタで、同じスタッフが手がけているとは思えないほど、同じ映画の中でクオリティに差がある。

脚本もよく練られているし、クライマックスの展開もよいだけに、正直、邦画の娯楽大作にはどうしてもつきまとう「日本映画にしては…」という範ちゅうに、この映画も留まってしまったのが実に惜しい。

クライマックスでのオートジャイロのシーンや、金城武が助けるお嬢様のキャラクターなど、隋所に「ルパン三世 カリオストロの城」へのオマージュを感じたのは、僕だけではないだろう。何かの本を読んだら、佐藤監督はやっぱり意識していたようだ。

「あれを実写でやりたい」という佐藤監督の夢を体現したところもあるのだろう。あと、お譲様役の松たか子がいい。主人公を支える泥棒長屋の住人でからくり職人役の國村隼とその妻役の高島令子のコンビが、映画を支える潤滑油的な役割を果たしている。このお2人が夫婦というのは、佐々部監督の「半落ち」以来だろう。
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