ワルキューレ  新作レビュー

観た日/3月某日 ★★★

ドイツでのヒットラー暗殺計画の実話を、「ユージュアル・サスペクツ」「Xメン」のブライアン・シンガー監督がトム・クルーズ主演で描いたサスペンス大作。

トム・クルーズのドイツ将校ぶりが格好いい。身のこなしや振る舞いなども見事で、彼は相当この役に入れ込んでいたのがよく分かる。

トム・クルーズはいい意味でも悪い意味でもスターらしいオーラがバリバリで、この映画でも群像劇でありながら、どうしてもトム一人が目立ってしまうのだが、歴史の陰に隠れた秘話を語るうえでは、物語を強調する役割にもなるので、スターの存在は正解かもしれない。

その分、他の将校たちの陰が少々薄くなってしまいがちで、肝心の「ワルキューレ作戦」の全体像が今一つ伝わらない面もあるものの、後半のサスペンスは臨場感もたっぷりで、緊張感あふれる演出効果もよく、スクリーンに釘付けになってしまう。

歴史は変えられないので、ある程度の結末は分かっているのだが、「もしかして、この映画では歴史の結末まで変えるのかな」と思えるほど、リアリティも臨場感もあった。

ヒトラーを描いた作品はいろいろあるが、これはまた異色のサスペンス劇だろう。ラストはもの悲しいが、かつての悲劇と独裁政権への怒り、そして戦争に対する作り手のメッセージもしっかり込められている。

娯楽性も込めながらも、歴史に根づいた骨太な作品である。ただし、ドイツ語を話していた登場人物たちが、途中から英語に変わっちゃうのは「レッドオクトーパーを追え!」以来の伝統とは言え、最近はハリウッドも徹底したリアリズムを追求しているのだから、何とかならないのかな、と思ってしまう。
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